なまあず日記の検索ワードで多い「方杖」「壁倍率」

意外にもトップ検索ワードは「方杖」です。対のワードは、「壁倍率」なので、木造の方杖で壁倍率を取りたい場合に検索している人が「まだ」多いようです。

方杖の強度を方杖自体で取っている・・・と思っている人が多いですが、実際は柱がある程度強くないともちません。なので105角で方杖に頼ってしまうと柱側が先に折れる結果になってしまいます。方杖取り付けにもボルトやビスなどで欠損も出てきますので計算値通りの設計って意外と難しそうです。もっとも一定の型はありますので、特異なことをしなければ問題ないと思いますが。

個人的に方杖を採用する場合は、金物構法などの性能がきちんと明記されているもので、方杖に利用できるものを採用します。例えばテックワンP3プラスのように、元々方杖での利用も考え、事例を書いているものです。ちなみにテックワンP3プラスのマニュアルには方杖フレームの計算例が書いてありました(最近のものに載っているかは知りません)。欠損も少なく取り付けて出荷してくれるので施工も手軽ですし安全性も高いです。金物が特殊なぶん、コストアップになりそうなのがネックです。

もっとも方杖を使うシーンは耐震補強が多いので柱自体をアラミド(お勧め!)で補強・補修したり、柱を二重に重ねたりして元の柱をできるだけ痛めないようにしています。新築の場合は面材で耐力を取っているので、方杖を倍率加算するためには使いません。隅柱などで弱そうな場合は耐震補強に準じて補強を行い倍率加算はしません。

倍率加算を考えるなら、似たような挙動の方杖の数を集めて同方向のみ使う、というのはアリだと思います。Y方向は面材で、X方向中央部は面材、外周部は方杖といった組み合わせです。もちろん全部方杖というのもいいと思いますが平屋のように必要耐力が低いものが対象になりそうです。

秋に発売になる、WOOD-STという木造構造計算ソフトは壁倍率によらずルート2で計算するソフトです。スキップフロア対応も目玉ですが、壁倍率によらないので、方杖も利用できます。詳細はまだ発表されていませんが、HOUSE-ST1のように簡単なユーザーインターフェイスで利用しやすいものになっているようです。使いこなすと面白い建物が設計できそうで非常に楽しみです。

WOOD-ST 木造集成材等建築物の構造計算ソフト2017年9月発売予定

建築技術の7月号の特集は、熊本地震以降の木造軸組構法住宅。今日初めて目を通したのですが、そこに、WOOD-STなる木造集成材等建築物の構造計算ソフトの新発売情報が。しかも構造システムから・・・。

その広告によると、仕様規定ルート(4号建物)からルート1,2まで幅広く利用できるそうです。しかも在来軸組工法のほかに、ラーメン架構を全体または一部に持つ、壁とブレースが混在する建物や、スキップフロアのある建物も形状通りにモデル化し、構造計算を行えるそうです。またメーカー製金物のデータベースを用意しているようですので、おそらくテックワンP3プラスのような金物も比較的簡単に使えるのではないかと思います。

一枚しか写真がありませんが、 HOUSE-ST1に画面が酷似しています。そしてHOUSE-ST1の適用範囲外の建物はWOOD-STに転送できるようです。ということで上位互換のようです。

価格などは出ていません。もちろん販売価格も載っていません。販売店にも何も情報が来ていません(少なくとも某ショップの店長は知らないそうです)。HOUSE-ST1 Ver7になって学校など中大規模に対応したので、果たしてすみわけはどうするのか?かなり疑問です。それならHOUSE-ST1を正式にルート2に対応するのか?と思ったのですが。某ショップでは

そして書き方からして任意形状ではなさそうです。また上位バージョンなのに対応できるのが3階まで。現在、木造耐火4階が少しずつメジャーになりつつあり、構造屋さんが対策に苦慮している時期というのに、なぜ????という感じです。少なくとも学校建築よりは需要はありそうなのに(汗)。

しかし、このクラスの建物でラーメン架構を利用できたり、スキップフロアの需要は大きいはず。狙いどころがニッチに見えますが東京などの狭小地での構造設計に適した機能を実装できれば面白い存在になるかもしれません。

発売はもうすぐのようです。詳しい情報が出てきましたら、このブログでも紹介していきたいと思います。