ネットで構造計算の主流が木造から他へ

私が構造計算を始めた頃は、まだ耐震等級などの需要もなく、せいぜい都会の準耐火の木造3階建てくらいしか構造計算の需要はなかった。なので一般的な構造屋さんは木造には興味が無く(今になるとよくわかるが)、木造構造計算をする人を探すのが難しい時代でした。

そんなこともあり、インターネットで構造計算を受発注できるサイトは、構造トレインNZXを始め流行しました。特に木造は雨後の竹の子のようにネット上に登場しました。ちょっと力がある構造屋はRC造などもネットを使って受注に成功し、ネットを使って一気に拡大化した事務所もありました。

その時代に比べ今は、耐震偽装事件後に構造屋さんが増えたことなどもあり、ネット構造事務所は衰退しました。もちろんうまく行っているところもありますが、比較的固定化してきた感じがします。そしてプレカット屋や、ある程度人数を揃えた組織的な構造設計事務所が木造をやるようになったため、いつも構造計算のある木造をやっていない設計者も比較的気軽に注文先を探せるようになりました。

しかし木造でも混構造や特殊な構造のものは、探し求めている意匠設計者等も多いです。また木造の構造設計者の中でも地下室や混構造の場合、上部は自分でやって、地下室や混構造の下部であるRC造やS造は外注、という方も多いです。

よって、今から構造計算に参入する場合は、木造だけでなく、RC造やS造など別の構造ができたほうが良いです。木造との親和性でいえば、地下室、地下車庫の相性がいいので、壁式RC造と組み合わせると比較的仕事が取りやすいかと思います。

そうなると、複数のソフトを組み合わせることが必要です。ある程度一貫でやりたい場合はメーカーを揃えた方が効率的で、HOUSE-ST1とHOUSE-WLの組み合わせなどが好まれてきました。ただHOUSE-WLは二次部材ソフトがないので、KT-SUBなどを購入するかどうかは迷うところです。ただサポートも含め統一できますし、設計も効率的なので一番お勧めです。

安価に済ますには、壁式鉄筋コンクリート造のソフトで最安と思われるビルディング・エディタのプロフェッショナル版をお勧めします。このソフトは、他社の壁式に比べれば機能が少ないですが習得しやすいですし、地下室や木造が上に乗っている混構造なら十分対応できます。またS造やRCラーメンにも対応できるので、初期投資を大幅に抑えて様々な構造に対応できます。

CLT2016特別価格最終キャンペーン

CLTパネル工法の構造計算ソフトCLT2016(株式会社東京デンコー)が、キャンペーンでお安くなっています。2段階で8月末までが28万円+税、9月末までが32万円+税なので絶対8月中に購入した方がお得です!!

ルート1で3層、100×100スパンに対応しているので、共同住宅やグループホームなど上下階が揃っている建物に向くかと思います。消費増税前に何か買おうかな?という方にお勧めです。

過去の建築構造の名作ソフトたち(第1回 ユニオンシステム)

どこの会社でも発売したらベストセラー!にしたいでしょうけど、そんなのは無理。なまあず日記styleでは記憶に残っている過去に発売されたソフトで現ラインナップにない忘れ去られようとしているソフトに焦点を当てて紹介していきたいと思います。

第1回はユニオンシステム。構造計算ソフト会社として堅実なラインナップで知られている同社ですが、やはり残念なことに既に消え去ったラインナップがあります。同社はできるだけサポートしようと、メンテナンス期間が過ぎたソフト達も当時のままアップデートを公開していたりします。詳しくはこちら。

ここには懐かしい名前が並んでいます。SS2やSS2.5といった現在のSS7に続く系譜の他にも懐かしい名前が出てきます。

まずVARIE。なんでなくなっちゃったんでしょうか?正常進化すれば売れると思ったのですが。最終と思われる更新は2006年。JWWへの変換に対応した、とのこと。ユーザーだったけど、まだ私が構造転向していない時期で覚えていませんがなくなると聞いて残念に思ったものです。

サポート中ですがラインナップから消えている、イシローという回転寿司屋さんのようなソフトも心に刺さりましたね。木造2階建ての壁量計算ソフト、N値、偏心率計算ソフトでした。木造をユニオンで!!と衝撃が走りました。意外と本気だったらしく年間使用料12600円、利用者証明書の出力、木造電算認定ライセンスなど当時としては非常に意欲的なソフトウェアでした。ちなみに電算認定のプレスリリースは2007年。そのあと目立った動きは無かったですね。

そして存在自体もホームページから消えた「診ノ助・振動アニメーター」という名作もありました。私もユーザーで、東京デンコーの名作「安心精密診断」が発売されるまで、使っていました。旧耐震診断のソフトでしたが、地震動が選べ表現は貧弱でしたが今で言うwallstatのようなソフトになるかもしれない、と感じていました。使い勝手も良好で、帳票印刷も使いやすく、できれば継続して欲しかったソフトです。もし残っていたら構造システムのHOUSE-DOCのよきライバルになっていたかもしれませんね。

 

HOUSE-DOC Ver4.002

まさかのVer5が出るか出ないかのタイミングでアップデートされたHOUSE-DOC。結局Ver4は2回のアップデートのみ。そして今回は建防協評価更新されたので旧バージョンになるVer4で評価番号・評価書を出力できなくするのと軽微なバグフィックスのみ。かなり寂しい話です。

別にサポート代金がないわけだから新たな機能を搭載して、とは思いません。ただVer4を発売したときに新機能として発表された手書き調査シートの自動読み込みや補強壁位置分析など、実用性が?のまま、そのバージョンを終えるのはどうなのかな~とは思います。もうすぐVer5が届くでしょうから、何か改良されているんでしょうね。たぶん。

ちなみにHOUSE-DOC Ver5のトライアル版が公開されています。まだVer5自体の出荷が?な状態で公開してきているので、売る気はあるのだと思います。正直真新しさはないシンプルな診断ソフトですが、使い勝手は良いですので、これから耐震診断を始めるぞ、という方にはお勧めしておきます。

HOUSE-DOC Ver5

構造システムのホームページにひっそり新発売キャンペーンが公開されています。

木造住宅耐震診断プログラム評価を更新した新バージョンとなります。出荷は更新手続き完了後となるそうです。

いつも通り10%引きキャンペーンとなります。バージョンアップも同様です。バージョンアップ金額は2万円ほどですが、これなら年会費と変わらないもしくは高くなってしまう可能性もあるので、そろそろ年会費制に移行した方がいいのかな?と感じます。

製品概要を見ても新機能などが書いていないことから、評価更新のみのバージョンになるのでしょうか?そもそも機能がシンプルなうえ、N値計算は別売だし、本体価格は高めなので、機能面で充実しないと他が頑張っているので、今後は厳しいかな?と感じます。

HOUSE-DOC用のもくツール開発中

もうすぐ、HOUSE-DOCの評価書の期限がきますので(6月26日)、その記念に、HOUSE-ST1で好評の、もくツールのHOUSE-DOC版を作成してみました。

ちなみにHOUSE-ST1用はVer7に6月になります。基本的に本体のバージョンと並ぶ「はず」なので、大幅に遅れてしまいました。鉄骨階段の計算ツールが強化されました。kizukuriからの乗換向けの基礎の計算や、母屋下がりの合成増加の計算ツールやSWS試験から沈下の検討が必要か判断するツールなど大幅にアップされています(一部はプレビュー版で事前に公開済)。

さて、HOUSE-DOC用は

①文例集(総合所見等)
HOUSE-DOCは良い意味でシンプルです。文章なども自分で考えなければなりません。そこで代表的な文例などをまとめて置いておいて手軽にカット&ペーストするためのツールです。いくつか文例は置いていますので、自分で使いやすい文などを登録して使います。

②診断時判断事例集
診断時に初心者が迷いやすい点を集めた事例集です。

③開口部にブレースを入れる
通常、ブレースと垂壁は併用できないのですが、これは補正できるようにしています。主にウッドピタのような外付けブレースと垂壁を併用したい場合に利用します。

④小屋裏収納補正
小屋裏収納の面積から必要耐力割増係数を計算するシートです。一階にある場合も二階にある場合も対応できます。

⑤88条地震力補正用シート(構造計算ソフト併用)
KIZUKURIやHOUSE-ST1で荷重計算を行って、HOUSE-DOCの計算結果を補正するシートです。より精密に評点を評価できます。特に外壁が二種類以上使われていたり、屋根が1階と2階で違う場合などの評点をきちんと算出できます。

です。88条地震力補正用は、マニュアルに書かれている簡易版も後日公開予定です。そちらは構造計算ソフトなしである程度補正ができるので便利です。

すべてExcelのシートで提供していきます。また今後拡張していく予定です。特に基礎の補強時の検証は要望が多いので作ってみたいです。

HOUSE-DOC向けは無料で公開予定です!!

達人診断 Ver.2.1.0

木造住宅の耐震診断ソフトの達人診断が、Ver2.1.0になりました。

機能充実に邁進してきた同ソフトですが、いよいよ細かい部分まで煮詰めてきているようです。使い勝手などの改良がメインです。また一般財団法人日本建築防災協会(建防協)のプログラム認定の申請中だそうです。こちらのほうでも既存ソフトに追いつきそうですね。帳票もシンプルで見やすいのですが、一般の方向けと考えるとまだまだ改善の余地はありそうです。

Ai分布を使った荷重設定もシンプルながら使いやすく、1、2階で荷重が違う建物、ある程度荷重を精算したい場合など、威力を発揮しますね。この機能はどの耐震診断ソフトにも標準で搭載して欲しいところです。ただし今のままだと、同じ階で、違う仕様になっている外壁など反映させるのが難しいので、そのあがりを対応して頂けると更に良くなると思います。

重量と高さの設定

ソフトウェアの年号の問題

ソフトウェアを使っていると日付出力がよくあるのですが、古いソフトだと和暦固定だったりします。平成が終わるわけで、現在サポート中のソフトは先に対応しているはずですが(そうでなければわざわざ法人の有料ソフトウェアを使う意味がありません)、なかには対応がまだのものもあるようです。古いソフトの場合、最新版にバージョンアップするなどで対応できるものもありますが、既にサポートを打ち切られた最新バージョンですら古いものは手のうちようがありません。その場合、DocuWorksなどに打ち出して上から文字を・・・という手段で対応するしかないようです。

ちなみに竣工年は西暦も和暦も選べるHOUSE-DOCは、なぜか出力日は和暦固定です。何やってるんだか。一応印刷設定の日付で、平成「 」年の部分を2019と入れれば、平成が消えて西暦で出力できるのですが、面倒ですよね。こんなこと4月の段階でわかっていたはずですしね・・・。このようなソフト意外とあります。そんな小さな事言わんでも・・・というかもしれませんが、小さな事をきちんとやらないところは、大きな事もきちんとやらない傾向がありますので・・・。そう思われないようにお互い注意しなければなりません。

他のソフトも対応・非対応あるので注意が必要です。また市販の確認済表示板も平成のままで販売されています(なまあずショップでは防水シールを貼って対応しています)。あとExcel等の書類も平成のままが多いので要注意です。

MathJAX とJavaScriptで階段ササラの計算

サンプル作ってみました。
WEBプログラミング(構造トレインNZX) の中のSCRIPT1です。

これは、階段の重量やスパン等を入れれば数式入りの計算結果(曲げ、たわみ)が出る仕様になっています。曲げなどは分数表示ができると俄然見やすくなりますね。手計算で検算できるので便利です。

JavaScriptで文字列を強引に連結させてinnerHTMLで書き出します。中央に表示される仕様も左揃えに設定しました。整形は古典的な方法(・・・)で作っています。実務用には階段荷重を計算するスクリプトとZとIも鉄骨断面から自動計算できるスクリプトをつなげて完成です。その2つは、段板の計算に転送できるので、これでササラと段板計算が完成します。

HOUSE-ST1へ追加荷重算出までできれば、室内の鉄骨階段及び屋外階段込みでの計算が楽になります。

CANVASで数式を書き出すのが楽か?テキスト整形でLaTeX仕様で書き出すのが楽かは、短いものならMathJAXを利用してLaTeX・・・がスマートだと思います。

もう少し完成度を高めてみます。

KIZUKURIの新旧バージョンのインストール

木造構造計算ソフトKIZUKURIは長いことVer7台となっています。インストールフォルダはずっとKIZUKURI_V7だったりします。機能が大幅に違うので、V7系二種類インストールしたまま、にしたい方も多いと思います。特に最新にV7.7系は青本の計算ができなくなっています。これは必要ないと思うのですが、結構最近まで使っていたり、古い計算結果の検証などでは使う方がまだまだいると思います。私も頼まれたので検証してみました。V7.1とV7.7の共存です。

注意)これはメーカーサポート外の使い方です。

まず、V7.1をインストールし、V7.1の最新版までアップしておきます(これ重要)。基本的にアップデートは最新版にしか適用できないので。V7.1をインストール終えたら、フォルダ名を「KIZUKURI_V7-1」に変更します。

次にV7.7をインストールします。フォルダはそのままで大丈夫です。これで両方使う事が出来ます。V7.1を使うときのショートカットは画面かどこかに登録しておき名前を変えておけばOKです。

この使い方の利点は欠点と背中合わせです。ぱっと見どちらのバージョンか分かりづらいですし、前回開いたファイルの履歴などは共通なのです。まあ基本は最新バージョンで、古い物はV7.1のショートカットで開き慎重に保存などを考える・・・ということを心がければ問題ないでしょう。知人はこれで問題ないといっています。

V7.7のほうのフォルダ名を変えてしまうと、アップデートのとき7.1のほうが対象になってしまって、アップデート出来ません!とエラーが出ますので要注意です!!

V7.7の評判が悪いですが、一応新グレー本2017に対応していて短期めり込みの計算が楽ですし、金物工法への対応も楽です。青本ができない、めり込み設定が変わったとか、画面が見にくくなったとか、V5のときと同じような苦情をよく聞きますね。V4.85とかもそんなことあったような・・・。まあすぐ慣れると思います。逆に使い続けることが苦痛だったら素直に、HOUSE-ST1やSTRDESIGNに移行することをお勧めします。斜め軸、基礎と一体で計算などメリットが非常に多いですからねえ。