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HOUSE-ST1 Ver8ファーストインプレッション

2020年10月新発売の木造構造計算ソフトHOUSE-ST1 Ver8のファーストインプレッションです。

今回は、大きな法改正も計算マニュアルの変更もない時期のバージョンアップということもあり、機能アップや、使い勝手のブラッシュアップがメインです。なのでバージョンアップをしないという選択もあるので、珍しくレビューを多く求められています。たぶん買うかどうか?判断しにくいということでしょう。

告示の変更により、構造用合板の倍率がCN釘を使った物が加わりましたが、前バージョンではなぜか?加えませんでした。このことの批判は多かったのですが、今回無事にデフォルトで使えるようになりました。

新機能がどのようなものがあるかは、別途ハンドブックにまとめましたので、興味のある方はこちらでPDFダウンロードしてみてください。

一通り使って見て感じたのは、無駄にアイコンの色などが変わったことは置いておいて、メニュー体系がブラッシュアップして飛躍的に使いやすくなったことです。バージョンアップのたびにメニューが加わり、非常に複雑になってきていましたが、ようやく整理されて使いやすくなりました。これは既存のバージョンになれた方は「あれ?」と思うかもしれませんが、最終的には作業しやすく感じると思います。新規の方はより使いやすいソフトだと感じると思います。

また長年計算時に、いちいち設定がでてくる独特の計算実行を改め、計算条件を別途にすることにより、直接チェックに入れるようになりました。元に戻す方法も用意されており元が良い方にも配慮されています。ちょっとの差ですが、スピーディーに計算できるようになりました。ルート2への切り替えやJIS A 3301の切り替え、出力記号や検定計算の数の設定なども、計算条件でできるようになったので快適です。ルート2に変えると帳票も自動で変わるのも便利です。

入力自体の改良は、梁交差部を越えて配置すると自動で分割され梁が配置される機能(kizukuriなどではお馴染み)など入力がある程度で小幅なブラッシュアップに留まります。ただ梁壁入力画面に、梁や壁のプロパティを表示・非表示などを切り替えられる機能(WOOD-STではお馴染み)がつきました。特に外壁・内壁を表示できるようになったので今までよりチェック・編集が簡単になりました。

一番の改良は構造計算結果の画面でしょう。今まででも構造計算ソフト界随一の部分でしたが、更に更に改良されました。ユーザーインターフェイスも一新され、更に使いやすくなりました。。描画属性の変更も行えるようになりましたし、ページを回転して確認できるようにもなりました。CAD変換なども詳細マウス操作モードにより、各項目からできるようになりました。またクリップボード転送も簡単になり、Excelに手軽に転送できるようになりました。こういう機能って項目により限定されたりするのですがその制約がありません。一般事項の建物概要なんかもクリップボードは項目毎に転送できます。CADもページ毎に転送できるようです。非常に便利に追加検討書や図面を作成することが出来ます。

クリップボードを介してExcelに転送。きちんと項目毎になっている。

CAD変換。枠や文字や表もCADデータに変換できる。

また出力できる帳票も増えました。ルート2がらみが強化されていますが、計算ルート判定や、プリチェックメッセージ一覧も同時に出力出来るようになりました。ルート判定、エラーやワーニングのチェックが楽になりましたね。今までみたいに他の画面を参照しなくてもチェックできるのは、思いのほか快適です。あと、柱頭柱脚の金物図が、他社のように各階柱頭柱脚でも出力出来るようになったのは便利です。これでCAD出力すれば、簡単に金物図が作成できます。ここまでやると、構造図を作成するコマンドを実装したほうが良いレベルまで来ています。まあ機能を駆使してオリジナル帳票を作る方が楽しいかもしれませんが。

目玉のCEDXM機能は非常にシンプルで設定がないので、機能としては楽なのですが、逆に制約もあります。またその割に変換出来る項目が多く、各階の地震力荷重なんかも転送できますので、Wallstatに自動で入力されたりもしてビックリします。転送出来る項目のON・OFFが欲しい所です。プレカットとは他のCAD同様大きくシステムが違うので、限定的な転送になりますので、実質Wallstatへの転送がメインだと思います。恐らく専用ではありませんが、ある程度想定した作りになっているので、Wallstatを使う場合も大きな武器になりそうです。また各要素をCEDXMに転送できたり要素を読み込めるわけで、例えばKIZUKURIにデータを転送したり、逆にkizukiriデーターを読み込んだり出来るのは面白いです。もちろん梁・サイズ・耐力壁などですが意外と楽しいです。もちろんアーキトレンドの梁伏図もCEDXM変換すれば使えます。複数のソフトを持っている場合、意外と活用の幅が広がるかと思います。

そんな感じで文字で説明するといろいろあるのですが、キャッチーではないのでわかりにくいのも事実なので、非常にわかりにくいです。また期待されたペントハウス対応や、斜め軸、構造図自動作図、同社HOUSEシリーズとのデータ互換など実現しなかったのも事実でやや物足りないのも事実です。しかし初めて触った人にも、既に旧バージョンを使いこなしている人にも意味のあるバージョンアップです。ここには書き切れない新機能もたくさんある(新機能ハンドブック参照)ので、特に旧バージョンをお持ちの方はバージョンアップしてみてください。後悔はしないと思います。

※なまあずショップ楽天市場店&なまあずソリューション共同企画

HOUSE-ST1 Ver8ハンドブック(新機能編)をダウンロードされた方で、なまあずショップ楽天市場店でHOUSE-ST1 Ver8を購入(バージョンアップも含む)された方には、ハンドブックのCDEXM編と構造図作成編をプレゼント!!新機能編の最終ページにあるキーワードを購入時の備考欄に記入ください。追ってパスワードを送付いたしますので、ハンドブックをダウンロードしたページからダウンロードください。両ハンドブックは10月下旬完成予定です。

 

wallstat ver4.1.2

木造住宅倒壊解析ソフトウェアwallstatのver4.1.2が公開されています。

4.1で大きな変更があったあと、そのエラーやバグの修正に追われているようです。

まだちょっと安定度が低いです。それは私も感じています。市販のソフトではないので気長に待ちましょう。

ver4.1は非常に意欲的なバージョンで、壁量計算やAi分布でのプッシュオーバー機能、柱脚フリーの計算条件選択機能など、特に構造設計者に魅力的な機能が加わっています。絵的にも、動画に地震動グラフを表示したり、壁の色がよりなめらかに変化するようになったりきれいに、わかりやすくなりました。構造計算・耐震ソフト・CADメーカーが続々とコンバーターなどを有償で発売しはじめましたね。コンバーターも万能ではないようなので、Excelなどでの入力・修正に慣れた方がいいでしょう。

KIZUKURI構造知識セミナー

珍しくKIZUKURIのイベントのお知らせ

仙台・大宮・横浜・名古屋・福岡・大阪と開催。各階50名定員と余裕がありますね。JIOから「構造計算だからできる耐震等級3と建築主のメリット」、木造舎の星川氏から、グレー本改訂のポイントや、KIZUKURIの最新バージョンの機能についてです。最近、あまり動きのなかったKIZUKURIですが、今後どうなっていくのでしょうか??興味のある方は是非ご参加ください。

なまあずショップFC2支店活動再開

なまあずショップは、まずはWEBショップから始まったのですが、一番始めは、FC2カートを利用したウェブショップが始めでした。その後、実店舗のオープン、独自ドメインのWEBショップオープン(現在は閉鎖)、楽天市場店のオープン、そして駄菓子屋なまあずのオープンと徐々にですが前進してきました。さて、その創業の地であるFC2カートを利用した店は、その後ダウンロード支店となりソフトウェアやマニュアルのダウンロード専用ショップとなっていましたが、それもパブーに移ってしまったため、現在はほとんど放置状態でした。そこで一部の方に、バージョンアップ商品などの販売を始めたら??と言われたので、真に受けて商品をアップしました。セット商品などは無くし、単品のみのショップとしました(一部を除く)。

一応残しておく方針なので、きちんと稼働していますのでご心配なく。

 

実質i-ARM(国産BIMの新製品)の発表会な建築ピボットEXPO2015

せっかくの新製品発表会(勝手に思っている)なのに、建築ピボットEXPO2015は、まだ定員じゃないらしい(申込みできるようです)。名前が名前だからわかりにくいのですが、構造システムグループの新型BIMソフト「i-ARM」の初お披露目、つまり新製品発表会のようなものです。何を遠慮しているんでしょうねえ>建築ピボット。

まあ、BIMブームも一段落でBIMに対する注目度が落ちているのなら問題ですが、まだまだ成長過程のソフトですからねBIMは。これから導入しようと思っている人は気になるはず!発売はまだ先だと思いますが、驚くべき発表があるはずです(しろなまずも参加することから、察してください!)。ちなみにDRA-CADも活用事例紹介を、しろなまずと同じ年で府中市民である酒井敬氏がしてくれます!!こちらも必見です。

ちなみに建築ピボットの千葉社長より、「建築ピボットの現在と未来」という講演がありますが、今後のロードマップについても発表されます。こちらのほうが面白い発表が聞けるかもしれません(根拠のない自信)。

なお、会場で私を探さないでください!人見知りが激しいもので・・・。

HOUSE-省エネ U値η値計算に対応

個人住宅用の省エネ計算ソフトのHOUSE-省エネが、ようやく新基準であるU値η値に対応した新バージョンが追加されました。これで低炭素住宅などの設計も安心・・・と思いきや、よ~く考えると、新基準に変わってからだいぶ月日がたったような・・・ただ既存ユーザーは無償アップ対応のようなので(本当?)ありがたいよ~な複雑な気分。夏休みが近いので、ちょっと検証してみようと思います。

中・大規模木造建築物の設計実務と確認申請の要点と注意点(11月29日:東京)

最近、グループホームを始め、中・大規模の木造の案件が増えています。単純に木造のほうが安いとか、施工する人間が多いとか・・・安易な話が多いのですが。

以前、なまあず日記で、FAP-3とMED-3の紹介記事を書きましたが、両ソフトの開発元の構造システムが講習会を開きます。

まあソフトの宣伝かよ!と思われるかもしれませんが(実際そうです)、この講習会は、中・大規模木造の確認申請について、ハウスプラスからの講習、構造設計のプロセスについては、株式会社タツミから、とそれぞれ外部の機関が講習を行います。

名前でピン!ときた方もいらっしゃるかもしれませんが、タツミといえばアレです。たぶん。行けばかなり面白い情報を入手できると思います(当然私もこの講習会に参加します)。

タツミは、ベースパックで有名な岡部株式会社と業務提携したばかり。そしてTEC-ONE P3+がいよいよ・・・という時期。たぶん46条2項ルート計算の例の新型金物・・・と期待がいっぱいですね。(過去のなまあず日記の記事

まあ、その話だと思うのですが(違っていたらごめんなさい!!)。

 

まだ申込みはできるみたいです。上記内容は鵜呑みにせず、リンク先をよく読んでから申込みください。

中・大規模木造建築物の設計実務と確認申請の要点と注意点(株式会社構造システム)

11月29日開催

HOUSE-ST1の梁の断面の決め方

 意外と問い合わせがあるのが、木造の梁の断面の決め方。RC造やS造と異なり、梁がけが自由な木造は案外難しいのです。
 kizukuriの古いユーザーの場合、autoモードで算定し、算定した出力結果を基に梁を入力していく、というのが普通でした。kizukuri2x4では、梁もまぐさも未だこの方法の人が多いと思います。現在のkizukuriの場合、仮定断面をあらかじめ入力してから・・・チェックして・・・という方法も多いです。何しろ自動で梁検定できますからね。まあそのまま使う人いないでしょうけど。
 さてHOUSE-ST1の場合はどうか??初心者向けのこの構造計算ソフト、意外にやっかいです。慣れないうちは、一番多いであろう断面(私の場合はベイマツで10.5×15)で全梁を入力し、算定を行います。算定を行うには、計算条件の欄で「梁断面計算」を算定にチェックします。基礎も適当に入れて算定にチェックします。
 一応、断面検定も出てくるのですが(7.3.2等)見るのは7.3.5の算定です。支点毎に必要な断面が出てきますので、それを参考に梁のプロパティを変えていきます。長い梁の場合数パーツになりますので、大きい数値を参考にします。跳ね出しは特に数値がずれやすいので注意が必要です。できれば印刷してチェックしていくといいと思います。もちろん最低の仕様であり、この寸法でいいわけがありません。何しろセンチ単位で刻んでいますからね。これとスパン表や社内規定などと見合わせながら断面を定めます。サイズが足りそうになかったら集成材やLVLなど部材を変更したり、太さを変えます。
 基礎は9.4.2で算定結果がでます。配筋が足りないようでしたら、主筋を増やし、それでも無理ならサイズアップです。
 梁伏図にある程度慣れているなら、始めから予測寸法を入力し算定せずに検定します。慣れてくると大梁以外はなんとかなるものです。
 ちなみに算定とは、応力計算した結果から必要最低限のはりせいを計算します。検定とは、指定された部材・サイズで、構造計算がOKなるか検討します。部材決定の参考のため算定し、部材が決まったら検定計算を行いその部材が安全かどうか最終チェックを行います。算定は安全率や部材の規格なども無視した場合が多いので、あくまで目安になります。

HOUSE-ST1のCAD変換

 kizukuriやStrdesignに比べ、HOUSE-ST1は機能が少ないのですが、実は設計者向けの資料部分においては勝っている部分が多いのも事実。当初は見劣りしていたCAD変換も今ではかなり充実してきています。
 まず下図機能。DXFだけとは未対応が多いなか、JWWやDRA-CADやAutoCAD形式に対応し、入力しやすくなっています。これはミスが少なくなるし入力スピードもアップするので非常に良い機能です。
 また計算結果をはき出すのですが、Strdesignがそのまま使う、kizukuriは編集して使う、という方針が明確なのですが、HOUSE-ST1はちょっと迷っていて、編集して使う、と計算資料として使うが混ざっています。編集して使うも金物が出力されるようになり、kizukuriと遜色なくなってきています。そのうえ、計算資料として使う資料として、長期接地圧の検定や柱の長期軸力等のCAD出力ができます。案外役に立ちます。また梁伏図も梁サイズで出力したり、記号でグルーピングして出力できたりと非常に実務者向けです。特にグルーピングできるのでチェックが非常に楽になります。
 初心者向けとみられがちですが、構造計算ソフトっぽい部分や技術者だから欲しいという出力が多くあるのがHOUSE-ST1のもう一つの魅力です。特にチェックのしやすさは慣れると他のソフトを使いたくなくなるくらいです。入力後の修正はkizukuriには及びませんが、Strdesignよりはかなり楽です。チェックは圧倒的に楽ですからね。HOUSE-ST1をお使いでCAD変換をまだ使いこなしていない人、一度機能をチェックしてみてくださいね。

HOUSE-ST1の風圧力の計算注意!(特にkizukuriユーザー)

 とある方のHOUSE-ST1の計算書とデータをチェックしていたら、入力値と出力値が違う・・・と思ってメーカーのQ&Aや解説などを読みながらチェック・・・。するとST1の風力係数の入力方法とkizukuriの風力係数の入力の仕方、計算方法は似ているのですが、計算結果が確実に異なることがわかりました。たぶんこの方kizukuriユーザーなのでうっかりしていたんでしょうね。
 kizukuriの場合、風力係数を0入力しておけば、後は屋根勾配から自動計算してくれるモードを搭載しています。複雑なときは自分で計算して入力することができます。HOUSE-ST1の場合、昔は自動入力のみ!という乱暴な時代もありましたが、現在は手入力もできますし、自動入力もできます。ある意味kizukuriと似た操作性になっています。しかしながら挙動が全く違うのです。
 kizukuriの場合は屋根形状の選択と勾配で自動計算を行います。なので、おかしい!と思ったら手動計算に切り替えて行います。まあたいてい自動計算なんでしょうけど(私の場合はあまり自動計算を利用しません)。HOUSE-ST1の場合屋根形状のパラメーターがないので、勾配だけ入れても無意味です(じゃあ書くなよ・・・)。屋根形状係数の自動計算はX・Yのうち小さい方の勾配で計算するそうです。そのため片流れや切り妻の場合X・Y共に同じ勾配を入力しなければならないそうです。ちなみにこれはメーカーの回答でQ&Aのページにも掲載されています。しかし・・・なんだかその通りなら切り妻はおかしなことになりませんか??もちろんこの解説はおかしいです。
 そこでY方向4寸勾配の切り妻で自動計算をかけると・・・つまりXは勾配ゼロ(kizukuriと同じ方法)、Yは4と入力。すると風力係数はそれぞれ0.5と0.62です(涙)。もちろん切り妻なので1.2と0.62が正解なのですが・・・。ではQ&A通りに同じに入れると・・・。当たり前ののように0.62と0.62(寄せ棟ですね・・・)になります。う~ん。切り妻はやっぱり自動計算はできないのかな??最近のバージョンではkizukuri同様に手計算で入れていたから私は気がつきませんでしたけど・・・。
 よくわからないけど、少なくともkizukuriと挙動が違うのは確か(別にkizukuriを擁護しているわけではない)。やはり計算書はきちんとチェックしていかないと。構造計算ソフトの出力なんて見たことがない!という木造設計者は多いですけど、要注意です。