KIZUKURI購入者紹介キャンペーン

2019年11月1日より、株式会社コンピュータシステム研究所(CST)では、KIZUKURI購入者キャンペーンを開始するそうです。紹介者(kizukuriユーザー)は、紹介した方が購入した場合に1万円のギフトカードが貰えるそうです。どうやら先着30名様、なようです。

CSTでは、人気ドラマ「まだ結婚できない男」でALTAが使われていることで話題になりましたが、いろんなソフトウェアを販売しています。今月、1年ぶりに細かなアップデートがあったとはいえ、最近目立ったアップデートがないkizukuriですが、キャンペーンがあるということで今後の展開が期待できますね。

 

 

停電時の構造計算ソフトのデータ復帰方法 kizukuriの例

はい。先ほど停電していました。使っていたソフトはDocuWorksとkizukuriとコミpo!。kizukuriは見事にデータ消えました。

ただし、データを復帰できる可能性があります。通常JDTという保存ファイルですが、計算コマンドを実行するとJDOというファイルを吐き出します。これは計算結果のファイルですが、これを読み込むと最後に計算したときのデータを復活できます。

この方法を使えば、かなりの部分を復活できるチャンスがありますね。ぜひご活用ください。

HOUSE-ST1 Ver7.5.1.5公開

木造構造計算ソフトHOUSE-ST1 Ver7.5.1.5が公開されました。

軽微なバグフィックスがメインで新機能の搭載などはありません。

早いものでHOUSE-ST1のVer7がでてから、約2年半。すぐにグレー本改訂で7.5になりましたが、グレー本対応以外は大きく変わっていません(まあ同一バージョン内で計算方法が違うというのは違和感を感じますが・・・)。

終わったことは仕方がないのですが、中大規模木造に対応するよりは、HOUSEシリーズらしく、本体の価値向上を目指して欲しかったな、と思います。WOOD-STも出てしまったので、各ソフトの立ち位置が本当にわからなくなっています。特にWOOD-STは狭小木造住宅の設計にも向いているわけで・・・。

もっとも私個人は、HOUSE-ST1の利用率が上がり、KIZUKURIの利用率が下がっているのも事実。惜しい部分が多いのですが使い勝手が良いソフトであるのは変わりがありません。木造構造計算ソフトは、木造耐震診断ソフトと異なり決定打があるソフト(=完成度の高いソフト)は今のところありませんので、どのソフト会社も主流になるチャンスは十分にあります。また木造耐震診断ソフトは、今後旧耐震の建物は急激に減りますのでシェアをわざわざ取りに行くのは疑問が残りますが、木造住宅は減る可能性はありますが、非住宅木造は増えていますので、将来性もあります。なのに、木造構造計算ソフトはどこもそれほど主力となろうという作り方になっていません。構造ソフトが今さら・・・と言われながらも参入してきたのはそんな感じがあったからでしょう。我々ユーザーは良いものを利用します。特に木造構造計算ソフトはRC一貫などよりも価格が安く、ある程度の設計者は複数のソフトを買うことに躊躇はありません。よってシェアが一気に・・・という可能性はまだまだあるのです。そして数もある程度出ることは間違いありません。ということでがんばって欲しいところです。

1000㎡の木造児童福祉施設の耐震診断に挑む

久々に1000㎡クラスの児童福祉施設の耐震診断を行っている。木造だが都内でまだ、そんな規模の古い施設が残っているのは驚きです。

さて、図面と下見を行ったときに、どのような診断を行うか?議論になったのだが、木造2階建てで、90㎡の広間もあるということで、さすがに住宅の診断ソフトに入力しただけ・・・ではまずいということで、以下の診断方針とした

・基本的な方針は精密診断法1に準拠
これはずばり使える部材、計算できるデータが揃っているから。精密2は魅力だが、使える部材に制約が多いので。軒高などは住宅レベルなので、精密診断法1が適用できると判断した。使用ソフトは、巨大な面積を効率的に入力・チェックできることからHOUSE-DOCとした。もうすぐ建防協の評価の更新だが提出までに間に合うとのこと。それにしてもHOUSE-DOCも機能不足は否めないし進化する可能性も低いので、このような診断で利用するのは今回でラストかな?ちなみに、耐震チェックは巨大な建物に向かない、達人診断は魅力的だが、画面の拡大縮小などよく使うコマンドの操作性が低いことから巨大な建物ではストレスが溜まるということで今回は除外した。

・荷重は構造計算ソフトで計算
安心精密診断のように荷重をコントロールできるソフトはあるので、それを使えばいいのだが、今回は梁のスパンが7mクラスも出てきて、柱の負担も大きいので軸力を計算できるだけでなく、簡単な断面算定も行いたいので、別途構造計算ソフトで計算することとした。使用ソフトは、kizukuriとした。HOUSE-ST1を利用したかったのだが、HOUSE-DOCとデータの互換性がないこと、耐震診断でよく使う部分計算などがしにくいこと、HOUSE-DOCにもっていくデータを作りにくい(計算書をそのまま流用できない)ことから、今までの実績も考慮しての判断です。WD3warpなどでも荷重作成は容易だから、もっている人はチャレンジしてみるといいかもしれません。


予想通りの梁の検定結果。120×450でこんな数字がでる計画をしていれば、何かしらの問題が発生しても仕方が無い。そのしわ寄せがどうでるか?診断者は慎重に調査しなければなりません。

・部分計算は、負担が大きいところを中心に計算
通常は部材計算を行わないのだが、今回は沈下しているポイントがあり、そこは明らかに荷重が集中している箇所だったので、kizukuriで長期軸力を出したあと、負担が大きそうな部分を検定計算することとする。

すごい軸力!!こんなに木造の一部の柱に軸力がかかる計画はどうかと・・・(軸力。単位はkN)

・基礎などはコア抜き、超音波
一応住宅でないし、構造図がないので、これらは実施するものとする。

こんな感じでした。いつもと同じ方法を常に踏襲しないで、特殊な物件は使う道具・ソフトも含めて計画する必要があります。今回も空調服を始め、LED投光器など新装備を多く投入しました。暑かったですからね。現地調査は暑さ対策を十分にして、休憩なども多めに取りました。それでも調査日の翌日はだるかったですが・・・。調査は二日間。一日目にとんでもない発見をしてしまったので、二日目の調査を延期し準備中です。それにしても小動物怖い・・・。

HOUSE-ST1の梁の検討でZとIとAを考える

KIZUKURIだと、梁の断面を計算するときに、Z(断面係数)とI(断面二次モーメント)とA(断面積)の低減は初期設定で一括に設定されます。これは便利な反面、細かな計算が不可能です。算定梁の項目で切り欠きを指定することができますが、各項目ごとに細かくコントロールすることは難しいです。まあそこまで細かく考えなくてもよいケースが多いのですが、普通の設計じゃないものは、ここが重要だったりします。特に計算値に近い断面で設計している場合は深刻です。私のところでは断面が十分に余裕がある設計を求められているので、ほとんど重要じゃないのですが(むしろ大きい??)。

HOUSE-ST1の場合、梁の入力段階でZ、A、Iをパーセントで指定できます。なんだかkizukuriに似ていますが・・・本来ならグレー本に書いてあるような書式のほうが設定しやすいと思います(アーキトレンドZはグレー本っぽい設定画面です)

これなら、細かくコントロールできます。もっとも一本一本やるのは難しいので、各梁グループごとに参照コマンドを駆使しながら入力していくという工夫は必要です。大断面どうしの木組みが多い場合はかなり有効です。もっとも私も上図のようにほとんどを0.7ずつにデフォしていて、それを外れるシーンのみ、一貫計算終了後に調整してエラーが出たら断面を増やす・・・という感じですが(汗)。HOUSE-ST1にはOKとする検定比という項目が断面計算条件の一番下に用意されており、これを調整することによって、あとでエラーがでることを未然に防いでいます。完全ではないですが、最後にあまり断面を調整したくないので・・・。

できればアーキトレンド構造計算レベルに最低でもやっていただけると助かるのですが、これはこれで初期設定でよいのかとか、計算値を信じすぎてはまるケースもあるので、何が良いのか一概には言えません・・・。不安な場合はいちいち計算してみて、その経験則をエクセルかなんかにまとめて、ミスなく、過大過小を防ぐ・・・というのが今のところの私の考えです・・・。

MOKUZO.Designer 木造構造計算の新顔が株式会社構造ソフトより登場

春先にも予告がありましたが、正式発表になりましたね。MOKUZO.Designerは、木造構造計算ソフトで、4階建て以上の建築物の計算できる新製品です。また四号建物のN値計算、バランスの検討、仕様規定の検討に対応。もちろん混構造の木造部分にも対応しています。

基本的に新グレー本(2017年)準拠で、通り数は180通り。ルート2迄対応。傾斜フレームにも対応しています。

伏図、軸組図から入力出来、リアルタイムで3D表示できます。「かんたん入力」機能という、部材断面を定義せずにプログラムが準備した断面ですぐに入力が開始できるそうです。また一貫構造計算ソフトと同様にテキストエディタによる一括入力が可能で、RC・S造の一貫計算からの移行組は、非常に重宝しそうです。

面白いのは軸組図に金物の形状が表示されること。これはST1でも導入して欲しいと思っている機能ですが、公開画面を見る限り、山形プレートやCP-Lを描画しています。新型の金物など登録できるとよりリアリティが増すと思います。もっとも仕様では岡部の筋違い金物、カネシンの金物など登録してあるそうなので、どう描画されるのか?興味があります。

また四号建築の条件を自動で判断し、そのまま四号で計算したり、許容応力度計算に進んだりできるので、他のソフトと異なりわかりやすい計算フローだと思います。どうしても他社だと4号はオマケ的になっているので。普段4号を使いたまに構造計算という人には非常によい仕様だと思います。準拠する基規準、参考文献にに住木センターの「最初に学ぶ木造住宅の構造計画壁量計算・四分割法・N値計算・演習」が入っていることから期待できます。

初心者向けにわかりやすく作ってある印象はありますが、初めて構造計算ソフトを触る方は、敷居が高いと思います。そんな場合に構造ソフトは初期導入支援サービスを用意しています。

後発の利を活かして、わかりやすいユーザーインターフェイス、丁寧な作りでファンを増やしそうです。もちろん基礎の計算もできます。

価格は定価が324000円。このクラスにはHOUSE-ST1の牙城であり、そのまんまぶつけてきた感があります。キャンペーンで2月末まで259200円、他社ユーザーは216000円と思い切った価格で攻勢をかけるようです。最近、目立った機能アップがないものの、相変わらずシェアの高いKIZUKURIからの乗換も視野に入れているようです。出荷は12月下旬から。

サポートに関しては必須のようです。有料の年間サポート会員に入会しなければなりません。ただし12月末までに買えば一年間のサポート会員費は無料!!!となりますので、この機会をお見逃し無く!!年間サポート料金は28000円+税となります。

ホームページに仕様等載っていますが、公開されているデータだけみると、他社に追いつくのはまだ先のようです。また計算フローの図が垂木・母屋の計算が二重に出てきたり、まだまだ情報整理がこなれていないようです。ただ春先に正式発表では?と思われていただけに、開発の遅れと言うより基本部分をしっかり作り込んでいる感じがします。他社がユーザーの声を反映せず会社本位の開発が目に余る時代になってきましたので逆転のチャンスは十分にあります。なにせ告示1100号の変更で耐力壁の仕様が加わったにも拘わらず、未だ追加しない、今さら追加するソフトが多い状態ですからね。価格帯から初めての木造構造計算ソフト、という感じもしますが、HOUSE-ST1やSTRDESIGN、その他ソフトからの乗換にも良いと思います。

KIZUKURI Ver7.7発表

木造構造計算ソフトの老舗KIZUKURIが久々にアップデート。Ver7.7という非常に縁起の良いバージョンとなります。6月4日リリース予定です。

ようやく階高が高い建物の筋かい低減が搭載されます。また不評だった偏心率計算方法にも手が入れられます。

個人的に、水平構面応力図の画面表示機能が嬉しいです。KIZUKURIは画面上でいろいろな情報が確認できるので解析しながら・・・という作業は本当に楽なのですが、水平構面の応力図がないことが残念でした。これで作業がまたやりやすくなりますね。

時代に合わせて青本の機能削除が行われるようです。もう使う人いないと思うのですが、古い計算書の再現などで使う事があるので、再現機能として置いておいて欲しかったなと思います。

思ったより堅実にパワーアップしているようですね。KIZUKURI今後も期待です。

BS耐力壁検定ツール(ベースセッター)

メーカーから公開されたベースセッター用の計算ツールBS耐力壁検定ツールを使ってみました。

はっきり言ってダウンロードしてすぐ使える、と思っていると大変なので先にダウンロードして一回使って見てください。私も二時間ほどかかってしまいました。

KIZUKURIとHOUSE-ST1で同じサンプルデータを使ってやってみました。このツールが何をやっているか?わからない人はかなり戸惑うはずです。ソフトによって用語も違いますし、数値が出てくるページも違います。

建物角で、HOUSE-ST1で入力したところ。壁倍率の上限の設定に注意してください。事実上制限がないJISモードにするとC0が0.25になるので注意です。また隅角で使う場合は直行方向の耐力壁の柱と兼用できないので、もう一本柱を入れて耐力壁を切る必要があります。HOUSE-ST1は見えにくいので、柱を非表示にして確認します。

KIZUKURIでは見やすいですね。こちらも基本設定で壁倍率の上限を15程度にしておく必要があります。

木造構造計算ソフトのほうはこれでOKです(上記は10.5センチの柱で標準的なパターンの場合です)。

もうお気づきだと思いますが、ベースセッターは集成材一本の「柱」ですが、構造計算ソフトに入れるときは、柱二本入れ、その間に耐力壁を入れるモデル化が必要です。その場合、2本の柱を精算する必要があります。そのためにツールがあります(便利!!)。

ツールはExcelのシートになっています。必要データは自分で構造計算書の中から拾ってこなければなりません。高さ関係は簡単ですが、分担水平力・軸力は通常の構造計算で追加軸力などの精算を経験していないとわかりにくいです(なんとなく表記が誤記っぽいところありますが・・・長期の柱名!)。また1つの建物で使える量も制限があり、それもこのツールでチェック出来ます。

どちらかというとKIZUKURIのほうがわかりやすいかな??確認のための画面もありますし(特に短期を左右切り替えて見ることができるので便利です)。まあ最後は印刷しなければならないので不便といえば不便なので、ユーザーは慣れている??でしょ??HOUSE-ST1は印刷(PDFやDocuWorks)に印刷しなくても全帳票を閲覧できるので便利ですが、解析ツールがないのでちょっと不便です。

このツールでOKなら大丈夫だそうです。気になる方は自分で検算してみましょう。

門型フレームなどでもそうですが、46条壁量計算では加算できないので、四号建物で使う場合は注意が必要です。構造計算できる人はかなり便利なツールになります。450の壁柱なので芯寸法は345mm。ビスダックジャパンのタフボードのタフ455より若干狭くいけます。J耐震開口フレームは片側292.5mmですので更に狭くいけますが、両側に出てきますし、運搬も大変ですし価格も高いです。建物角で使う場合はホールダウンとの干渉を特に気をつけなければなりませんが、慣れれば難しくはないでしょう。

というわけで設計では慣れが必要です。くれぐれもわーい、柱だけで耐力壁できる~なんて安易に考えないように・・・。

 

HOUSE-ST1の梁サイズの仮定と算定

HOUSE-ST1は比較的簡単な木造構造計算ソフトですが、梁サイズは自分で定めなければなりません。自動計算ではありません。普通、スパン表などを使って仮定で断面を定めて仮伏図を入力していくのですが、初心者には難しいです。HOUSE-ST1では、算定という便利な機能があるので、これを使って梁サイズを定める参考にします。

(クリックで拡大)

計算時に、はり断面計算を「算定」に切り替え、全部材の断面計算をするにチェックを入れて計算します。

(クリックで拡大)

7.3.5の横架材の曲げとたわみ・せん断の算定結果をクリックすると上のような略伏図がでてきます。柱間を単純梁とし、各支点間の必要はりせいがでてきます。あくまで算定なので目安です。10.5㎝以下の数字もでてきますが、その場合は10.5㎝に切り上げます。幅や材質などを予め指定しておけば、その材料で算定してくれるので便利ですね。この例だと甲乙梁は9㎝幅で決め打ちし、大梁はE120F330で算定させています。また普通の梁はベイマツで、甲乙梁はスギで計算しています。

実際の梁サイズは、上に耐力壁がある場合は低減係数の計算などでいろいろ絡んできますので、算定はあくまで目安です。小さめに出てしまうので、たわみなどの数値を見ながら最終的にはりせいを決定します。

慣れのため、初めはスパン表などを見ながら、まずは入れてみて、算定計算を比べて見てください。ある程度納まったな?と思ったら検定計算に切り替えて計算してみましょう。

自動計算のソフトもありますが、意外と好み通りならず私は嫌ですね。若干細いし。建物形状が整形な場合はいいのですけど、そんな構造計算普通は来ませんし・・・。

WOOD-STが発売になりましたが、木造の構造計算は新グレー本2017(木造軸組工法住宅の許容応力度設計2017年版)が主流であることに変わりがありません。今月は今のところkizukuriで5棟、HOUSE-ST1で4棟提出します(長期優良含む。少ねー)。WOOD-STはスキップの物件があるので確認検査機関がOKを出せば(今打合せ中です)投入するかもしれません。ちなみに、KIZUKURIとHOUSE-ST1併用している理由は、時間がないので、両方起動しながら、同時に検討を行っています。操作性がそれぞれ違うので考えが混ざらなくて良いですね。2棟ずつ一緒にやる癖を付けました。まあ最終的にはどちらか片方になりそうですが、ペントハウスや梁上低減係数などの問題もあり、まだ統一していません。まあ普通は一個のソフトを浮気せずに使った方がいいのはいうまでもありません。HOUSE-ST1は私が使い始めた頃はとても主力で使おうとは思えなかったですけど、今は慣れもあって良い感じです。

そのうち、WOOD-STのほうが使いやすい!なんてブログに書く時代がくるのかな??それまでに腕を上げておかねば・・・。

 

WOOD-STファーストインプレッション

46条2項ルートの木造構造計算ソフトWOOD-STが届いたので、ファーストインプレションです。予定通り11月頭出荷でした。初回注文分は皆様の元に届いていると思います。

本当に見分けがつかない外観

WOOD-STの最大の特徴は、従来難しいとされた壁量計算によらない46条2項ルートの構造計算をHOUSE-ST1同様の入力しやすいユーザーインターフェイスで実現したことだ。SS7やBUS-6といったRC造の一貫構造計算ソフトは、昔に比べれば非常に操作性が向上していますが、やはり操作に習熟するのに時間がかかります。その点、WOOD-STは、グラフィカルな画面というだけでなく、HOUSE-ST1で積み上げた操作性を採り入れており、計算部分はともかく操作で戸惑うことが非常に少ないです。画面が似ているHOUSE-DOCやHOUSE-省エネといったソフトと比べてもはるかにHOUSE-ST1に酷似しており、ちょっと見には見分けがつかないくらいです。

また屋根入力、見つけ面積入力、CAD下図機能など主立ったHOUSE-ST1の便利な機能も搭載されています。これらの操作性も同じなのでHOUSE-ST1のユーザーは迷わず乗換、併用が可能だと感じます。

方杖やK形ブレースは表示で再現できる

はい。きちんとモデル通り再現できます。入力設定もシンプルでモデル化しやすいですね。凝ったことができない反面、設定や入力が簡単なのがいいです。

スキップフロアは各階の間に一層配置することができます。HOUSE-省エネのように層を挿入する形です。高さは自由に設定できます。数値で指定するため、グラフィカルに設定できないのが残念ですが、意匠検討が終わっているなら特に問題はありません。

母屋下がりなど立面的非整形、3階上のペントハウス、トラス屋根の解析などには対応していません。平面的な斜め軸には対応していますが形状的には比較的シンプルなものが得意なようです。

ややわかりにくいリスト関連とK-DB

各部材は、ソフト自体に実装されておらず、基本的にK-DBを通しています。K-DBや構造システムのBUSやDOC-RC/SRC、SNAP、MED-3などの構造計算ソフトで共通に利用できる構造系データベースです。メーカーからみれば管理が一元化できて間違いなども起こしにくく良いシステムですし、ユーザーから見ても複数のソフトを利用しているのであればメリットを享受できます。もっとも単体で使う場合、2つのソフトをインストールしなければならないなどデメリットもあります。

WOOD-STは、木材や金物でデータベースを利用しています。そのためHOUSE-ST1のように樹種などを登録する必要はほぼありません。コレは便利です。金物は、テックワンとプレセッター(SUも)を利用できます。わかりにくいのがソフト毎に使えるものが違うこと。例えば、MED-3で使えるテックワンP3プラスは今のところWOOD-STでは使えないこと。

細かいことを考えなければ、細かいパラメーターの入力を少しでもしなくていいのは大きなメリットです。将来性も含め柔軟な対応ができるk-DBに接続できることのメリットも今後でてくると思います。

秀逸なHOUSE-ST1からの変換機能

一番上の画面キャプチャはHOUSE-ST1のデータをそのまま変換したものです。屋根の形もきちんと伝わりましたね。荷重なども再設定不要です。耐力要素は自分で置き換えなければなりません。自動変換したままだと、各耐力要素は、壁倍率を基準耐力に置き換え、その耐力要素全体の耐力として算出します。壁の長さで計算していた人はかなり戸惑うと思います。ただこの方式のおかげで、傾斜によって耐力が変わるブレースや、柱自体に取り付く方杖なども適切にモデル化できます。構造用合板のみ使っている場合は、告示の耐力で問題ないならだいたいの数値として目安になりますが、筋かいも倍率で変換して方向は無視しているので、こちらは危険です。HOUSE-ST1から変換する場合は筋かいを使わない方が無難です。といってもすぐに目安の耐力がわかるのは非常に良く、46条2項の必要耐力に慣れていない人には耐力目安がわかるので非常にありがたい機能です。

各要素の表示を切り替えられるのは便利

HOUSE-ST1を使っていると梁サイズとか表示して欲しいな~と思うのですが、WOOD-STはパラメーターが多いので、常時画面に表示することが可能です。項目もある程度カスタマイズで来ます!!この機能は本当に便利です!!HOUSE-ST1に早く搭載してほしいものです。

計算書もシンプルで見やすい

計算書は、HOUSE-ST1のように画面で見やすい形式です。各項目にクリックで飛べるので見たいところをすぐに見ることが出来ます。計算書内容は見やすくわかりやすいのですが、やや枚数は多め。新しい分野のソフトなので見やすさを優先したようです。応力図は小さな物件なら見やすいですが、ちょっと大きめになると見にくくなるのが難点です。RC造に比べて部材数が多くなりがちなので、今後も改良を続けていって欲しい点の1つです。

RC造・S造の構造計算ソフトを使いこなしている人にとっては見やすいでしょう。木造の新グレー本準拠の構造計算ソフトから見ると、総合的な壁量の表がない(壁量計算がないので当たり前)、金物の引き抜き図がない(フレームで・・・)とか戸惑いますが、1つ1つ丁寧に見ていけば大丈夫です。

改善してほしいところは?

改善して欲しいところは、サンプルがとにかく貧弱です。とりあえずスキップフロアや方杖など入力事例にはなっているものの、現実的な建物モデルではありません。またサンプルは一個しかありません。計算や耐力設定が難しめなソフトなので、できれば3例くらい欲しい所です。

HOUSE-ST1で便利だった機能が一部ないのも気になります。二次部材の計算はありません。計算書のエラー表示機能は貧弱で最初は計算書のどの部分にエラーがあるのか?わからないほど。一応、ST1で好評な伏図にエラーやワーニングの表示は出るのですが。計算書のCAD変換もできないので、補助計算書や、構造図を作るときに不便です。入力モデルの梁伏図と軸組図はCAD出力する機能はあるのですが、これだけだと構造図を描くときに不足感があります。恐らくHOUSE-ST1を元に作ったわけでは無く、一から作ったソフトをHOUSE-ST1に思いっきり似たユーザーインターフェイスを被せたのでしょうから、今後、HOUSE-ST1で好評な機能は搭載していくと思います。

また基礎の計算がないのが非常に残念です。開発はしているようなので後日搭載なのか?オプションなのか、いつぐらいにリリースされるのか?知りたいところです。

今後に期待!!

新製品ということで、これからどんどん発展していくと思います。印象として非常に操作性が良い反面、どうやって設計していくのか?がわかりにくいところがあります。ここはより一層のヘルプやサンプルや設計資料の充実などで補っていただければ、と思います。

まだ機能は不足していると思いますが、現状でもかなり実務に使えそうな手応えです。私も数個モデルを作りましたが、木造2階建ての狭小スキップフロアの構造なら30分程度でモデル化できました。これはST1と同レベルです。個人的には大規模というより、ちょっと凝ったスキップフロアのある狭小住宅や、間口が広いショップなどの構造設計に威力を発揮すると思います。高倍率耐力壁や方杖といった要素はそういったものに親和性が高いと感じます。他の木造構造計算ソフトからの乗換もそんなにハードルは高くありません。ともあれ、新グレー本の構造設計に限界を感じた方、S造やRC造から木造に移行したい構造設計者にお勧めです。