建築設計・リフォーム」カテゴリーアーカイブ

建築とITのフォーラム2021(2021年10月19~21日 オンライン開催)

構造計算ソフトやDRA-CADで有名な、構造システム・グループで、2年ぶりに建築とITのフォーラム「建築デジタルトーンアンスフォーメーションの現在」を10月19~21日に開催するそうです。オンライン開催で3日間とこの時期のイベントとしては大規模なものです。ウェブセミナー主体で聞きたいものだけ自宅や会社で見ることができるので、見たいものがある場合は必見ですね!今まで東京に来なければ・・・というイベントが気軽にオンラインで全国から見ることができることが、新型コロナウイルスの蔓延で良くなったことの一つではないでしょうか?新型コロナ渦が終わっても、このようなオンラインイベントは残して欲しいところです。

そもそもi-ARMとは?アップデートとLAB-SS終売

9月15日に建築ピボットの建築設計プラットフォームソフトi-ARMがアップデートされました。このソフトは、当初「国産BIM」として開発がスタートしたようですが、最近は建築計画系のソフトとして大きく路線変更し、同社の日影・天空率・斜線と日射量計算統合ソフトのLAB-SSの機能を取り込み、後継ソフトとして進化しています。LAB-SSは建築ピボットの統合型の建築計画ソフトで、一定のシェアがあります。このソフトは2021年9月30日で販売終了して、正式にi-ARMを後継ソフトであると明記し、乗換を案内しています。

同社では、未だこのソフトの販売方法に迷いが見られるようで、i-ARMの活用方法というホームページで対象は書いているのですが、まだ漠然としています。また同社オンライン販売では「3次元建築設計システム」と書いています。逆日影や天空率ができることから、生活産業研究所のADSシリーズと同系列のソフトだと断言できるのですが、知名度は今ひとつ。価格もADSシリーズに比べて安価であり、逆に何か欠陥があるのでは?と疑われるほどお買い得です(初期導入時の価格がなく年会費だけのため)。逆に年会費が高く感じられるのが売れていない理由なのでしょうか?

建築計画系のソフトとしては、建ぺい率・容積率といった初歩から建築可能空間、斜線制限、天空率、日影規制、採光・換気・排煙、防火防煙区画、避難経路計算と機能満載です。このあたりの機能はADSシリーズに引けを取りません。さらに、環境解析機能が優れています。太陽光に関するシミュレーション機能が充実していて、日照時間、昼光、壁面日影など設計時に検討したい内容が含まれています。

そもそもBIMとして開発されたのですが、その機能が充実しなかったおかげなのか、スピードは早く建物のモデリングも簡素です。3Dの設計もできるわけですからおまけとしたら凄いことです(注:おまけではありません)。BIMなのでIFCの読み込みもできるわけで、他のBIMから読みこんで検討するには最適なソフトではないでしょうか?このあたりはライバルADSは、各BIMからのコンバーター・アドオンを開発しており、更に先に行っていますが、そこまで必要ではないケースでは追加費用もかからないので良いのではないでしょうか?

とりあえず、年会費相当の約10万円で導入できる(翌年からもかかる)ので、試しで購入してみるのも良いかもしれません。

i-ARM Ver2(なまあずショップ楽天市場店)

 

FAP-3+MED-3とテックワンP3プラスの計算例

知らない方もいるのでちょっとだけ。

テックワンP3プラスは、株式会社タツミの金物工法のテックワンP3のオプション的存在で、トラスやK型ブレース、方杖などを、住宅用部材で手軽に設計できる画期的な金物です。既存の構造解析で利用できるので、構造技術者が飛びつきましたね。私も数棟設計し、自宅のトラスもテックワンP3プラスで32畳無柱空間を作っています。下記動画は、テックワンP3プラスを使ったトラスの施工中の動画です。


さて、この手の設計は実務例がないと難しいのですが、テックワンP3プラスは比較的そのあたりが整っています。このようなトラスや方杖は、株式会社タツミの公式ホームページの技術資料ダウンロードで、構造計算例を見ることが出来ます。そこで利用例として上がっているソフトは、構造システムのFAP-3です。FAP-3はS造やRC造前提で作られていることが多い任意形状応力解析ソフトのなかで、いち早く木造に対応しました。断面算定も同社のMED-3に転送することで簡単に行えます。サンプル・解説があることで非常に簡単に内容を知ることができます。

32畳無柱空間を実現

テックワンP3プラスを使って、施工精度を高め、性能的にも安心。

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FAP-3 Ver.5
価格:379500円(税込、送料無料) (2021/8/13時点)

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3Dと勘違いする方もいますが、2Dでも解析ができるので、非常に活用範囲が広いです。

 

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MED-3 Ver3(部材断面計算ソフト)
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今となっては、早くFAP-3と統合して欲しい。断面計算のみを行うというのが、今の世代になかなか理解してもらえないソフトだが、そのぶん高性能です。

i-ARM Ver3.0.0.3

建築ピボットの建築設計プラットフォーム(そんな分類なのね、今。昔はBIMとして開発されていたはずだが)のi-ARMのアップデートが公開されています。アナウンスされているとおり同社の日影・天空率・斜線と日射量計算ソフトLAB-SSが終売となり、i-ARMに一本化されることを受けて、LAB-SSのファイルをインポートできるようになりました。またSketchUP2021ファイル形式に対応しました。また細かなアップデートがありました。前回からバージョン番号が3台になりましたが、大きな変化があったのでしょうか?最近、計画系ソフトとしてのi-ARMの問い合わせが2件ありましたが売れたのでしょうか??気になります。

マジカルCatfishなおうち

現在、ネットラジオ再開に向けて機材等整えている(実はパソコン移行のときに、ネットラジオ環境を整えていなかった)最中です。整い次第再開します!


さて、今回のそれに先立ちyoutubeチャンネルのほうも拡充。マジカルCatfishなおうちを開始しました。本業が動画部品作成でyoutuberではないので、雑多な内容しかチャンネルに登録していませんが、マジカルはyoutubeっぽくシリーズ化していく予定です。

昨日のブログで書いたとおり、歳をとると頭が固くなりがち。常識を疑うことから開始します。

第1回は、思い切り壁を強くしたら、北面に耐力壁がまったく無くても大地震に耐えられるか?です。外周3方向には6.5倍の耐力壁を設置し、一面は全く耐力壁がない・・・建築士の常識なら、4分割法NG、偏心率NGは計算するまでもなくわかりますので、設計しないでしょう。では、実際に地震が来たらどうでしょうか?

前面に耐力壁がない平屋の例。瓦屋根で立派だが地震には弱そう。しかし部分的に壊れてはいますが、新潟県中越沖地震で倒壊しませんでした。このような建物は意外とあるのでは内でしょうか?

世の中には弱そうでも大地震で壊れなかった建物がたくさんあります。なぜ????。今回はその謎に迫ります。HOUSE-ST1で計算した偏心率はなんと0.5以上!!基準法では0.3以下に抑えなければならないので、こんな数字は見たことがありません。しかし平屋の車庫などでは十分ある仕様です。もちろんそれらは構造計算されていないのですが。Wallstatを使って模擬地震波でこのモデルを揺らし実際に壊れるか???ということを検証しました。熊本地震の地震波も利用しています。果たして結果は??前半は入力を延々とノーカットでやっているので、HOUSE-ST1の入力初心者にも良い動画かもしれませんが、不要な方は後半だけぱぱっと見てください。重要な部分はかなりコンパクトにまとまっています(汗)。

ウッドショックを逆手に取った悪質なリフォーム営業手法

ウッドショックで大変なのは、材木を扱う商社さん、工務店さん、ビルダーさん、ハウスメーカーさん、職人さん・・・そして購入を希望するお客様まだ多岐にわたります。もちろん設計者も。しかしいつものことですが、その不幸を逆手に取ってうまいこと営業をしている人が出てくるのも仕方がないかもしれません。しかしながら、そんな業者は長続きしません。一時は良い思いすると思いますが、たぶん駄目だと思います。

ここで言っているのは、ウッドショックで木材が高くなるから、早く契約を決めた方が良いですよ、という類いの営業ではありません。これもある意味足元を見た営業手法ですが、営業さんを抱えているハウスメーカー等にとっても値上がりは脅威であり、早く決めれば安く材木を押さえられてお互いWin-Winになる可能性があります。もちろん行きすぎはよくありませんが、この程度はよくあることかと。そしてそれを警戒しなければと思う一般顧客はそのような話ではなく、冷静に判断できると思います。

私が聞いた悪質な事例は、とりあえず木材を発注したいので、設計内容も決まらないのに契約を推し進めた件。客は私が知っている方だったので正直衝撃を受けました。ちなみにフルリフォームらしいのですが、心変わりしないようにと、さっさと解体を開始したそうです。まあその最中にプランや価格が決まる・・・というものらしいですが、さすがに無理がありますよね。ウッドショックで木材を押さえて安くできる、という言い方で説得したらしいですが・・・。

同じような事例で、耐震補強計画すら出来ていないのに、契約を行い、解体時に補強設計をやり、結果的に耐震性が出なかった、という事例も報告されています。これは事前に補強設計をまともにやらずに契約したために起こった事例です。もちろんウッドショックで木材が入らなくなる、価格が高くなる、だから先に解体しあとで内容は決めましょう、という説得だったらしいです。根拠のない金額で契約したそうです。補強内容の報告はどうする予定なのでしょうか??現場の大工さんから情報が漏れたようです。

その程度のこと、どこでも行われている・・・という人もいるかもしれません。ウッドショックをネタに営業をするなんて当たり前では?と思うかもしれません。そこではなく、ウッドショックで大変だから内容も決まらず契約を行い現場解体を急ぐ・・・という手法が問題だと思っています。その結果、良い設計・良い施工ができれば問題がないのですが、上記事例は良い結果を生みませんでした。両方とも施主が望む耐震性は実現していませんし、恐らく価格不相応です。

もちろん新築に目を移せば、契約外の樹種を施主に無断で交換した件や、材料が入手できないので、耐震等級3取得を諦めさせた、などという事例も聞こえてきます。他にもいろいろありそうです。何事もそうですが、焦るとろくな事がありません。自分の目を信じてしまうのは仕方がないと思うのですが、一応気をつけた方が良さそうです。

日本の木材はどこへ??

木造住宅の構造材は、外材に頼っているのが現状。いくら国産材が多いとはいえ、プレカットとの相性を考えると外材、それも集成材に使いやすいホワイトウッドやレッドウッド、それにベイマツはこれからも必須です。

さて、国産材が良いか悪いか?は別として、国産の杉が値上がりしています。杉の用途といえば、様々。別に構造材だけではありません。

このウッドショックが話題になる前、、2月4日の日経新聞では、国産スギ丸太の中国向け輸出価格が最高値を付けたことを報じている。理由はオーストラリアとの通商摩擦などを理由にとめて、日本産の引き合いが増えたそうです。それ以前にも増えたというニュースがありました。特に2022年からロシアが丸太の輸出を禁止か?というニュースが昨年末に流れました。様々な要件が今回の事態につながりますが、国産材の不足は今回の材木不足で家が建たないという狭義のウッドショックとは別物である可能性があります。そんなことを反映して、2020年度版の森林・林業白書では、木材輸出は過去20年で最高であり、特に中国向けが好調とのこと。そもそも2001年の約5倍になっているそうです。特に2013年あたりから急増して2017年あたりからは高水準で推移しています。2020年は2017年の約1.9倍だそうです。つまり国産材が今回のウッドショックでなくなったわけではなく、それ以前から兆候があり、海外産材が入手難になったことから、クローズアップされたに過ぎない。ウッドショックで国産材を!といっているのが馬鹿らしくなる推移である。もちろん世界的に木材不足なわけで、他国からの引き合いが増えているし、国内需要も増えているのは間違いない。

ちなみに、上海ディズニーリゾートの施設内には日本国産材を使ったモデルルームを完成させたニュースもある。(岐阜新聞Web 2021年5月23日) 家具も値上がりしてきています。とりあえず海外の動向は置いておいても、国内でも住宅メーカーや工務店が取り合っているだけでないのは事実です。もちろん室内ドアや仕上げ材なども含め木材は様々なところで使われています。その需要と供給のバランスが徐々に崩れてきたのが、限界に達しつつあるというのが、ウッドショックの本質なのです。その点ではハイテンションボルトが無くなって鉄骨が立ちにくくなった先年の現象とはやや違います。もうかなり長く続いている流れなのでしょう。

そんなわけで、国産材の増産が厳しいのは、今回海外産が不足しているだけではないようです。我々に入ってきていない情報はまだまだ多そうです。目の前のうわべだけの情報に惑わされないようにしたほうが良さそうです。

取りつけ高さの範囲に幅を持たせた筋かい金物 BXハイパーガセット

便利な金物は諸刃の剣。または汎用性が制限されたり、うまい話だらけということはないようです。

この金物BXハイパーガセットは、ホールダウンなどの干渉から筋かい金物を上下にずらしたいときに、便利な金物です。従来品のハイパーガセットは便利でしたが、高さは土台・横架材から160mmの位置に固定されていました。非常に便利ですが、筋かいの性能を発揮できる金物では無かったです。そこまで割り切るなら高さを変えても・・・という趣旨には賛同できます。なんと80mm~180mmまで対応できます。新築だけでなくリフォームでも便利に使えそうです。

2倍専用ではなく3倍も使えるので本当に汎用性は高いですね。

しかし筋かい金物の柱取りつけタイプは、全体的に弱く頼りがないです。もちろん基準は満たしているのでしょうけど、破断しやすく個人的にはあまり好きではありません。

より粘り強くするには、岡部のブレスターZのような筋かい金物を使うのが良いのでしょうけど、取りつけにくいですし、万人にはお勧めできないのも確かです。私のように初期の大きな変動による変形抑制および、補助的に筋かいを使う人にとっては、ハイパーガセットのような金物も使い道があります。特にBXハイパーガセットは、筋かいの取りつけミスも減るでしょうし、扱いやすいですから、売れると思います。

ただし耐震優先と考えると、ブレスターZを使いたくなります。特に筋かいを多く使うケースや大開口廻りなどではブレスターZを使いたいですね。

ブレスターZは、この動画がツボにはまります・・・・

LVL梁材のメガビーム向けの専用金物

日刊木材新聞2021年5月14日付けに載っていて、タツミのホームページにも載っていますね。

キーテックのメガビーム向けの金物をタツミと共同開発し、6月には第三者機関からの評価も取得出来そう、とのことです。これでロングスパンの中大規模木造の設計が簡素化されますね。新聞の最後に昨今のウッドショックによってさらに脚光を浴びる商品だと思う・・・という締め方(社長の言葉)がひっかかりますが・・・。

木造でも片持ち梁!プレセッターSU片持ち梁金物

BXカネシン株式会社より、同社の金物工法「プレセッターSU」用の、片持ち梁を支える「プレセッターSU片持ち梁金物」を発売されました!!プレスリリース

それほど強度があるわけではありませんが、コンパクトで、扱いやすいので両出し(二方向)のバルコニーなどデザイン面でもかなり柔軟度があり今までの苦労が解消されそうです。特にバルコニー下の梁が大きくなりにくい(二段になりにくい)のもポイントです。

片持ち梁の長さは最大1000mmと実用的かつ怖くないレベルなのも好感もてますね。

ぜひ、在来工法版も出して欲しいところです。