耐風等級2の計算が増えている

何であれスペック重視のビルダーさん。敏感すぎます。耐震等級3を必須にしていながら、弱い建物を作っちゃっている残念な会社もあるようですが耐風等級2もうまく運用されるように願います。

しょっぱなから、耐風等級3でお願いしますという卒倒しそうな依頼も。耐震等級は1、2,3あるんですけど、耐風等級は1と2しかありません。また台風等級という間違った依頼もあります。計算は我々がやるんでいいんですけど、最低限内容くらいは理解してからお客に説明し依頼して欲しいです。

まず基本事項として、建築基準法に規定される性能の1.2倍以上の性能を耐風等級2としております。耐震等級2は1.25倍なので、ここも違いますね。よってそれほど差がないので、極めてまれに発生する暴風に対しては損傷する可能性を残している等級でもあります。

まれに、耐震等級2をクリアできるのに、耐風等級1(基準法同等)をクリア出来ないケースがあります。これは狭小住宅等で見つけ面積が短辺に比較して長辺が異常に長い木造3階建てなどであります。そのような建物では、基準法を満たすことも難しいのですが風に対する揺れも大きいと考えられるので、耐風等級2の取得を目指すというのは有益なことだと思います。

耐風等級や耐震等級に興味を持つことは良いことですが、取得方法に準耐力壁や垂れ壁などをうまく使って計算し、あまり強くないのに耐震等級を取得、なんてこともできるケースがあります。これはこれで良いと考える人も多いのかもしれませんが、耐震に関してはもう少し強さが必要と思われるので、あまり計算重視でいかないほうがいいのかもしれません。

停電時の構造計算ソフトのデータ復帰方法 kizukuriの例

はい。先ほど停電していました。使っていたソフトはDocuWorksとkizukuriとコミpo!。kizukuriは見事にデータ消えました。

ただし、データを復帰できる可能性があります。通常JDTという保存ファイルですが、計算コマンドを実行するとJDOというファイルを吐き出します。これは計算結果のファイルですが、これを読み込むと最後に計算したときのデータを復活できます。

この方法を使えば、かなりの部分を復活できるチャンスがありますね。ぜひご活用ください。

ネットで構造計算の主流が木造から他へ

私が構造計算を始めた頃は、まだ耐震等級などの需要もなく、せいぜい都会の準耐火の木造3階建てくらいしか構造計算の需要はなかった。なので一般的な構造屋さんは木造には興味が無く(今になるとよくわかるが)、木造構造計算をする人を探すのが難しい時代でした。

そんなこともあり、インターネットで構造計算を受発注できるサイトは、構造トレインNZXを始め流行しました。特に木造は雨後の竹の子のようにネット上に登場しました。ちょっと力がある構造屋はRC造などもネットを使って受注に成功し、ネットを使って一気に拡大化した事務所もありました。

その時代に比べ今は、耐震偽装事件後に構造屋さんが増えたことなどもあり、ネット構造事務所は衰退しました。もちろんうまく行っているところもありますが、比較的固定化してきた感じがします。そしてプレカット屋や、ある程度人数を揃えた組織的な構造設計事務所が木造をやるようになったため、いつも構造計算のある木造をやっていない設計者も比較的気軽に注文先を探せるようになりました。

しかし木造でも混構造や特殊な構造のものは、探し求めている意匠設計者等も多いです。また木造の構造設計者の中でも地下室や混構造の場合、上部は自分でやって、地下室や混構造の下部であるRC造やS造は外注、という方も多いです。

よって、今から構造計算に参入する場合は、木造だけでなく、RC造やS造など別の構造ができたほうが良いです。木造との親和性でいえば、地下室、地下車庫の相性がいいので、壁式RC造と組み合わせると比較的仕事が取りやすいかと思います。

そうなると、複数のソフトを組み合わせることが必要です。ある程度一貫でやりたい場合はメーカーを揃えた方が効率的で、HOUSE-ST1とHOUSE-WLの組み合わせなどが好まれてきました。ただHOUSE-WLは二次部材ソフトがないので、KT-SUBなどを購入するかどうかは迷うところです。ただサポートも含め統一できますし、設計も効率的なので一番お勧めです。

安価に済ますには、壁式鉄筋コンクリート造のソフトで最安と思われるビルディング・エディタのプロフェッショナル版をお勧めします。このソフトは、他社の壁式に比べれば機能が少ないですが習得しやすいですし、地下室や木造が上に乗っている混構造なら十分対応できます。またS造やRCラーメンにも対応できるので、初期投資を大幅に抑えて様々な構造に対応できます。

HOUSE-ST1 Ver7.5.1.5公開

木造構造計算ソフトHOUSE-ST1 Ver7.5.1.5が公開されました。

軽微なバグフィックスがメインで新機能の搭載などはありません。

早いものでHOUSE-ST1のVer7がでてから、約2年半。すぐにグレー本改訂で7.5になりましたが、グレー本対応以外は大きく変わっていません(まあ同一バージョン内で計算方法が違うというのは違和感を感じますが・・・)。

終わったことは仕方がないのですが、中大規模木造に対応するよりは、HOUSEシリーズらしく、本体の価値向上を目指して欲しかったな、と思います。WOOD-STも出てしまったので、各ソフトの立ち位置が本当にわからなくなっています。特にWOOD-STは狭小木造住宅の設計にも向いているわけで・・・。

もっとも私個人は、HOUSE-ST1の利用率が上がり、KIZUKURIの利用率が下がっているのも事実。惜しい部分が多いのですが使い勝手が良いソフトであるのは変わりがありません。木造構造計算ソフトは、木造耐震診断ソフトと異なり決定打があるソフト(=完成度の高いソフト)は今のところありませんので、どのソフト会社も主流になるチャンスは十分にあります。また木造耐震診断ソフトは、今後旧耐震の建物は急激に減りますのでシェアをわざわざ取りに行くのは疑問が残りますが、木造住宅は減る可能性はありますが、非住宅木造は増えていますので、将来性もあります。なのに、木造構造計算ソフトはどこもそれほど主力となろうという作り方になっていません。構造ソフトが今さら・・・と言われながらも参入してきたのはそんな感じがあったからでしょう。我々ユーザーは良いものを利用します。特に木造構造計算ソフトはRC一貫などよりも価格が安く、ある程度の設計者は複数のソフトを買うことに躊躇はありません。よってシェアが一気に・・・という可能性はまだまだあるのです。そして数もある程度出ることは間違いありません。ということでがんばって欲しいところです。

CLT2016特別価格最終キャンペーン

CLTパネル工法の構造計算ソフトCLT2016(株式会社東京デンコー)が、キャンペーンでお安くなっています。2段階で8月末までが28万円+税、9月末までが32万円+税なので絶対8月中に購入した方がお得です!!

ルート1で3層、100×100スパンに対応しているので、共同住宅やグループホームなど上下階が揃っている建物に向くかと思います。消費増税前に何か買おうかな?という方にお勧めです。

WOOD-ST Ver1.5.0.3

木造構造計算ソフトのWOOD-STがアップデートされ、Ver1.5.0.3になりました。

なかなか何ができるか?実際に実務で使えるか?わかりにくいソフトですが、変なルールでがんじがらめになっているグレー本の計算方法よりスマートであるのは確かで、習得すればより自由な木造建物の設計が可能になります。

さて、今回のアップデートでは、主に出力のバグフィックスです。

最近新しい機能の実装がなく、Ver1.5で一応完成と思われているようですが、ユーザーはこのソフトに期待しているようです。なんとなくですが、狭小住宅に向くようですので、そちらに特化して機能を充実してほしいところです。

過去の建築構造の名作ソフトたち(第1回 ユニオンシステム)

どこの会社でも発売したらベストセラー!にしたいでしょうけど、そんなのは無理。なまあず日記styleでは記憶に残っている過去に発売されたソフトで現ラインナップにない忘れ去られようとしているソフトに焦点を当てて紹介していきたいと思います。

第1回はユニオンシステム。構造計算ソフト会社として堅実なラインナップで知られている同社ですが、やはり残念なことに既に消え去ったラインナップがあります。同社はできるだけサポートしようと、メンテナンス期間が過ぎたソフト達も当時のままアップデートを公開していたりします。詳しくはこちら。

ここには懐かしい名前が並んでいます。SS2やSS2.5といった現在のSS7に続く系譜の他にも懐かしい名前が出てきます。

まずVARIE。なんでなくなっちゃったんでしょうか?正常進化すれば売れると思ったのですが。最終と思われる更新は2006年。JWWへの変換に対応した、とのこと。ユーザーだったけど、まだ私が構造転向していない時期で覚えていませんがなくなると聞いて残念に思ったものです。

サポート中ですがラインナップから消えている、イシローという回転寿司屋さんのようなソフトも心に刺さりましたね。木造2階建ての壁量計算ソフト、N値、偏心率計算ソフトでした。木造をユニオンで!!と衝撃が走りました。意外と本気だったらしく年間使用料12600円、利用者証明書の出力、木造電算認定ライセンスなど当時としては非常に意欲的なソフトウェアでした。ちなみに電算認定のプレスリリースは2007年。そのあと目立った動きは無かったですね。

そして存在自体もホームページから消えた「診ノ助・振動アニメーター」という名作もありました。私もユーザーで、東京デンコーの名作「安心精密診断」が発売されるまで、使っていました。旧耐震診断のソフトでしたが、地震動が選べ表現は貧弱でしたが今で言うwallstatのようなソフトになるかもしれない、と感じていました。使い勝手も良好で、帳票印刷も使いやすく、できれば継続して欲しかったソフトです。もし残っていたら構造システムのHOUSE-DOCのよきライバルになっていたかもしれませんね。

 

HOUSE-WLとHOUSE-ST1で混構造の構造計算のお手伝い

まあヒマだったので友人のこの連携を手伝うことに。

HOUSE-ST1の仕様がいろいろ駄目駄目なので、WL側である程度合わせる必要があるのですが、慣れてしまえば簡単です。

まずHOUSE-ST1で混構造として入力、計算モデルを作成します。建物概要で1階をRC造にすれば、1階RC,23階木造のような混構造が可能です。

上記は1階RC、2,3階RCです。もちろん地下室+地上2階もできます。

ちなみにこの組み合わせで混構造ならではの注意点は、アンカーボルトの計算が・・・の件。このようなことは仕様を確認すればわかることです。メーカーHPのFAQにも書かれています。

この組み合わせで優れているのは、HOUSE-ST1側では混構造の計算のためのちょっとの工夫は必要かもしれませんが、ほとんどがHOUSE-WL側で操作を完了出来る点です。HOUSE-ST1の作業フォルダを指定するだけで(通常はいりません)、HOUSE-WLのほうから読み込んでくれます。それにしてもサンプルのあるフォルダと保存フォルダが違うのはどうにかして欲しい。今回もそこから質問がありました(汗)。

HOUSE-WLで1階部分を入力し(画面は適当なサンプルです)、コマンドでHOUSE-ST1のデータを読み込むようにしているところ。HOUSE-ST1側で何かエクスポートする必要がないのが便利です。その代わり直前の計算中の・・・という条件はつきます。そのため読み込むファイル名を確認できます。指定はできません・・・。

読み込み対象ファイルというのが出てきます。恐らく作業用フォルダで直前の作業や計算を読み取ってきているのだと思います。

注意事項は、原点が一緒なら問題ないのですが、HOUSE-ST1は庇を入力しているのでそのままでは原点があわないこと。上の例では80づつずれているので、このような指定にします。

このように、柱の位置に軸力が落ちてきます。ちなみに読み直すと自動で新しいデータに更新できるので、最初に適当な計算結果で試し、HOUSE-ST1の計算が固まり次第再び転送する・・・という使い方ができます。意外と便利で手軽です。

もっとも課題もあり、果たしてそのまま読み込むだけで良いのか?(今回も最終的に数字を触らなければならなかったです)とか上記のように梁もなくスラブだけで・・・などとやっても見た目上計算が出来てしまうことなど。またHOUSE-WLはBUSなどと同様2次部材構造計算ソフトを含有していないので、通常はKT-SUBなどがないと計算が面倒なことなどもあります。

混構造の構造計算要望は減ってきていますが、それ以上に混構造の構造屋さんが減ってきているような気がします。意外とファジーな部分もあるので、今まで確認通っていた手法が通らなくなったりもします。きちんと理論立てて計算したいものです。

1000㎡の木造児童福祉施設の耐震診断に挑む

久々に1000㎡クラスの児童福祉施設の耐震診断を行っている。木造だが都内でまだ、そんな規模の古い施設が残っているのは驚きです。

さて、図面と下見を行ったときに、どのような診断を行うか?議論になったのだが、木造2階建てで、90㎡の広間もあるということで、さすがに住宅の診断ソフトに入力しただけ・・・ではまずいということで、以下の診断方針とした

・基本的な方針は精密診断法1に準拠
これはずばり使える部材、計算できるデータが揃っているから。精密2は魅力だが、使える部材に制約が多いので。軒高などは住宅レベルなので、精密診断法1が適用できると判断した。使用ソフトは、巨大な面積を効率的に入力・チェックできることからHOUSE-DOCとした。もうすぐ建防協の評価の更新だが提出までに間に合うとのこと。それにしてもHOUSE-DOCも機能不足は否めないし進化する可能性も低いので、このような診断で利用するのは今回でラストかな?ちなみに、耐震チェックは巨大な建物に向かない、達人診断は魅力的だが、画面の拡大縮小などよく使うコマンドの操作性が低いことから巨大な建物ではストレスが溜まるということで今回は除外した。

・荷重は構造計算ソフトで計算
安心精密診断のように荷重をコントロールできるソフトはあるので、それを使えばいいのだが、今回は梁のスパンが7mクラスも出てきて、柱の負担も大きいので軸力を計算できるだけでなく、簡単な断面算定も行いたいので、別途構造計算ソフトで計算することとした。使用ソフトは、kizukuriとした。HOUSE-ST1を利用したかったのだが、HOUSE-DOCとデータの互換性がないこと、耐震診断でよく使う部分計算などがしにくいこと、HOUSE-DOCにもっていくデータを作りにくい(計算書をそのまま流用できない)ことから、今までの実績も考慮しての判断です。WD3warpなどでも荷重作成は容易だから、もっている人はチャレンジしてみるといいかもしれません。


予想通りの梁の検定結果。120×450でこんな数字がでる計画をしていれば、何かしらの問題が発生しても仕方が無い。そのしわ寄せがどうでるか?診断者は慎重に調査しなければなりません。

・部分計算は、負担が大きいところを中心に計算
通常は部材計算を行わないのだが、今回は沈下しているポイントがあり、そこは明らかに荷重が集中している箇所だったので、kizukuriで長期軸力を出したあと、負担が大きそうな部分を検定計算することとする。

すごい軸力!!こんなに木造の一部の柱に軸力がかかる計画はどうかと・・・(軸力。単位はkN)

・基礎などはコア抜き、超音波
一応住宅でないし、構造図がないので、これらは実施するものとする。

こんな感じでした。いつもと同じ方法を常に踏襲しないで、特殊な物件は使う道具・ソフトも含めて計画する必要があります。今回も空調服を始め、LED投光器など新装備を多く投入しました。暑かったですからね。現地調査は暑さ対策を十分にして、休憩なども多めに取りました。それでも調査日の翌日はだるかったですが・・・。調査は二日間。一日目にとんでもない発見をしてしまったので、二日目の調査を延期し準備中です。それにしても小動物怖い・・・。

MOKUZO.Designerのペントハウス(塔屋)対応

構造ソフトの構造計算ソフトMOKUZO.Designer。期待はしているのですが、なかなか昔のように情報が出てきません。当たり前ですが、メーカーが出す情報は限界がありますし、信用できなかったりします(特にこのブログでは絶対出てこない某社!)。やはりユーザーがブログなどで情報を発信してほしいものです。昔はよかった・・・とは思いませんが、最近の情報発信の少なさは寂しいものです。

さて、同社ホームページ(今月のイチオシ5月号のPDF内)より、MOKUZO.Designerでは、塔屋の指定ができるようになりました。一向に対応しないHOUSE-ST1とは大違いです!!まあ設計思想が違いますからね~。WEBの情報だと、2階建ての塔屋追加を書いてあり、3階建ての塔屋追加はどうなのか?は書かれていませんが。KIZUKURIなどと同じで、階のように入力部分を拡張できるので直感的でわかりやすいですね。用途を配置できるので、延べ面積に反映できます。計算ルート判定に関しても考慮できるし、塔屋階の震度Kは1.0で計算してくれます。

個人的には入力したままで伏図が出力でき、確認申請に使えるレベルになってくれれば、どのソフトも買い!と思うのですが、木造も含めてまだまだです。BIM的にするのか?あくまで伏図レベルを目指すのか?そろそろ各メーカーも考えたほうが良いと思います。