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木造の許容応力度計算のWEB講習会

公益財団法人 日本住宅・木材技術センターといえば、グレー本。木造構造計算のマニュアルを作っているところですが、新型コロナもあってWEB講習会(動画配信)が始まりました。

といってもグレー本の、ではなく、「演習で学ぶ 入門 木造の許容応力度計算ワークブック」の講習です。まあやることは同じ。木造住宅の構造計算をWEBで学べるのだ。

と思って、クリックするとなぜかない(2022年5月11日現在)。まあ何かのトラブルやメンテナンス中なのだろうな?とおもったら、他にもWEB講習が。木造構造系では、ひとりで学べる中層木造建築の構造計算演習もあります。前編だけなら1万3千円。高いか安いかはその人次第ですが、まあまあ良心的。そしてそのページの上を見ると・・・運営しているのは公益財団法人建築技術教育普及センター!!まさかあそこが!建築教育動画プログラムの提供を始めるとは・・・。さすがに建築士の件はできませんからね。

今後、構造に限らず、計画系や設備系も増えていきそうです。面白そうな講座が増えていくことを望みます。

動画プログラム一覧(建築技術教育普及センター)

NTTファシリティーズ総研が、NTTファシリティーズに吸収合併

NTTグループは本当にわからない。SEINなどの構造計算ソフトの部門はそれほど情勢が変わっていないのに、次々に会社が変わっていく。今回は、株式会社NTTファシリティーズ総合研究所(SEIN等構造計算プログラム販売会社)が、親会社の株式会社NTTファシリティーズに吸収合併されました。

正直、このようなことはユーザーとしては不利益で、わかりにくいです。私がプログラム的には愛用していたSEIN La CREAから離れた2つの遠因の1つともなっています。まあ、会社的に安定していることに変わりはないのかもしれませんが、ずっと同じ会社名でやってくれているユニオンシステムや構造ソフトに比べて信頼感が若干欠けると感じます。まあいろいろあるので仕方がないのかな、と思います。

そういえば、SEIN木造のオンラインセミナーの再講演(録画)が8月19日と9月7日に行われるそうです。法政大の宮田氏や山田憲明構造設計事務所の山田氏の講演で好評だったものです。両日に放送されるものは同一となります。

ホームページはこちら

木造をS・RC造の一貫構造計算ソフトで、という流れは、最近主流となりつつあり、SEINの他に、ユニオンシステム、アークデータなどが既に発売しております。構造システムも構造モデラーのホームページ等で将来的にはと明記しており、今後この動きが早まるような気がします。一方、個人住宅向けのグレー本ベース構造計算ソフトは、その仕様の限界が見えてきたため、厳しくなってくると予想されます。早期の改訂が望まれます。

熱海の土石流

7月3日午前10時半頃、静岡県熱海市伊豆山築で、土石流が発生。多数の家屋が流されるなどして、死者、安否不明者が多数。多数の方が避難を余儀なくされました。その大規模さは、下記の動画2本でご覧ください。

テレ朝NEW 【独自】ドローンでとらえた 熱海・土石流の爪あと

なんだか、ネットではおかしな方向に行っています。雨により土石流が起こったことが悲しむべきことで、その復旧に現地ではたくさんの方が尽力されている最中なのに、ネット上は違う方向に議論がいっていて、見ていて辛いです。もっとも辛いのは被災者の方々で、心からお見舞い申し上げます。


朝日新聞 5日の詳報 ホテルに560人避難 安否不明者64名

活発な梅雨前線の影響で、東海・関東地方で記録的な大雨が降り、その影響で土石流が発生した。県は災害対策本部を設置し、熱海市に災害救助法の適用を決め、陸上自衛隊が隊員を派遣。人が内部に取り残されている可能性が高いので、撤去などもなかなか進まない状況のようです。

ちょっと忙しい時期だったので、情報収集が遅れて、私が詳報を確認したのは昨日になってからでした。まさかここまで大きな被害になっているとは知りませんでした。ちょっとしたニュースなどは見ていて概況だけは把握していたつもりなのですが。

今回課題になったのは、所在が不明な方の把握が遅れたこと。これにより復旧作業や救助活動が非常に困難になりました。別荘地が多く、通常よりも更に困難でした。個人情報もありますしいろいろ難しい事がありますが、今後大きな課題になりそうです。また高齢者が多く75歳が100歳を背負って避難、などということもありました。高齢化社会の怖さを更に感じる事態です。

立地的には、日本を探せば、他にもこのような場所が多くあるそうです。そのすべてが今回のようなことを発生させるわけではないですが、可能性があります。もちろん行政なども点検、補修などをしている場合もありますが、私有地の場合は管理が行き届かない部分もあります。どちらでもすべて対応を完全に行う事は不可能です。発生しそうだったら避難、というのが現実的な対応になってしまいます。発生しそうの段階で予測できれば良いのですが。

もちろん、建築・土木的にも更に信頼性の高い擁壁、土止めを設計・施工していくことが重要です。しかしながら、いざ設計をすると予算不足という壁にぶつかり、小さくしてくれとか、無くても大丈夫にしてくれとか言われるのが現状です。また擁壁などは補修はかなり難しいのが現状です。更なる技術向上を目指さなければならないと思います。

 

日本とアメリカで衝撃的な建物の倒壊

中国などで起こると「中国だから~」という方もいると思いますが、意外と多く建物の倒壊は起こっています。それは国関係ありません。

まずアメリカのフロリダの高級マンション崩落から。24日午前一時半頃、12階建ての高級マンションの一部が崩落。死者もでています。今のところ崩落の原因はわかっておらず、被害が拡大する可能性もあるそうです。(「突然、ドンと音」半数が崩れ落ち フロリダ高級マンション崩落 ー毎日新聞ー

この建物は地震等で崩壊したわけではないようです。1981年築の比較的古いが、古すぎるというわけでもない。老朽化のため鉄筋などの腐食を防ぐ工事が検討されていたという。どちらにしてもこのような倒壊がおこるはずのない建物です。

次に今朝の日本の大阪の倒壊。25日午前7時15分頃、大阪市西成区で崖の上の住宅2棟が倒壊。さらにもう一棟倒壊の恐れがあるそうです。7時15分頃、近所の人が家の下のほうから水が出ていると警察に通報。その後傾き始め警察が避難を呼びかけたところ、7時半頃にのり面下の工事現場に崩れ落ちた。その3時間後隣の住宅も倒壊した。怪我人などは今のところでていないという。(
大阪・西成区で崖の上の住宅2棟が倒壊 もう1棟も崩れ落ちる危険性も 読売テレビ)

どちらも兆候はたくさんあったはずで、これから調査が進むにつれ原因がわかってくると思います。どうしてもたくさんの建物がある以上、欠陥が生じている建物があるのは仕方がない部分もありますが、老朽化が進むのを防ぐなど、メンテナンスや点検が重要な局面になってきていると思います。最初から異常があったのかは分かりません。後から原因ができた可能性もあります。建物の持ち主は、建物を持つ責任をもう一度自覚して、点検・メンテナンスに取り組むべきと思います。

 

ウッドショックは、そう遠くない時期におさまるでしょう

ウッドショックがらみで、様々な企業から連絡があります。樹種変更がほとんどですが、値段の話もチラホラ。他国は知らないが、日本人は一斉に動き出す文化?が激しく、マスクのときもそうでしたが、深刻に捉えすぎるうえ、右に倣え的な何か・・・があるんです。実際マスクの高騰は記憶に新しいですが、それほど長くは続かなかった(半年程度か?)。その後の余り具合や一部の国産工場の惨状を見ていると何だかな・・・と感じざるを得ません。

今、業界でウッドショックといっています。実際に手に入りにくくはなっています。しかしプレカット屋さん、材木問屋さんに聞くと、入りにくくなること、高値になることは、それほど恐れていなくて「お客様に納入する期限を守れないこと」を危惧する声が大きいです。

日本は几帳面なんでしょうね。今回のウッドショックも、日本が安値で、品質管理された材木を求めすぎたことから、日本を敬遠されている・・・という話もあります。もちろん多数の業者、職人が協力して建てる木造住宅では、各材料がきちんと供給されることは重要ではあります。

しかしながら、そのあたりがゆっくりな地場工務店さんの工期が遅れながらも当初の材で施工されているところを見ると、それほどのものなのかな?と感じざるを得ません。

数年続くと根拠の無いことを言っている人が多いのも気になります。一部の情報を切り取りyoutubeでアクセス狙いの記事も多いです。もちろん今のままでは長期化しますが、そもそも中国もアメリカも需要増とはいえ、材木の価格が上がりすぎることはデメリットでしかありませんから、改善を要求しているでしょう。日本よりも適確に。現場も増産するでしょうし、何よりも新型コロナが急激におさまっているアメリカや中国において、このまま木材需要が大きくなり続ける根拠ってあるのでしょうか??恐らくそれほど急激には上がらなくなり、そのうち下がっていくでしょう。

この段階で国産材増産、国産材回帰!などと言っていると、国産マスク工場の一部のように設備投資を回収できず、材を余らすことになります。やはり早期に対策というより、慎重に考え、仕組みを作っていくことが先決です。その点ではオープンハウス、ケイアイスター不動産、三栄建築設計の三斜が国産材を安定価格で安定供給することを目的とした日本木造分譲住宅協会の取組は注目に値します。

とりあえず小さな設計事務所としては、普通に対応していきます。もちろん納期に余裕を持って。大手と闘って納入価格やスピードで勝てるわけもなく、何か特別な供給ルートなんてあるわけないわけですから。恐らく価格が安くなりすぎた木造住宅の価格を上げる良い転機になると思います。そう考えて、しっかり設計業務に打ち込むことが重要です。

国産材を使った構造設計に関しても一部ビルダーさんと組んで早期から続けてきました。今さらやることはありませんね・・・。