今だからこそSketchUP
Googleが無料で公開していた頃、非常に盛り上がっていたSketchUp。しかし無料で使えるし、非常に操作性が高かった割に普及しなかったのは、3Dが難しいからこと。特に建築では図面を書かなければならないので、依然として3Dはプレゼン用途でしかありませんでした。しかしBIM化が叫ばれる近年、設計はやはり3D系の頭でないとついていけません。いきなりBIMに行く、というのは敷居が高いです。今だからこそSketchUpです。BIMとの親和性も高く、SketchUPのファイルを読み込めるBIMも多いです。BIMでモデリングしにくいものも、SketchUpがあれば、大丈夫です。またSketchUp自体が、有料化後、簡易BIM化へ舵を切り始めた感じがします。無料のころと違い、コストもかかりますが、出来ることが多くなっていますので、十分ペイできるものだと感じる人も増えてきています。残念ながら書店では解説書などは大幅に減ってきて、情報も減ってきています。今のうちに挑戦してみるといいと思います。
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住宅建築IT最前線
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SketchUP の良いところ
・無料版のFreeが手軽に使えるWEBアプリになったので、インストール不要で試すことが出来るようになりました。
・汎用3D系では、建築系に向く機能が多数あり、実際に利用している人が多いこと。
・IFCに対応しており、将来のBIM化を見据えて使うのに適していること。
・DRA-CADなど多くのCADでSketchUPのファイルを利用できること。
欠点は、
・海外製のソフトで購入しにくいこと(日本ではオンラインショップで購入するのが一般的)
・フリーソフトでなくなったこと。無料版は業務に使えないこと。
・価格が若干高めなこと
・最新版の情報が少ない(google時代の古いバージョンの情報が多い)
・プラグインがバージョン毎に互換性が少なく、古い有益なプラグインが最新版で使えないことがある
・このソフトだけで完結しにくいこと
です。つまり欠点は気に入って購入してしまったら、他のソフトと連携していけば、特に問題ないことです。気に入って購入の部分が敷居が高いのですが、それもfreeという無料版を使ってみてから考えれば良いのでリスクが低いです。いきなりBIMに行くのは不安・・・と言う人は、まずはSketchUPから入ってみるといいと思います。
WEB版の違い
ここ数年、ラインナップが急激に変わりわかりにくくなったSketchUP。WEBで使えるものも3種類にもなりました。スクール版は学校教員生徒のみとわかりやすいので、他の二つを紹介します。
Freeは従来のmakeの置きかえを狙ったもの。WEBで無料で使う事が出来ます。機能はシンプルですが、意外と使えます。スピードもまあまあです。もちろん業務に使えないのは言うまでもありません。
難しいのはshopです。パッケージ版にもないですが、WEB版ながら有料というちょっとわかりにくい立ち位置です。基本的にはFreeの機能強化版です。年会費110$/年と、意外と高いのも気になります。対応ファイル形式がFreeは貧弱そのものですがPRO同等になったことが大きいでしょうか?またソリッド系のコマンドもPRO同等など進化はしています。クラウドサービスのストレージ容量が無制限になっています。これは大きいかもしれませんが、この部分でのお金・・・という感じ満々です。
スケッチアップリンク
スケッチアップを使えるようになるサイト
ちょっと古いですが、わかりやすいサイトです。記述は最新バージョンじゃないので、置き換えて理解する必要があります。
スケッチアップのダウンロード
いろいろあるのですが、旧バージョンを含む一覧からのダウンロードは次の2つのページが適しているようです。
http://www.sketchup.com/download/all
http://help.sketchup.com/ja/article/13688-0
画面キャプチャーが多く、見て学べるサイトです。
確かに意外に知らない内容です。
それでも無料で実務で使いたい方は
昔はスケッチアップは無料だから普及しました。今のバージョンは1ヶ月間試用したあとは、商用不可のmakeになってしまいます。それでも使う!という人もいるかもしれませんが、駄目です。
さて合法的には、SketchUp8あたりは、無償版で仕事に使っても問題ないですし、今現在もユーザーがいるバージョンです。英語版は今でも一般公開されていますし、日本語版も探せば出てきます。何よりもこの時代に作成されたプラグインは、現在のバージョンで動かないものも多くあります(なんだかな~)。非常に便利なプラグインが使えないのは痛手ですね。そのため、SketchUP8とSketchUP2017と併用している人もいます。併用する場合、別のフォルダーにインストールしますので、比較的簡単に新旧使い分けることが可能です。
ちなみに古いバージョンに思えますが、SketchUP8は、Windows8でインストールできるそうです。Windows10で利用している人(=私も利用できました)もいるそうです。もちろん古いので一部の機能(GOOGLEに依存している部分とか)は使えなくなっています。
モデリングに関しては遜色ありませんし解説書も多くあります。バージョンアップは期待できませんし、新OSへ対応できるか未知数ですので、出来る限り有料のSketchUP Proを使いたいものです。
お勧め!プラグイン
SketchUPのプラグインは、JWWの外部変形同様、多くの人が公開しています。そして減ってきているのも同じです(理由はJWWとは異なる)。古いものは、最新バージョンで動かなかったり、バグがあったりします。JWWは原則日本人が作っている日本語対応のものですが、SketchUPはかなりWorldWideで、有名なプラグインでも日本語化していないものが多いです。ここでは現在も存在するであろうプラグインで個人的にお勧めのものを紹介します。
JWWの外部変形と、SketchUPのプラグインを合わせたツールです。JWW上で図面範囲を指定し切り取り、SketchUPでプラグインを使って読み込みます。私の環境では文字化けが起こりますが、一番重宝しているプラグインです。私の場合JWW8+SketchUP2015、SketchUP8でも動作を確認しています(全機能がうまく動くかは確認していません)。JWW対応ということで、日本の方の作品で、WEB上でも紹介されていて、2016年も更新している安心のツールです。
標準のSketchUPでは展開図を作るのが面倒です。またペパクラを作るのにも適していません。Unfold Toolを使えば展開図風のペパクラ展開が比較的簡単に作れます。FormZのように。私の場合Windows10+SketchUP8で動作確認しています(2015ではうまく動きませんでした)。
SketchUpで便利なのはプッシュプル。さじ加減が絶妙です。しかし標準では複数面のプッシュプルは不可能です(Ver8)。このプラグインは選択した全部の面のプッシュプルが可能になります。他にもいろいろ公開されていますが、これがお気に入りです。
Dxf_In rbとかFreeDXFとか
DXF図面をインポートするプラグイン。ファイルベースならこちらが便利。DRA-CADユーザーなどもこちらか??無料公開されていた最後のバージョンであるVer8では標準でDXF読み込みができないので貴重です。
2017年に発売された有料プラグイン。SketchUPモデルの情報を管理することが出来ます。ExcelデータをSketchUPモデルに紐付けることで、計画・設計・空間・資産管理など幅広い分野で使う事ができます。まずは評価版をお試しください。ちょっとBIM的な使い方、FM的な使い方ができそうです。
SketchUp2017の新機能
・グラフィックの表示パフォーマンスの向上
・Retinaディスプレイなどの高解像度モニターの表示に対応(スナップ等)
・X線不透明度の設定 透明度が大幅に改善されレンダリングにより早く高品質に
・長方形、円、多角形ツールの改善(カーソルでスナップしている面の角度を認識できるようになりました
・スマートオフセット
・「面に垂直」の推定機能
・エクセルデータのインポート(LayOut)
・寸法の改善(なんとモデルを更新すると寸法も連動できるようになります もちろんLayOut)
・LayOutのDWG・DXFのエクスポートを改善
等
SketchUP2018の新機能
・断面の塗りつぶし!!
・名前つきセクション・・・断面平面に名前と記号を付けられるようになりました。
・コンポーネントの詳細属性・・・モデルに有用な情報を埋め込むことが出来るようになりました。
・レポートを生成 の改善
・アウトライン表示の改善
・長方形ツールの改善
・STL形式のインポート/エクスポートが標準で可能に
SketchUP2019の新機能
・エッジラインの改善
・レイヤダイアログデザインの変更
・断面塗りつぶし機能の改善
・メジャーツールでの測定の協会
・オートテキスト・・・スマートラベルのように寸法に対してテキストを加えられるようになった。
・DWG2018のインポートに対応
SketchUP2020の新機能
・レイヤからタグへ名称変更
・アウトライン表示の改善・・・わかりやすくなりました!!
・バウンディングボックスのグリップと自動透明度
・隠しジオメトリと非表示オブジェクト
2015年5月8日公開
2016年3月2日加筆
2016年5月7日加筆
2016年6月18日加筆
2017年1月14日加筆
2019年8月1日 加筆(shopやfreeなどの記述を追加)
2020年4月14日 加筆