HOUSE-WLのチュートリアル

壁式鉄筋コンクリート造の構造計算ソフトHOUSE-WLには、チュートリアルという建物の設計事例を一緒に入力していくPDFマニュアルがついています。これは非常に便利で事例を一棟入力することで入力の流れ・操作方法を覚えられます。ちなみにWALL-1も同じです。

HOUSE-WLのチュートリアル。意外と?複雑です。HOUSE-ST1もこんな感じに軸を作成できれば無敵なのに・・・。

さて、このチュートリアルはどれくらいで入力できるのか??という質問を受けたので試してみました。チュートリアルの例題は、複雑な形状で私が普段やるような設計より難易度が高いので時間がかかります。測ってみたところ一時間でした。初めての人はもう少しかかると思います(私もめったにHOUSE-WLを触らないので初心者とそれほど速度差はないと思いますが)。

HOUSE-DOCのようにタイムトライアル(5分とかで完成)できるようなデータ量でもないので、やはりそれなりにかかります。HOUSE-ST1のようにとりあえず平面図を入れてみよう♪という感じでやると確実に失敗します。ある程度の仮定断面と図面を書いてから入力しないと開口部などでいちいち手が止まってしまうので注意が必要です。チュートリアルでは予め入力内容が整理されておりますので、実務ではその部分を作成する手間が余計にかかると思って間違い無いでしょう。

HOUSE-ST1HOUSE-DOCになれていると、どうしても操作性に難がありますが、それでも壁麻呂などの旧世代の構造計算ソフトに比べれば数段楽なわけで、メーカーがなかなか改良してくれないのも仕方がないのかもしれません。

 

 

災害対応住宅としての混構造のすすめ

台風19号を待つまでもなく、台風15号の被害も大きく、ビルダーさんからはさっそくいままで相談もなかった耐風等級2の相談が。地震に比べて風はガラスが割れたり、雨樋がやられたり、屋根が剥がれたり・・・ということで、ただ風圧力を増やして検討すれば安全な建物が建てられる・・・といった類いのものではないと思うのですが。そのうえ、洪水などにも強い家は??などと無理難題をおっしゃる・・・・。

そんななかでお勧めしたいのは、1階を壁式鉄筋コンクリート造にし、2階を木造として混構造住宅。

それならRC造2階建てで良くね?と思うかもしれませんが、鉄筋コンクリートは重いので、2層にするとかなりの確率で地盤改良・杭基礎になってしまいます。また地盤改良・杭基礎になった場合の費用も上がり気味です。

その点1階RC造2階木造は、適度に軽いですし、1階はRC造なので水に浸かっても躯体は安心、流される心配もほとんどありません。また2階は実質木造平屋なので、スパンを飛ばせるので、広々した開放的なリビングを作ることができます。もちろん地震にも強いです。風にも全体重量が重いので比較的強く作ることができます。

欠点としては構造設計しにくいことと、サッシなどが、RC部分で使えるものが木造ほど多くないことなどあります。今後も異常気象は減らないでしょうし、床上浸水が心配な地域では、浸水する可能性は0ではないわけで、このような混構造で作っておくというのも良いのではないでしょうか?

そーなると、構造計算しなければならないのですが、幸い混構造の中でも壁式RC造と木造の組み合わせは意外と簡単です。構造計算の中で一番習得しやすいのは壁式RC造だからです。そして木造部分は平屋同然なのでこちらも簡単です。あとは混構造的な経験と知識ですが・・・それも鉄骨と木造の混構造に比べて100倍簡単です。

そして、お馴染みHOUSE-ST1とHOUSE-WLの組み合わせなら、荷重を簡単に持ってこられるので手軽で簡単ですね。価格は2本分なので高いですが、混構造の構造計算の外注費って高いですから、2件くらいやれば元が取れますから。

HOUSE-混構造パックは、HOUSE-ST1とHOUSE-WLのセットで、価格も一本ずつ買うよりお買い得です。なんとか50万円を切る価格も魅力です。なまあずショップ楽天市場店で購入の方には、漏れなく特典がつきます(期間限定ではありませんが、突然終了になる場合があります)。混構造をお考えの方は、是非このセットをご購入ください。

ネットで構造計算の主流が木造から他へ

私が構造計算を始めた頃は、まだ耐震等級などの需要もなく、せいぜい都会の準耐火の木造3階建てくらいしか構造計算の需要はなかった。なので一般的な構造屋さんは木造には興味が無く(今になるとよくわかるが)、木造構造計算をする人を探すのが難しい時代でした。

そんなこともあり、インターネットで構造計算を受発注できるサイトは、構造トレインNZXを始め流行しました。特に木造は雨後の竹の子のようにネット上に登場しました。ちょっと力がある構造屋はRC造などもネットを使って受注に成功し、ネットを使って一気に拡大化した事務所もありました。

その時代に比べ今は、耐震偽装事件後に構造屋さんが増えたことなどもあり、ネット構造事務所は衰退しました。もちろんうまく行っているところもありますが、比較的固定化してきた感じがします。そしてプレカット屋や、ある程度人数を揃えた組織的な構造設計事務所が木造をやるようになったため、いつも構造計算のある木造をやっていない設計者も比較的気軽に注文先を探せるようになりました。

しかし木造でも混構造や特殊な構造のものは、探し求めている意匠設計者等も多いです。また木造の構造設計者の中でも地下室や混構造の場合、上部は自分でやって、地下室や混構造の下部であるRC造やS造は外注、という方も多いです。

よって、今から構造計算に参入する場合は、木造だけでなく、RC造やS造など別の構造ができたほうが良いです。木造との親和性でいえば、地下室、地下車庫の相性がいいので、壁式RC造と組み合わせると比較的仕事が取りやすいかと思います。

そうなると、複数のソフトを組み合わせることが必要です。ある程度一貫でやりたい場合はメーカーを揃えた方が効率的で、HOUSE-ST1とHOUSE-WLの組み合わせなどが好まれてきました。ただHOUSE-WLは二次部材ソフトがないので、KT-SUBなどを購入するかどうかは迷うところです。ただサポートも含め統一できますし、設計も効率的なので一番お勧めです。

安価に済ますには、壁式鉄筋コンクリート造のソフトで最安と思われるビルディング・エディタのプロフェッショナル版をお勧めします。このソフトは、他社の壁式に比べれば機能が少ないですが習得しやすいですし、地下室や木造が上に乗っている混構造なら十分対応できます。またS造やRCラーメンにも対応できるので、初期投資を大幅に抑えて様々な構造に対応できます。

HOUSE-WLとHOUSE-ST1で混構造の構造計算のお手伝い

まあヒマだったので友人のこの連携を手伝うことに。

HOUSE-ST1の仕様がいろいろ駄目駄目なので、WL側である程度合わせる必要があるのですが、慣れてしまえば簡単です。

まずHOUSE-ST1で混構造として入力、計算モデルを作成します。建物概要で1階をRC造にすれば、1階RC,23階木造のような混構造が可能です。

上記は1階RC、2,3階RCです。もちろん地下室+地上2階もできます。

ちなみにこの組み合わせで混構造ならではの注意点は、アンカーボルトの計算が・・・の件。このようなことは仕様を確認すればわかることです。メーカーHPのFAQにも書かれています。

この組み合わせで優れているのは、HOUSE-ST1側では混構造の計算のためのちょっとの工夫は必要かもしれませんが、ほとんどがHOUSE-WL側で操作を完了出来る点です。HOUSE-ST1の作業フォルダを指定するだけで(通常はいりません)、HOUSE-WLのほうから読み込んでくれます。それにしてもサンプルのあるフォルダと保存フォルダが違うのはどうにかして欲しい。今回もそこから質問がありました(汗)。

HOUSE-WLで1階部分を入力し(画面は適当なサンプルです)、コマンドでHOUSE-ST1のデータを読み込むようにしているところ。HOUSE-ST1側で何かエクスポートする必要がないのが便利です。その代わり直前の計算中の・・・という条件はつきます。そのため読み込むファイル名を確認できます。指定はできません・・・。

読み込み対象ファイルというのが出てきます。恐らく作業用フォルダで直前の作業や計算を読み取ってきているのだと思います。

注意事項は、原点が一緒なら問題ないのですが、HOUSE-ST1は庇を入力しているのでそのままでは原点があわないこと。上の例では80づつずれているので、このような指定にします。

このように、柱の位置に軸力が落ちてきます。ちなみに読み直すと自動で新しいデータに更新できるので、最初に適当な計算結果で試し、HOUSE-ST1の計算が固まり次第再び転送する・・・という使い方ができます。意外と便利で手軽です。

もっとも課題もあり、果たしてそのまま読み込むだけで良いのか?(今回も最終的に数字を触らなければならなかったです)とか上記のように梁もなくスラブだけで・・・などとやっても見た目上計算が出来てしまうことなど。またHOUSE-WLはBUSなどと同様2次部材構造計算ソフトを含有していないので、通常はKT-SUBなどがないと計算が面倒なことなどもあります。

混構造の構造計算要望は減ってきていますが、それ以上に混構造の構造屋さんが減ってきているような気がします。意外とファジーな部分もあるので、今まで確認通っていた手法が通らなくなったりもします。きちんと理論立てて計算したいものです。

HOUSE-WL Ver2.0.0.29

HOUSE-WLのアップデートです。若干大きめな変更がありました。使い勝手に影響する部分です。

HOUSE-WLは壁式RC造のソフトとしては使いやすいのですが、他のHOUSEシリーズのような「手軽さ」はありません。あくまで構造計算ソフトの正常進化の中での使いやすさです。そろそろ他のHOUSEシリーズのように画期的な手軽さを実現する方向に行って欲しいな、と思います。

HOUSE-WL Ver2.0.0.22

HOUSE-WLのアップデートで、USBプロテクト版は完全に終了のようです。

まあだいぶ立ちましたら、未だ知らない人はいないと思いますけど。

構造システム系のソフトはソフト起動時にアップデートをお知らせしてくれて親切ですね。他社はホームページを見に行かないと、とかメールでお知らせとか見過ごす可能性が高いですからね。HOUSE-WLは日常常用している人は非常に少ないと思います。

さて、アップデート内容ですが、新発売のDOC-WLのデータ読み込みに対応しました。DOC-WLは壁式RC造の耐震診断ソフトで、HOUSE-WLなどを土台に作った物と思われます。なので元から親和性は高かったのですが、これで直接読み込めますので両方持っていれば活用の幅が広がります。その他軽微なバグフィックス等が行われました。

また別途変更点資料もダウンロードセンターにアップされていますので、こちらも忘れずにダウンロードして閲覧しましょう。

HOUSE-ST1の混構造転送データの謎と他のソフトへの荷重参照

昔は木造住宅の地下室計算は、地下室だけの計算で済みました。上部の荷重は全体的にざっくりだし、1㎡あたりに換算して、慣らして地下室のスラブにかけていましたね。ある程度余裕を持たせて。

今は、地下室の上部が木造2階建てであっても、木造部も構造計算が必要なため、結果として構造計算された荷重が算出されるため、より正確な荷重を地下室設計時に使う事ができます。

ちなみにHOUSE-WLとHOUSE-ST1を組み合わせた場合は、HOUSE-ST1の最下階の柱の荷重が任意点追加荷重でHOUSE-WLに反映されるため、スパンが大きい場合や荷重が多い場合は、より精密に分析できます(積載と短期は注意が必要)。同じ方法をkizukuriから行う場合は、計算結果から手入力で入れればいいので、それはそれで楽です(大規模物件は泣きたくなりますが)。

HOUSE-ST1の内容を他の構造計算ソフトに落としたい場合、HOUSE-WLに送るときみたいに手軽ではないですし、一体あの数値はどこを見れば出てくるんだろう??という疑問がでてきますね。計算書を見たら(以下略)。画面上で見えたり、別途出力ができればいいのですが。

しかし、意外にもHOUSE-ST1は作業フォルダに、CSVデータをはき出しています。そのフォルダさえ知っていれば、計算後に参照にしていると思われるCSVデータが発見できるはずです(エクセルなどで開けます)。他にも便利なCSVがはき出されていますから、うまくつかえば設計を効率的にできます。特にHOUSE-ST1から他社の構造計算ソフトなどに荷重を写そう♪なんてときに威力を発揮しますよ。

もっともほとんどの場合、HOUSE-ST1+WLの連携機能より、荷重ならしのほうが楽ですし問題ないですから(爆)、神経質な方や荷重の不均衡が著しい場合のみ参照にしてください。私は神経質なんで、柱軸力+外周引抜き考慮です。

HOUSE-WLやWALL-1もネット認証に移行

はい。本日から正式に移行できます。しばらくはUSBプロテクトとも併用できるようです。私は早速WALL-1を変更しました。HOUSE-DOCと異なり快適です♪

って・・・なんでHOUSE-ST1やWALL-1を許容して、HOUSE-DOCを目の敵にするかというと・・・

「ネット認証で2つやらなければならない」

点です。

20160204131355(クリックで拡大)

HOUSE-DOCユーザーならおわかりですが、HOUSE-DOCにはN値オプションというのがあります。こちらもわざわざ認証しなければなりません。その程度は自動でならないですかねえ>構造システム。

そもそも起動したソフトで自動的にチェックを入れてくれるとか・・・すれば便利なんですが(汗)。

まあ、この仕様には良い点もあって、私のように5~6個構造システムのソフトを同時に使用することのある人(いないか)は、1回目でここで全部取得しておけば・・・楽です。まあそんな人いないでしょうけど(爆)。

何はともあれ、社内で利用者が多すぎるWALL-1のHASPの抜き差しがなくなりますので良かったです。

HOUSE-ST1とHOUSE-WLで混構造

最近、記事を書いたので、感想など。

木造構造計算ソフトのHOUSE-ST1と壁式鉄筋コンクリート造計算ソフトのHOUSE-WLは、連携できることで有名です。しかしながら意外と使っている人は少ないです。理由は両方持っている方が少ないからでしょうか?なまあずでは、混構造はkizukuri+壁麻呂だったのでね。WALL-1を導入したので現在使用感などチェック中です。

手順としては、HOUSE-ST1で上階の入力を行い計算(保存してそのままにする)。

HOUSE-WLで下部の入力を行い計算。

HOUSE-ST読み込み

HOUSE-WLで「HOUSE-ST1荷重データ読み込み」を実行

ダイアログ

作業パスフォルダがあっていれば、自動的に対象ファイルが指定されます。あとはパラメーターを設定(通常は自動)します。

追加荷重が加えられる(クリックで拡大)

HOUSE-ST1の荷重が任意点追加重量で追加されたことがわかります。各柱の軸力が鉛直荷重として加算されています。

応力図(追加前)

HOUSE-ST1の追加荷重が入る前の応力図

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HOUSE-ST1の荷重が入った後の応力図。木造平屋を載せているだけなので、大きくは変わりませんが、応力が変化していることがわかります。

HOUSE-ST1とHOUSE-WLの連携は、HOUSE-WLでHOUSE-ST1のデータを自由に選べない代わりに、HOUSE-ST1で一切の変換作業が要らないという手軽な部分が魅力的です。単純な連携なのですが、もし木造部分の荷重が変わっても、すぐに荷重を変更することができるので、ギリギリまで木造部分をいじっていても、迅速に壁式RC部分の計算書を出力出来ます。問題は、HOUSE-ST1とHOUSE-WL両方買うと定価ベースで50万を超え、なまあずショップ楽天市場店のHOUSE-混構造パック なまあずエディション2016でも、436320円(税込・送料込)と高価なことでしょうか?ただし、STRDESIGNの場合、本体が336528円、混構造オプションが378000円とキャンペーンでも70万円行ってしまうわけですから、単体利用できることも含めれば、いいのかな??とも思ってしまいます。それにしても構造系のソフトは高い・・・。

 

 

 

 

WALL-1

はい。WALL-1を導入しました。これで完全に壁麻呂とお別れです。壁麻呂も良いプログラムでした。HOUSE-WLやWALL-1よりも優れたところも多かったですが切り替えました。

壁式鉄筋コンクリート造の構造計算ソフトはどこも正直中途半端なものばかりです。通常では応力図すら出力しなかったり、断面リストもねえ・・・。CADとの連携機能がなかったり、部材の計算が根本的な部分もなかったりと。買った状態でだいたい計算できる木造構造計算ソフトとはかなり違います。なので買ってから面食らうことも多いと思います。

なまあずソリューションでは、HOUSE-WLやWALL-1対象の手引きの作成を開始したようです。私が開発した壁式RC造の補助プログラムも公開予定です。本来はメーカーが積極的にやっていって欲しいところではあるのですが、やるどころか、何が抜けているかもホームページやカタログにもあまり明記してありません。まあ技術者なら当たり前ということなのでしょうが、もう少し親切でもいいような気がします。

WALL-1やHOUSE-WLを買う場合は、二次部材ソフトKT-SUBを買うことをお勧めします。このソフトでスラブや小梁のデータを転送して自動的に計算してくれます。別にチャートシリーズなど持っていれば、手入力でやればいいのですが、ない場合はやはり持っていた方がいいと思います。ちなみに地下外壁のプログラムも入っているので、HOUSE-WLやWALL-1で地下室を設計したい場合は便利です。壁麻呂を利用するとき、チャートシリーズで計算するのと同じ要領です。そんなところは真似しなくてもいいのにねえ・・・。