任意形状立体フレームの弾性応力解析ソフトのFAP-3と、RC/SRC/S造および木造の断面計算ソフトのMED-3がメジャーバージョンアップをし、それぞれVer6とVer4になります。そろそろ統合したらいいのに・・・というユーザーからの声は届かず今回も別ソフトでの発売となります。
この二つのソフトの関係は、FAP-3でモデル化入力し応力を出したものを、MED-3で断面計算するという機能的には切り離せないものです。しかし昔はパソコンの性能が低く、応力計算と断面計算を別別に行っていたことの名残なのでしょう。同社のSNAPも同様の仕組みでしたが、先日のバージョンアップで、MED-3をアドインソフト化して、SNAP-MDとして発売しました・・・。まあ応力だけ求めれば十分という人もいるから、この方向性は良いと思いましたが、FAPとMEDでは実現しませんでした・・・。
とはいえ、その考え方は両ソフトでも活かされており、FAP-3に用意されたコマンドでMED-3を起動してダイレクトにデータを開いて断面計算できるようになりました。さらにFAP-3と連動したMED-3データはFAP-3のデータに保存され、データを一元管理できるようになり、利便性はアップしました。しかしながらMED-3の相方からSNAPが外れたことで、事実上MED-3の相方はFAP-3のみになったのだから、SNAPと同様にアドインソフト化して欲しかったです。
とはいえ、これだけでも利便性がアップしたので旧バージョンの人間はバージョンアップする価値があります。また機能もアップしています。面白いところでは、FAP-3のモジュール化で、計算モジュールとして利用できるようになりました。バッチファイルなどで繰り返し命令や条件分岐命令も使えるようになり、結果もCSVで出力できるなど拡張性を持っています。MED-3は更に木造接合金物が追加されました。また出力も強化されて断面リストや略伏図などグラフィカルに出力できるようになりました。
若干とっつきにくさはありますが、2Dでの解析機能も健在で多方面で利用できるFAP-3と、その断面計算をスピーディーに行えるMED-3は、今後も一貫構造計算でできないことをサポートする貴重な存在として愛用され続けると思います。