零細企業の有給義務化について

今年の4月より始まる有給義務化は、大企業だけでなく中小・零細にも適用される。このことを知らない経営者は多い。もっとも有給休暇制度すらない会社も多いわけで・・・。設計事務所なんてその代表かもしれません。

しかし、近年、設計事務所でも有休制度をきちんととっているところもあります。労働時間の短縮化も取り組んでいる事務所も多く、以前のように終電当たり前の業界から脱出しつつあります。それでもまだまだ駄目なところもありますが。

人事出身の私からしても、昨今の労働に対する法の介入は「やりすぎ」と思ってしまいます。ただでさえ労働力人口は減っていくのに、技量を持ちたいと思っている若者に十分な経験を積ませてあげられないのは、この国の行く末を考えると非常に辛いです。もちろん過剰労働などはもっての他なのですが、やる気のある若者の成長意識を阻害してしまうのでは?と危機を感じます。

さて、今年の4月から始まる有給義務化は、有給休暇制度があるのは当たり前で、有給休暇のうち5日間(年10日以上の有給を与えられている従業員)は、お願いしてでも従業員に有給を使ってもらわなければなりません。しかも罰則付です!!まあそうでもしないと周知徹底できないのは過去からしてわかりますけど・・・。

このような事態を見越し、有給を制度化し、できるだけ取りやすい環境を作ってきた企業にとってはそれほど高いハードルではありません。しかし、そんなに余裕がある企業なんて中小零細にはありません。そもそも1人親方、フリーランス、社長・・・・労働基準法が適用されない人たちも大勢います。そんな人たちにとっては、有給が取れる労働者という人たちとの労働時間の差は更に広がり、過酷な労働になってしまうかもしれません。

例えば、設計者を解雇し、その人達を独立させ仕事を振る。終わらなければ・・・とか。このようなことが実際にはあるでしょうし、これから更に増えるかもしれません。そういう独立した事務所を協力事務所などと・・・まあそれ以上は言いません(まあ悪用する人はいつの時代にもいるでしょうし、うまく協業している人もいますし)。建築士にとって独立は今でも夢!という人もいますが、確実に減ってきています。さらにこのような制度によって独立したいという人を阻害する可能性もあるのです。そもそも建築士を目指す人が激減していますし(爆)。

ちなみに、私の会社では、働き方改革(この呼び方嫌い)ではなく、お休み改革(有意義なお休みをどうやって確保するかの改革)を数年前に断行したため、有給取得に関しては既に5日普通に達成できていますし、フレキシブルに休みやすい環境も整っています。ちなみに病欠者はほとんどいないのはこの成果かもしれません(元気に有意義なお休みを過ごすことが目的ですから)。

しかしこの改革でマイナスもあり、例えば会社外の研修、視察などがやはり減ってしまいました。休みの人との兼ね合いが難しいのです。零細は、人のローテーションが本当に難しいのです(しみじみ)。そこは4月以降に改善策を実施する予定です。人事出身の社長の腕の見せ所ではあるのですが・・・。

SAVE-住宅 Ver4.1 2月下旬発売予定

共同住宅の省エネ計算ソフトSAVE-住宅がバージョンアップし、4.1になります。戸建て住宅の省エネ計算ソフトHOUSE-省エネが先行してバージョンアップしていましたが、戸建て住宅部分はこちらもようやく追いつきました。そのうえで、共同住宅部分の住棟部でもアップデートされました。

HOUSE-省エネと異なりこちらは年会費制なので、バージョンアップに費用はかかりません。

共同住宅の省エネ計算はとても面倒だな、と感じている人は購入を考えてみてもいいと思います。戸建て住宅も計算できますし、RC造、S造、木造だけでなく混構造も対応できますのでお買い得です。

残念なことに、今回は特価で購入できるキャンペーンは実施しないようです。某ショップでもしないことを確認しています。

建築士不足深刻化

長期データから見る「建設技術者の雇用環境の変化」、人材不足はかつてない次元に

まあ、この記事は「建築・設計・測量技術者」の人材不足の話ですが、職安の有効求人倍率の推移の表から、すごい勢いで倍率が上がっている、という内容です。その割にデータ年度が非常に古いので、更に進んでいると思われます。

残業は200時間超のブラック過ぎる「建築士」 現状の問題点を紹介

この記事は昨年夏なのですが、私の周りでは残業時間が多い事務所は激減している感じがします。設計事務所だからといってブラック・・・という印象は現場ではなくなりつつあります。もちろんまだあるところにはありますが。

建築士、特に一級建築士の受験者数は年々減ってきており、20年間で半分以下!という激減ぶり、そのため一級建築士の6割が50代以上という高齢化も一気に進んでいます。特に深刻なのは設計業務を行う建築士の合格率。大手ハウスメーカーや建設会社など比較的労働環境の向上が早く資金に余裕があるところは、就業中に建築士試験勉強をさせたり、資格専門学校の講師を呼んで社内で講座を開くところもあります。一方建築設計事務所は労働時間も長く、資金的にも余裕がないので、なかなか対策ができません。そのため実務ができる設計者がなかなか建築士に受からない、というジレンマもあります。

試験対策の高度化により、試験問題が難問になり、特殊な対策をせずに受かることが困難になってきました。そして受験者数の減少は、少子化に加えこの業界に魅力が薄れているのが大きな原因です。特に大手はともかく、設計事務所は賃金が安い傾向にあります。設計料などをきちんと取れる環境にないことが一因といえますが、なかなか難しい問題です。

それなのに、試験制度改革は大学卒の年に試験を受けられるように「緩和」するといった対策を講じますが、これで受験者数が劇的に回復するとは思えません。やはり業界挙げて、環境の改善、建築士の魅力の向上、アピールをやっていかなければならないと思います。

構造ソフトの「今月のイチオシ」1月号公開

株式会社構造ソフトでは、自社のソフトの紹介や、時事など、今月のイチオシと題してPDFで公開しています。過去には「秀丸エディタ」の便利機能などというものもありました。まあ基本は同社のソフトの紹介なのですが面白いです。今月はBUILD.一貫の横補剛機能の拡張や適判等からの指摘事項のQ&Aです。PDFなので図もきちんと入っていますし、印刷することもできます。WEBベースやテキストベースに比べて親切ですね!

KIZUKURI構造知識セミナー

珍しくKIZUKURIのイベントのお知らせ

仙台・大宮・横浜・名古屋・福岡・大阪と開催。各階50名定員と余裕がありますね。JIOから「構造計算だからできる耐震等級3と建築主のメリット」、木造舎の星川氏から、グレー本改訂のポイントや、KIZUKURIの最新バージョンの機能についてです。最近、あまり動きのなかったKIZUKURIですが、今後どうなっていくのでしょうか??興味のある方は是非ご参加ください。

株式会社FMシステム10周年&FM-Refine新バージョン発売!!

お世話になっている株式会社FMシステムが10周年だそうです。おめでとうございます!!

FMシステム社といえば、まいく郎が有名ですが、長期修繕計画システムであるFM-Refineが1月31日にVer3となります。同社を含む構造システムグループでは、BIM対応を推し進めている最中ですが、FM-RefineもBIMソフトウェアから出力した部位部材に関するデータベースを取り込み、長期修繕計画を簡単にシミュレーションできるのが特徴です。

主な新機能は、複数建築物の部位部材情報をまとめて一枚のワークシートにエクスポートできるようになりました。複数物件を管理している場合便利ですね。またBELCAデータのインポート機能を搭載したり、施設台帳管理システムのFINE-WEBSとの相互連携も可能になりました。

FMに取り組む企業にとっては、武器になるシステムとなります。詳しくは株式会社FMシステムにお問い合わせください。

HOUSE-ST1の使いにくいところ、改善して欲しいところ

なまあずステーションユーザーより、聞いた中で確かにここはな、というところありますね。

・梁追加荷重が超絶使いにくい
 バルコニーの手すりとか入れるの面倒です。妻壁が比較的簡単なので、あんな感じにならないかしら??視覚的じゃないので計算書精査しないときちんと反映されているかわかりにくい。追加重量で皆さんやっているのかしら?それとも壁コマンドを荷重伝達を下層のみにして間仕切壁設定で、固定荷重をいじって強引に積載しているのかしら??

・梁入力が面倒・わかりにくい
 下階柱が見分けにくく、梁掛けがやりにくい。梁せいも手入力というわけのわからない仕様。WOOD-STでは簡単に選択できるのに(涙)。一番使うであろうコマンドが一番面倒という不思議な仕様。

・ダイアログの位置が不思議
 これは私から。柱や梁のダイアログの表示位置がおかしく、ノートパソコンなど画面が狭い場合は、ストレスがたまる。HOUSE-DOCのようにサブウインドウにならないかしら??サブウィンドウを自分の好きなようにカスタマイズできると助かります。たぶん3Dの軸組を必ず必要ってシーンは限られているはず・・・

・もうちょっと柔軟性が欲しい
 グレー本に忠実なのはいいけど、もう少し柔軟性が欲しい。グレー本適用外でも法規的、テクニック的に可能であれば、入れて欲しい。梁の上の柱の本数の制限とか、斜め梁の数の制限とか。

・見つけ面積入力しにくい
 初めてでアレ使いこなせたら、すごいと思う。慣れの問題ですけど。

・CAD下図を各階で固定できるようにして欲しい。
 階移動しながら入力するとものすごいストレス

・四号建物の壁量計算モードが欲しい
 やっぱり4号のほうが多いのだから、その程度付けて欲しい。DRA-CADにだってついているんだから。自分で工夫すればそんなに手間がないけど。面倒ならHOUSE-4号付属してほしい。

・品確法の出力が超絶悪い
 改善する予定はないのでしょうか?使う人がいないでしょうから問題ないのかも。耐震等級なら構造計算して出力した方がはるかに楽で安全ですし。

・CAD出力がお粗末
 せっかくいろんなCADに出力できるのだから、もう少し構造図で使えるものにして欲しいところ。

・金物図が見にくい
 これはこれで使いやすいのだから、一般的なソフトと同じように各階柱頭柱脚が出力できるモードが欲しい。

まあ、バージョンアップを重ね、実用性が高まってきたからこそ目立っているだけで、普通の新グレー本対応の形状の建物であれば大きな問題は少ないです。そうでない建物が多すぎるのが逆に問題なのかもしれません・・・。

お名前.comデスクトップクラウドをスマートフォンで

某営業さんと話に出てきたので、ちょっと紹介。

以前も使っていたのですが、お名前.comのデスクトップクラウドは、クラウド上にほぼWindows10を稼働できる安価で素晴らしいサービスです。クラウド上なので、作業中そのままに、別の所からログインし作業を続けられるとか、信じられない作業環境が実現します。またリモートデスクトップで接続できるので、元の環境は何でも構いません。MacBookユーザーでJWWを使いたい!などということも簡単ですし、データもクラウド上なので、どこにファイルを置いた!みたいなこともなくなります。画面は小さいですが、スマートフォンでもWindowsのソフトを触ることができます。構造計算をスマートフォンで!とか可能かもしれません。私が以前使っていた環境でもかなりのソフトが使えていたので、今は?と思い実験して見ました。

まずHOUSE-ST1。リモートでは非対応のソフトです。インストールはできました。しかしネット認証がNGです。ちなみに試供版に切り替えて使って見るとファイルの読み込みなどサクサク動きました。ZenFone5Zは高速なので、小さい画面ながら高解像度でサクサク動いたのは感動です。メーカーさん!!是非ネット認証対応させて!!

認証ができないのがつくづく残念。普通のリモートデスクトップではサクサク動きます。参考までに。

このサービスの最大の特徴はパソコンを付けっぱなしにしなくても良いこと、震災時などでも遠方に保存されている(はず)なので、ネット環境さえ整えばすぐに作業ができること。光回線に接続しているときは安心して作業ができるのはいいですね。まあ速度はそこそこで高速環境に慣れている人には遅いと感じますし、重量級のソフトは快適には使えないのも事実です。

JWWなんかはサクサク動きますね。スマートフォンタブレットだと操作が難しいのでお勧めしません。どちらかというとビューアー的な使い方が吉かな?スマートフォンの場合は。

もう少し環境が整えば、まだまだ面白い環境です。すっかりソフト・アプリはスマートフォン化して久しいですがパソコンでしかできないことも多いはず。そのようなときに使えれば嬉しいサービスです。

小型で安価なプロッタ SC-T3150(エプソン)

住宅を設計している方は、A3サイズで納まると思いますが、まだまだA2とか必要だな~と思う設計者も多いと思います。でも大きさが大きすぎるし、使わないと故障しがちになります。私もCANON機を短命に終わらせてしまったこともあり、現在はA3複合機で済ませています。

ただどうしても欲しい!という方はHPの安価なものをお勧めしていましたが、今はエプソンのSC-T3150をお勧めしています。エプソンはこの季節長々と(!)セールしています。このモデルも安価です。スタンドレスのSC-T3150Nは138000円ですから。超安価!というわけではありませんが、そのスペックをみれば、買い!なのがわかります。

まずサイズ。クラス最小だそうです。0.49㎡といわれてもピンとこないですが、写真を見る限り確かに小さいです。スタンドなしで図面入れの上に楽に置けそうです(SC-T3150N)。インクは小型で時代に逆行していますがインクジェットでそれほど稼働率が高くないなら安価ですしそんなに問題になりません。

インクは4色顔料で耐水性が高いのでCADやポスター向けです。モノクロはソコソコ速くA1約34秒。大量に印刷しないのであれば十分ですし、実際使っている人に聞いてもCADモノクロは問題ない速度のようです。カラーはインク容量の問題で、常用するにはそもそもつらいので、モノクロ常用、カラーたまに、という用途が正解かもしれません。

HPは安いけど使い勝手が・・・という人も多いかと。実は常用プリンタがHPなら特に問題ないのですけど(汗)。ただ大型タッチパネル対応とか、WiFi対応とか日本人向けのドライバソフトとか、AirPrintでiPadから印刷できるとか、こまかな気遣いとか・・・エプソンらしいといえばエプソンらしいし、余計なものがついているといえばそれまで。

あくまである程度安く、省スペースが必要な方にお勧めです。A1まで印刷できるし。ただ、常用でヘビーに使うなら、上位機をお勧めします。価格的なメリットはそもそもそれほどないですし、カラー出力のランニングコストは悪いですし。でもこの大きさは武器ですし、たまに使うマシンに大きな面積を専有して欲しくない設計者は多いはず!!ということで紹介でした。

HOUSE-ST1からWOOD-STへの転送の改良

昨年の12月25日のアップデートで、HOUSE-ST1からWOOD-STへの転送が最新のWOOD-ST Ver1.5に対応しました。先日初めて新バージョンでの転送にチャレンジしました。基礎もうまく転送できました。3D表示が??でしたが。見つけ面積の表示の不具合はHOUSE-ST1から転送しても同じ。WOOD-STで直して貰うしか無さそうです。基礎パラメーターはHOUSE-ST1のほうがグラフィカルでやりやすいはずなのですが、実際は慣れが必要で正直直して欲しいのですが、その辺りは放置されています(まあ慣れればどうってことないのですが)。WOOD-STは数値だけで入力するので更にわかりにくいです。HOUSE-ST1があるなら、計算結果を転送して比較してみるといいと思います(一回やればだいたいわかります)。

k-DBの関係で、部材は転送出来てもそのままでは使えません。告示1899だから使える材料も限定されます(昔の大断面集成材からきていますから・・・)。まあ集成材を使っている限りは、k-DBに登録されているリストを使えるので、指定できて簡単といえば簡単なんですが一手間必要です。面材壁は大分楽になりましたね。WOOD-STで壁倍率が指定できるようになったのですが、転送では耐力のみです。簡単な変換なので戸惑うことはないのですが、

初めてやる方は、PDFマニュアル 操作・概要編の3.7.2 WOOD-ST転送用ファイルの書き出しを熟読してからやったほうがいいです。正直、即戦力というより、入力の省力化が目的なので、転送してから直す項目が多いです。そのポイントは予め簡単な物件を転送して自分なりにまとめておくといいでしょう。