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「Catfishなおうち」第12回配信(2020年11月7日配信)

「Catfishなおうち」はポッドキャストのシステムを使ったネットラジオです。主に建築構造系のことをつぶやいていきます。ブログ、なまあず日記styleのネットラジオ版です。

「Catfishなおうち」第12回をお送り致します。前回までの放送はこちら

今回はオープニングでアメリカ大統領選挙を話しました。選挙戦が好きなDJしろなまずですが、開票作業はいつも興奮させられます。まあ熱くならない程度に語っています。

DJしろなまずの質問回答コーナー
耐震等級3で震度7大丈夫?

特集:
ヒノキ神話を疑う ヒノキの欠点とは??

ネットラジオ「Catfishなおうち」
・収録・提供 なまあず日記style(スタジオKatamachi:東京都府中市)
・メインパーソナリティー DJしろなまず  ちなみ(AITalkより)
・バックミュージック 「Gunshot Straight」 <a href=”http://musmus.main.jp/info.html” target=”_blank” rel=”noopener noreferrer”>MusMus</a>
・CM 駄菓子屋なまあず

耐風等級2の計算が増えている

何であれスペック重視のビルダーさん。敏感すぎます。耐震等級3を必須にしていながら、弱い建物を作っちゃっている残念な会社もあるようですが耐風等級2もうまく運用されるように願います。

しょっぱなから、耐風等級3でお願いしますという卒倒しそうな依頼も。耐震等級は1、2,3あるんですけど、耐風等級は1と2しかありません。また台風等級という間違った依頼もあります。計算は我々がやるんでいいんですけど、最低限内容くらいは理解してからお客に説明し依頼して欲しいです。

まず基本事項として、建築基準法に規定される性能の1.2倍以上の性能を耐風等級2としております。耐震等級2は1.25倍なので、ここも違いますね。よってそれほど差がないので、極めてまれに発生する暴風に対しては損傷する可能性を残している等級でもあります。

まれに、耐震等級2をクリアできるのに、耐風等級1(基準法同等)をクリア出来ないケースがあります。これは狭小住宅等で見つけ面積が短辺に比較して長辺が異常に長い木造3階建てなどであります。そのような建物では、基準法を満たすことも難しいのですが風に対する揺れも大きいと考えられるので、耐風等級2の取得を目指すというのは有益なことだと思います。

耐風等級や耐震等級に興味を持つことは良いことですが、取得方法に準耐力壁や垂れ壁などをうまく使って計算し、あまり強くないのに耐震等級を取得、なんてこともできるケースがあります。これはこれで良いと考える人も多いのかもしれませんが、耐震に関してはもう少し強さが必要と思われるので、あまり計算重視でいかないほうがいいのかもしれません。

震度と建物の関係

筑波大学システム情報工学研究科構造エネルギー工学専攻構造動力学研究室のHPには、若干高度ながら、非常にわかりやすく地震について解説しています。

その中に熊本地震でわかったこと、という比較的トレンディかつ、住宅設計をやっている人間は、必見のことが書いてあります。地震研究はまだ道半ば、という感があります。まだまだ新しい地震で新しい発見も出てくると思います。熊本地震は震度7が2回観測される非常に希な地震だっただけに、いろいろな発見があると思いきや、もう少し精査すると更に興味深い事象が見て取れることがわかります。詳しくは同ホームページをご覧ください。

今まで、震度と地震被害が一致しない、ということは言われていましたが、同ページでは震度は、主として周期1秒以下の人体感覚・・・だそうで、建物自体の被害ではないそうです。良く考えれば当たり前のことで、建物被害は地震の周期や建物の固さ、高さなどで変わってしまうわけで、人が感じる指標を用いるのは至極当然とも思えます。もっとも誤解があるなら、きちんと周知してほしいところです。近年長周期地震動の指標ができたり、と徐々に改善されていますが、とりあえず震度7でもあんしん!などと謳っている建物CMなどは、その建物自体よりもその文言に疑問を持つべきでしょう。

このページで「予備知識として」と書いてありますが、震度の大きさと建物被害は関係ありません、とまではっきり書かれています。少なくとも設計者はその意味を正確に掴むべきです。

特に耐震化すると建物が固くなるので、周期の短い地震で逆に被害がでる可能性がでてきます。実際熊本地震でも長期優良住宅が壊れたなどという事例がでています。もしかしたら短周期(0.5秒から1秒)が卓越した地震動では、比較的新しく耐力が高い建物が被害がでるのでは?という予想が当たってきているともいえるのです。

地震をキラーパルスや長周期地震動のような、単一的な言葉で捉えるのが危険、ということもわかります。熊本地震では、キラーパルスに該当する地震動が大きかった地域(一番被害が大きかった益城町)、長周期地震動成分が記録された西原町、やや短めの1秒弱が卓越している地震動が記録されたKiK-net益城・・・場所や地盤によって、同じ地震でも変わってしまいます。その全てに対応することは出来なくとも、確率が高い方向で建物設計することは意味があることであり、他のページでも各周期毎の実験などもありますので、ご確認いただければ、と思います。

個人的には、建物を固めすぎないで・・・という一部の伝統的構法も、恐らく周期が長くなると危険になる可能性がありながらも、短周期の地震には有効かもしれません。固めにつくる現在の耐震等級3などの建物も、伝統的構法の建物も欠点部分に目をつむることなく、うまく欠点を補える方法ができてくれればな、と思います。住宅の構造設計をやっていると、やたら耐震等級3を求められますが・・・その流れ正しいのかどうか?考える時期になったのかもしれません。