構造計算・構造設計」カテゴリーアーカイブ

特殊な部材をHOUSE-ST1で使う

木造構造計算ソフトのHOUSE-ST1は木造軸組構法住宅の許容応力度設計2017に準拠した構造計算ソフトなので、基本は構造用合板や筋かいを基本に設計します。また大臣認定の耐力壁は倍率などを指定して入力します。しかし特殊な部材を入力するときは、注意が必要です。

最近流行のBXカネシンのベースセッターは、一本の柱が耐力壁になるので通常ならHOUSE-ST1では入力ができません。BXカネシンの会員メージにあるマニュアルを使って入力する必要があります。更にえば、専用のExcelシートで追加計算をする必要があります。

フロッキン狭小壁も同様に、メーカーのホームページの技術マニュアルを使って計算します。フロッキン狭小壁は、350幅でも計算できる狭小の壁で手軽に施工出来ることから人気が高いです。2,3階でも使えるのが強みです。ベースセッターより手軽ですが、寸法毎に微妙に耐力が変わるので注意が必要です。

本来なら、メーカーが各ソフト毎に説明を作ってくれれば良いのですが、そうではないのでソフト毎に工夫が必要です。私もソフト毎にちょっと手を加えて使いやすいシートを作っています。

ちなみに仕口ダンパーは、現状では使う事ができません。そもそも強度型で計算するので、ダンパー系はある程度固いもので大臣認定取得して壁倍率があるもの以外は計算で使おうと思わない方が良いです。

メーカーが完全に情報をクローズドにしているような部材は計算できません。そのような場合は、そのメーカー指定の構造計算にお任せしましょう。

木造建築物の振動障害に関する設計資料

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今年の新館です。住宅レベルだとあまり振動に特化した資料はないのですが、これは木造建築物の振動障害に関する設計資料です(そのままやんけ・・・)。

なかなか興味深い内容なので、講習会も受けたかったですね。書籍だけでも十分ですが・・・・

 

建築系のeラーニング 日本建築学会

昨日も紹介しましたが、各団体がいろいろeラーニングのコンテンツを始めました。有料ですが意外と手軽なものも多いので、ぜひ、これからも実地での講習会の収録でも良いので公開してほしいものです。従来は大都市でしか開かれませんでしたが、これで地域差も幾分減少していくものと思います。

今日紹介するのは、一般社団法人 日本建築学会のeラーニングです。

主に、材料施工、構造、環境工学などのコンテンツが揃っていて、書籍はともかくeラーニングの価格は抑えめです。木造系だと、木質構造部材・接合部の変形と破壊が面白そうです。

収録されたもののほかに、ネットで受講できる講座も魅力で、昨日は、木造建築物の振動障害に関する設計資料の講習会も建築会館ホールだけでなく、リアルタイム動画配信も行われました。

今後もこのようなハイブリッドが主流になっていくと思います。定員に悩まされなくてすみますので、主催者・受講者ともメリットがあると思います。どんどん、このような講習を増やしていって欲しいです。

 

木造の許容応力度計算のWEB講習会

公益財団法人 日本住宅・木材技術センターといえば、グレー本。木造構造計算のマニュアルを作っているところですが、新型コロナもあってWEB講習会(動画配信)が始まりました。

といってもグレー本の、ではなく、「演習で学ぶ 入門 木造の許容応力度計算ワークブック」の講習です。まあやることは同じ。木造住宅の構造計算をWEBで学べるのだ。

と思って、クリックするとなぜかない(2022年5月11日現在)。まあ何かのトラブルやメンテナンス中なのだろうな?とおもったら、他にもWEB講習が。木造構造系では、ひとりで学べる中層木造建築の構造計算演習もあります。前編だけなら1万3千円。高いか安いかはその人次第ですが、まあまあ良心的。そしてそのページの上を見ると・・・運営しているのは公益財団法人建築技術教育普及センター!!まさかあそこが!建築教育動画プログラムの提供を始めるとは・・・。さすがに建築士の件はできませんからね。

今後、構造に限らず、計画系や設備系も増えていきそうです。面白そうな講座が増えていくことを望みます。

動画プログラム一覧(建築技術教育普及センター)

札幌で木造3階建てビル倒壊

元記事はこちら

今年は豪雪で、雪の問題のように見えますが、それだけでは無さそうです。空きビルだったのが不幸中の幸いですが、近隣住宅や道路に被害がでています。

2月28日午後7時50分ごろ、札幌市豊平区にある木造3階建てビル(空き家)の一部が倒壊しているのを近所の人が見つけ、警察に通報しました。札幌市消防局によると2月28日迄の三日間に雪の重みで倒壊しそうになっている建物があるとの通報を8件受けているそうです。札幌の気温が急上昇し、湿った雪の重みが更に増す可能性があるので、消防局では、倒壊しそうな建物には近づかないようにと注意を呼びかけているそうです。(STVストレイトニュース:3月1日)

まず、建築基準法を守っていると仮定すると、札幌の施行令第86条第3項の垂直積雪量は、140㎝です。今年1月の月間の月降雪量は182㎝。180㎝を超えたのは2008年以来14年ぶりということで大雪だったことが伺えます。ちなみに平年は137㎝です。とはいえ、一ヶ月でこれだけです。雪が落ちたり、解けたりが繰り返されるので、その重量がそのまま屋根にあることはありません。が、雪下ろしなどしていなければ、想定する重量を超える可能性は0ではないので、今回倒壊しそうな建物が複数件見つかっているのは、ある意味仕方がないことなのかもしれません。雪は古い雪は固く締め付けられる溶けにくくなります。単位あたりの重量も重くなりがちです。建物は、頑丈に作るだけでなく、雪を溶かす設備や、雪おろしなど、何らかの対策が必要なのが北国の宿命なのでしょうか?

さて、今回の建物はとあるニュースで、1級建築士の方が「老朽化が最大の原因」としつつ、この建物がきちんとした設計で作られていないことを示唆していました。見た目で1950年代に作られたようだ、と述べられております。それが本当なら建築基準法制定後まもなく、ということになります。木造3階建てが合法的に建てられるようになるのは1987年からだったと思います。それも構造計算が必須です。1950年当時に木造のこのクラスの建物のための構造計算は存在していないはずで、最初から構造強度は保持していなかった可能性があります。それでも雪国の大工さん達が作っているはずで、耐雪対策は講じていたはずです(でなければ、とっくに壊れています)。

建物で大切なのは、設計時にきちんと設計し安全を確認すること、それから維持管理をしっかりすることです。この二つを忘れると、今回のような被害がでてしまいます。維持管理に関しては特に空き家は難しいです。今後更に空き家がたくさん出てくるので、同様の被害が多くならないか、心配です。

 

 

 

 

 

 

PDF element 8 ProのPDF比較機能は良いぞ!!

PDFのソフトは複数インストールして、用途や気分毎に変えています。先日バージョンアップしたソースネクストの、いきなりPDFもそうだし、Foxitなどもそうです。

さて、今回新たに購入したのはPDF element 8 Proです。無料版も優秀ですが、やっぱり製品版が欲しくて買いました。しかしこのメーカーのソフトは買い方が??で比較的安価なのにイメージが悪いのが玉に瑕です。メーカーサイトで買う場合、年更新のサブスクリプション版と買い切り版があるのですが、標準だとサブスクリプション版が表示され、しかもそちらのほうがお得のような表示です。しかし実際1000円~2000円くらいしか違わず、今後長年お世話になるか?まだ不明な場合、普通に買い切り版でいいと思います。また他社サイトでもお買い得に買えます。楽天なら、amisoftさんで買えば、ちょっと時間はかかる(それでも数十分)が、ダウンロードで購入できます。しかも楽天ポイントがつきます。そんなわけで、買い方を十分考える必要があるソフトです。また購入したら購入したで、ライセンス登録が面倒だったり(サイトに登録する必要があるし、わかりにくい)使い始めるハードルは高いです。

その代わり使い始めるとサクサク使えます。解説なしである程度使えるのは助かります。しかも高機能ながら軽快です。

そして何よりも・・・PDFの比較機能があるのです。これは高価格帯のソフトしか搭載していません。新旧の図面の変更点を知りたい、計算書で数値が違う部分を知りたい場合有効です。

まず、比較するファイルを開きます。ドラックアンドドロップでも良いですし、複数ページでも大丈夫です。ちなみに数百枚の計算書PDFでもチェックしてくれます。

こんな感じで新旧二つの図面の違う部分を色付きで示してくれます。また左側のウインドウでどこで何が、というのが分かるのは素敵です。

北の方向を変えたり、トイレの位置や窓の位置が変わったこともきちんと関知してくれています。また給湯機の位置変更も示してくれました。意外と精度が高いです。

この機能のほか、PDFの書き込み機能などがついて1万円を切るわけですからお買い得だとしかいえません。PDFがらみの使い勝手も良好です。導入がやや面倒ですが、それを切り抜ければかなりよいです。ちなみに比較機能自体は、無料版でも体験できますので、まずは無料版を使ってから、でもよいでしょう。

私が計算書チェックに使ったときの速度でいうと、ADOBEのAcrobat Proより早かったので、スピードもまずまずです。精度的には私の意地悪なチェックで、ADOBEのほうが誤検知が少なかったですが、たぶんPDFの状態などにも依存されると思います。とりあえずADOBEも誤検知ありましたし、どちらもチェックの補助と考えれば十分な精度があると思います。図面チェックや計算書チェックにお勧めです。

公式サイト

ちなみに手間はかかりますが、PDFをDRA-CADで読み込み、DRA-CAD形式に変換すれば、図面のPDF比較ができます。その場合の表示はこんな感じになります。

変更点が少ないなら、重ね合わせてくれるDRA-CADも便利ですね。一目で分かりますし。

うまく併用するとよいと思います。

KIZUKURI 2×4 Ver6予告

1月末に、在来版も2×4も仲良く?リビジョンアップをしたKIZUKURI。最近は、あまり新機能の搭載に積極的でないというか、斜め壁がらみは苦戦しているご様子。そんななかツーバイフォー版がVer6になるとの予告が!!内容はまだ不明ですがユーザーの要望に添ったものになるそうです。譲渡によって、バージョンアップが頻繁に行われ、その価格も高いわりに、実装される機能等は寂しい限り。そろそろサブスクに移行したほうがよいと思うのですが、莫大な過去のユーザーがいるので、まだ難しいのでしょうか??私は2x4の構造設計からは引退しているので(復活の可能性はゼロではないですが)、2x4のバージョンアップはしません。既にデンコーの2x4壁式もアンインストールしています。ただ、耐震診断の要望は多いので、診断・補強は引き続きやっていこうと思っています。

『Super Build®/SS7』Ver.1.1.1.17 リリース

先日から予告されていた、ユニオンシステム株式会社の一貫構造計算ソフトのSS7のアップデートが、2月1日に行われたことをホームページで発表されています。

同社ホームページで公開されている情報によると・・・

・『Super Build®/SS7 Op.免震部材』の機能を追加

・『Super Build®/SS7 Op.平面立面図出力』*において、JWW(*.jww)形式の出力に対応

・解析結果メッセージの該当箇所を平面図や立面図に表示可

・3D図において、ゾーン形式入力の参照表示、参照貼り付けに対応

・梁の2段筋、3段筋の位置を個別指定できるようになる

 など多岐に及びます(詳細は同社ホームページにて

昨秋に試用した感じでは非常に使い勝手の良いソフトに仕上がってきて、この改良で更に使い勝手が良くなりそうです。周囲にもユーザーが多く概ね好評なソフトです。これから一貫構造計算ソフトをお考えの方に第1にお勧めできるソフトだと思います。

FAP-3 & MED-3バージョンアップ

任意形状立体フレームの弾性応力解析ソフトのFAP-3と、RC/SRC/S造および木造の断面計算ソフトのMED-3がメジャーバージョンアップをし、それぞれVer6とVer4になります。そろそろ統合したらいいのに・・・というユーザーからの声は届かず今回も別ソフトでの発売となります。

この二つのソフトの関係は、FAP-3でモデル化入力し応力を出したものを、MED-3で断面計算するという機能的には切り離せないものです。しかし昔はパソコンの性能が低く、応力計算と断面計算を別別に行っていたことの名残なのでしょう。同社のSNAPも同様の仕組みでしたが、先日のバージョンアップで、MED-3をアドインソフト化して、SNAP-MDとして発売しました・・・。まあ応力だけ求めれば十分という人もいるから、この方向性は良いと思いましたが、FAPとMEDでは実現しませんでした・・・。

とはいえ、その考え方は両ソフトでも活かされており、FAP-3に用意されたコマンドでMED-3を起動してダイレクトにデータを開いて断面計算できるようになりました。さらにFAP-3と連動したMED-3データはFAP-3のデータに保存され、データを一元管理できるようになり、利便性はアップしました。しかしながらMED-3の相方からSNAPが外れたことで、事実上MED-3の相方はFAP-3のみになったのだから、SNAPと同様にアドインソフト化して欲しかったです。

とはいえ、これだけでも利便性がアップしたので旧バージョンの人間はバージョンアップする価値があります。また機能もアップしています。面白いところでは、FAP-3のモジュール化で、計算モジュールとして利用できるようになりました。バッチファイルなどで繰り返し命令や条件分岐命令も使えるようになり、結果もCSVで出力できるなど拡張性を持っています。MED-3は更に木造接合金物が追加されました。また出力も強化されて断面リストや略伏図などグラフィカルに出力できるようになりました。

若干とっつきにくさはありますが、2Dでの解析機能も健在で多方面で利用できるFAP-3と、その断面計算をスピーディーに行えるMED-3は、今後も一貫構造計算でできないことをサポートする貴重な存在として愛用され続けると思います。