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杉材だけで構造計算する訓練をお勧め

ウッドショックが、思った以上に深刻になり、今までの住宅需要が堅調だっただけに、混乱が広がっています。まあ、今までが良すぎただけとも考えられなくもないですが、ピンチには変わりがありません。流れてくる情報は、皆同じ話ばかり。youtuberもここぞとばかりに、したり顔でウッドショックを語っていますが、何一つ響きません。何しろ、全く影響がでていないと豪語する方もいるくらいですから、まだまだ状況が確定しているわけではないのかもしれません。

さて、海外需要の増加により、日本に輸入木材が入ってきにくくなり、需要を満たせないことから値上がりしている現状況。そう簡単に正常に戻りそうにないことは誰の目にも明らかです。木材問屋さんからも説明がありましたし。まあ座って待つわけにもいかないし・・・というところに、集成材で構造設計を終えた建物を柱だけでなく、梁も土台も杉で、という無茶な要望をしてきたビルダーさんがいたので、「無理です」とお答えしました。他にもいろいろありますが、これが一番無茶でした。しかしどれくらい無茶なのか・・・ということで、その物件を杉に変更したら・・・まったくお話しになりませんでした(笑)。そこで、その物件に近い形で、どうすれば計算できるかを検討してみました。作ったモデルが、こんな感じの狭小木造3階建てビルトインガレージ付です。

設計のポイントは、

・車庫上の横架材に耐力壁を持ってこない
・3階の耐力壁小さく
・長スパン横架材上に耐力壁を持ってこない
・バルコニー取り付け部外周壁は耐力壁にしない
・二次梁はできるだけ避ける。三次梁はもってのほか
・総3階、母屋下がりがない整形建物
・柱軸力はできる限り均等に
・めり込みが発生しにくい設計
・小屋梁は、スパンを長くしても、2・3階床梁に負担を増やさない

・・・などです。普段高強度の集成材やLVLを多用することに慣れているので大変です。杉は無垢材ですし、バラツキも大きいので更に注意が必要そうです。今回は無等級材で設計してみました。柱はギリギリ105角が駄目なのでオール120角としました。最大梁成は計算上300。梁せいは意外と頑張りました。梁上に柱や耐力壁があれば、すぐに設計NGになりそうです。ある程度規模がある建物なら、更に耐力壁を分散できますから、もう少し自由な設計ができそうですが、今度はスパンが飛んでしまう・・・。なかなか難しそうですね。

この内容は、動画でまとめましたので見てくださいね。時間がなかったので編集荒いです。

非常に難しい分、構造力学などに精査していないと最適化できませんので、初期の構造計算の学習には、あえて杉で設計してみるのも良いかもしれませんね。

もちろん国産材には、高性能なヒバやヒノキもありますので、これを機に国産材をもっと利用できるような環境が整えばいいな、と思っています。

構造用集成材が手に入らない???

木造業界では過度に反応されているネタですが、いよいよ状況が悪化確定のようです。

2021年の日本集成材工業協同組合の「構造用集成材の供給見通し等について(3/29)」では、状況を端的に説明しています。国内集成材は、原材料の7割を海外から輸入しているそうです。そのうちの8割がヨーロッパです。昨年以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で思わぬ需要増のようです。

その原因は、米国での住宅着工数が十数年ぶりの高水準であることに加え、コロナ渦の巣ごもりに起因するDIY需要等の増大で木材価格が高騰しているため、フィンランドやスウェーデン等の欧州産木材の多くが米国へ向かっているそうです。またコンテナ輸送も中国ー米国航路に集中しているため、ヨーロッパから日本向けのコンテナの確保が難しく、運賃も大幅に上昇するといった悪循環が続いているようです。そのため産地側の提示価格が高騰しているそうです。

結論的にこの協同組合では、5月以降において2割以上の減産を為ざる得ないという見方を表しています。

各方面から話は入ってきますが、噂話レベルの怪しさは満点なのですが、上記の見方を見れば、国内から集成材がなくなる、ということではなく、需要を満たさないので取り合いになり、金額は上がるぞ(既に十分上がっていると感じるのですが(大汗))、ということで落ち着きそうです。

ただ、大手から見ればゆゆしきことで、買い占めが始まっていると聞きます。そのせいで今市場にない状態に見えるようです。リフォーム用途の材料や、国産材も値上がり傾向です。

国内産材を使えばいいじゃないか?といいますが、既に国産材も買い占めが始まっているようです。ただ国産材の主力のスギは、比較的安く良い構造材ですが、構造計算をする側から見ると数値性能的に低いので木造3階建てや耐震等級3とかになると使いにくいです。また曲げ強度が不足しがちなので、柱には使えても、梁では難しかったりします。ヒノキやヒバも良い材料で、土台や柱には向きますが、集成材として梁材として使うには若干不安が残ります(高いし)。とはいえ、うまく使う方法が確立されれば、国産材をもっと使えるようになり、国内の林業が活性化する可能性もあります(なかなか難しいらしいですが)。

木造構造計算を生業としている構造屋さんは苦戦を強いられそうです。もっと大変なのは中小ビルダーさんでしょう。ちなみに地元で一人でやっているような工務店さんの中にはまだこの状況がまったく理解できていない人もいますね。新型コロナの影響は本当にわかりにくいですね・・・。

 

「RC規準による 鉄筋コンクリートの構造設計」の付録CD-ROMは良いぞ!!

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構造計算初心者向けの書籍の紹介です。この本は鉄筋コンクリート造の構造設計初心者向けの本ですが、動画ではないCD-ROMの付録がついている最近では珍しい構造書籍です。文字や数式が多いながら非常に読みやすい上、設計例もシンプルでわかりやすいです。

特筆すべきは設計例をExcelで一貫計算のようにシートでまとめているところ。非常に追いやすく手計算と照合しやすいです。シートも非常にわかりやすく、追加計算書などを作る際の参考になる作り方です。

RC造の構造計算は上野嘉久先生の「実務から見たRC構造設計」が最適だと思っていましたが、この本もなかなかどうして・・・良い感じです。

書籍は人によって向き不向きがあります。Excelがある程度分かっていて、シートを追うほうが理解しやすい方には、こちらの本をおすすめします♪

FAP-2欲しいという声

構造計算をコンピュータでやろう!という出始めの頃は、コンピュータの性能が低すぎてできることが限られていました。しかし今は高性能になって、プログラムさえできれば、ある程度のことをできるようになりました。更に先を考えると人工知能が骨組みなど全てやってくれる時代が来るかもしれません。

構造システムのFAP-3は任意形状の応力解析ソフトで、この業界でも有名なソフトです。しかし応力解析までです。断面計算は別途MED-3というソフトを買わないとできないうえ、別ソフトなので面倒です。これは昔の名残です。今の技術なら応力解析から断面計算まで一つのソフトで作れますし、そのほうが良いです。よって上位のSNAPの新バージョンでは、断面計算をプラグイン的な形で組み込んで、スピーディーにできるようになりました。まあ遅すぎるくらいですが、良い流れです。FAP-3とMED-3も同じようになったほうがいいし、SNAPと商品購入層も違うのでやはり1つのソフトでできるようにしたほうが良いと思います。

まあ、それに伴うわけではないのですが、私のようにFAP-3を2D専用に使っている人が多いと聞きます。計算は問題ないのですが計算書の出力から、あんまり3Dの大規模には向かないのが私の理由です。やっぱりシンプルに応力解析して一貫計算に添付・・・という使い方が多いので、どうしても2Dになってしまいます(腕が足りないのもあるかもしれません)。

そこでFAP-3とMED-3をくっつけると同時に、2D版をだしFAP-2とMED-2のようなものがでて欲しい、というのは相当前から聞きました。値段以前に2Dと3Dがくっついているのは、わかりにくいですしね。まあ、販売価格の問題もありますから、おいそれと提案できませんが。価格次第では構造初心者は飛びつくと思います。トラスやフレーム解析など意外と応用が効きますから(というか、私はそんなものしかやっていませんが)。

昨日の相談者もそんなソフト欲しいといっていました。とりあえずFAP-3とMED-3をお勧めしておきましたが。ちなみにストラクチャーのフリーストラクチャーは2Dと3Dのソフトはセットながらら安価で、断面計算のS造・木造が加わっているようです。

 

HOUSE-ST1 Ver8は明日から販売開始

木造構造計算ソフトHOUSE-ST1の最新版のVer8は明日から販売開始です。

事前に公開している情報はこちら

メーカーホームページにもほとんど記述がないんですけど(汗)。

かろうじてWEBショップにお知らせが載っていますね。新機能の紹介とかしておかないと売れないと思うのですが(大汗)。未だ製品紹介のページが更新されていません。まあ大して変わらないからということもあると思うのですが、ユーザー数が多いソフトなんだからもっと欲張ってもいいような気がします。

ちなみに

64ビット専用

です。これだけは忘れないで購入時に確認ください。もうWindows7やXPなんて使っていないとは思うので大きな声ではいいませんが、Windows8.1以降対応です

バージョンアップ、新規とも、なまあずショップ楽天市場店で購入していただけると嬉しいです。楽天ポイントが使えますし、支払方法も柔軟です。公式オンライン販売に比べて送料が無料なのも嬉しいです。新発売なのでキャンペーン価格で購入できますので、特にバージョンアップを考えている方は、ぜひぜひ、なまあずショップ楽天市場店でご購入くださいませ(くどい!!)。

DRA-CAD活用テクニック・ライブセミナー第12回

 最近、好評のDRA-CADのライブセミナー。8月21日15:00~15:15に第12回開催です!!

つまり今日です。ZOOMかYoutubeで予約なしで視聴できます。たった15分ですが、今回はDRA-CAD15以降の構造設計者向けの新機能の紹介となります。DRA-CADは構造設計者が好んで使っているCADとして有名ですが、なぜ構造設計者が好んで使っているかは、長年の謎でした。一説には、構造計算ソフト会社の構造システム(建築ピボット)が作っているから、というのがありますが、他社構造計算ソフトを使っているユーザーでもDRA-CADを使っている方が多いので、その説だけでは説明がつきません。また構造設計者向けの機能は新機能として近年搭載されてきていますが、その多くを昔からの構造設計者が使っていないという事実もあります。私も今回紹介される機能で使っているのは断面性能計算くらいでしょうか??今回もK氏の切れの良い解説が聞けるのでしょうか??15時に是非是非ご覧くださいませ!!!

※過去の動画もyoutubeで公開されています。この手の動画では秀逸なものとなっています。DRA-CADをお考えの方は、カタログを見るよりyoutubeを見て判断したほうが良さそうです。

建築ピボット 公式チャンネル

HOUSE-ST1の金物出力の改善

私のオリジナルマスタで、HOUSE-ST1の計算を行った方から、「どうやったら金物表記を調整できるの??」と質問を受けたので、ここで回答。

通常、HOUSE-ST1の柱頭柱脚の金物出力はホールダウン10kNは「2」、ホールダウン20kNは「5」と表示され、直感的ではありません。HOUSE-ST1の開発者は実務者のことを理解しようとはあまりしないようです。書き換えが出来ればいいのですが、デフォルトは不可!!そのくせ告示で合板耐力壁が加わっても未だ加えてくれません・・・。

まあグチは置いておいて、方法はああります。まずデフォルトの金物のチェックボックスを全部はずし、新たに使う金物をセットすればokです。

オリジナルマスタの例。こんな感じにすれば、構造計算時の金物表記はKN表記になります。意匠屋さんや現場に説明しやすくなりますね。巨大なN値は無視しています・・・。

金物図の表示もこんな感じです。

本来は標準で名称を変更できればいいのですが工夫すれば何とかなりますね。私は実務で、実際の金物名を仕様に入れています。これだと施工に渡すときも楽なので。

また、金物を意図的にサイズアップする場合は、図面で修正せず、入力の「柱接合部」で直接入力し、構造図と計算書の差異がないようにしています。

構造計算ソフトは工夫次第でいろいろ便利になります。なまあずショップ楽天市場店で販売している「木構造計算にチャレンジ」や「HOUSE-ST1 Ver7.5なまあずショップ限定セット」では、このようなテクニックが満載の「なまあずステーション」の利用権が付属しています。便利なマスタや、実務向けのサンプル、動画マニュアルなどいろいろダウンロードできますよ(最近、HOUSE-ST1も、なまあずステーションのことも書いていなかったとクレームが来たので、ついでに宣伝です)。

 

4号建物向けの壁量計算ソフト

最近、4号建物の壁量計算も、保存書類に入ることから問い合わせが増えています。

いうまでもなく、木造住宅に壁量計算は必須であり、それ以上の構造計算を求める動きも大きくなってきました。今さら4号向けの壁量計算の導入はコスト面でも意義が少なく、Excelシートやら手計算やらでやったほうがいい、という人もいます。

そこで将来的には構造計算を視野に、壁量計算機能にプラスアルファがある、有料(30万円程度まで)でサポートもありながら比較的安価な壁量計算ソフトをピックアップしてみました。

ソフト名 価格(税抜き) 機能 備考
MOKUZO.Designer
(構造ソフト)
330,000円
年会費28000円
・4号専用機能あり
・斜め軸
・構造計算機能あり
キャンペーンで大幅割引の場合あり
ぽちっと壁量
(株式会社SHF)
150,000円
保守15,000円
・4号専用
・性能表示壁量他
同社のさくっと木造シリーズに相互互換
壁Check5
性能表示計算
(時空間)
67,000円 ・4号専用
・斜め軸
・性能表示壁量他
・USBプロテクト
壁量計算だけでUSBプロテクトじゃなければ更に低価格
ASTIM壁量
(アークデータ研究所)
150,000円
年会費36,000円
・4号機能のみ
・オプションで木造構造計算やRC構造計算等可能
HOUSE-ST1
(構造システム)
320,000円 ・4号専用機能なし
・年会費なし
・構造計算機能あり
キャンペーンで大幅割引の場合あり

他にも製品はあるのですが、4号に特化していたり、商品構成が複雑すぎたり、機能的にお勧めできないこともあり、今回は除外しました。

価格無視で、どれか一本だとMOKUZO.Designerでしょうか?後発で機能的に充実していない部分もありますが、よく考えられた機能搭載です。4号モードを活用しながら、必要なら構造計算、という考え方ができます。準耐力壁も使えるので性能評価の計算にも使えます。よくここで紹介するHOUSE-ST1は構造計算を主眼にして、4号は使えるよ程度なのとは違いますね。慣れれば難しくはないのですが・・・。

壁量計算と性能表示だけを考えれば、もっと安いものがあります。構造計算は不要と割り切れば、ぽちっと壁量や壁Check5など高機能な壁量計算ソフトをお勧めします。後で構造計算が必要になるかもしれないが今は費用をかけられない・・・ということであればASTIM壁量も候補に入ります(構造計算は難解ですが高機能です)。

耐風等級2の計算が増えている

何であれスペック重視のビルダーさん。敏感すぎます。耐震等級3を必須にしていながら、弱い建物を作っちゃっている残念な会社もあるようですが耐風等級2もうまく運用されるように願います。

しょっぱなから、耐風等級3でお願いしますという卒倒しそうな依頼も。耐震等級は1、2,3あるんですけど、耐風等級は1と2しかありません。また台風等級という間違った依頼もあります。計算は我々がやるんでいいんですけど、最低限内容くらいは理解してからお客に説明し依頼して欲しいです。

まず基本事項として、建築基準法に規定される性能の1.2倍以上の性能を耐風等級2としております。耐震等級2は1.25倍なので、ここも違いますね。よってそれほど差がないので、極めてまれに発生する暴風に対しては損傷する可能性を残している等級でもあります。

まれに、耐震等級2をクリアできるのに、耐風等級1(基準法同等)をクリア出来ないケースがあります。これは狭小住宅等で見つけ面積が短辺に比較して長辺が異常に長い木造3階建てなどであります。そのような建物では、基準法を満たすことも難しいのですが風に対する揺れも大きいと考えられるので、耐風等級2の取得を目指すというのは有益なことだと思います。

耐風等級や耐震等級に興味を持つことは良いことですが、取得方法に準耐力壁や垂れ壁などをうまく使って計算し、あまり強くないのに耐震等級を取得、なんてこともできるケースがあります。これはこれで良いと考える人も多いのかもしれませんが、耐震に関してはもう少し強さが必要と思われるので、あまり計算重視でいかないほうがいいのかもしれません。