過去の建築構造の名作ソフトたち(第2回 東京デンコー)

第1回でユニオンシステムを紹介しましたが、今回は株式会社東京デンコー。私にとってユニオンシステム・木造舎の次に付き合いが長いソフト会社です。

東京デンコーといえば、コンピュータが普及し建築にも活用されつつある時代に、先陣を切って構造計算ソフトを開発普及しました。年配の構造技術者にはお世話になった方が多かったのではないでしょうか?

東京デンコーと言えば、壁麻呂です。その個性的な名前もさることながら、一貫計算で壁式鉄筋コンクリートの構造計算ができるのは魅力的でした。最近はあまり見かけませんが、一時期、壁式鉄筋コンクリート造の構造計算書は、壁麻呂ばかり、という時代がありました。PLUS-CADというCADデータに変換するソフトも便利でした。

また構造計算結果をCAD化するソフトに力を入れており、リストや構造図を計算結果からCAD出力できるので非常に楽でしたね。

その後は、木造にも力を入れました。安心精密診断シリーズのようなマニア受けする名作、2×4壁式といった初のツーバイフォー本格構造計算ソフト、保有にも対応した木三郎シリーズ、CLTの構造計算ソフトなど、個性的なプログラムが多かったですね。

個人的には、安心精密診断(初代)が衝撃的でした。それまでは木造の耐震診断プログラムは簡易すぎと感じていましたが、帳票を含め本格的で、操作性も素晴らしかったです。まだこの業界に入ったばかりだった私が初めて導入を本格的に決めたソフトでした。

最近は、目立ったソフトのリリースがないのが残念ですが、今後も期待しております!!

壁麻呂4

SS7、BUS-6とメジャーな構造計算ソフトのバージョンアップが続きますが、今度は壁式RC造の雄「壁麻呂」のバージョンアップです。

2015年12月壁式鉄筋コンクリート造設計・計算規準・同解説(日本建築学会)の改訂に対応したバージョンとなります。

また同社の木造構造計算ソフト「木三郎4」やツーバイフォー計算ソフト「2x4壁式」とのデータ連動ができるのが強みです。前ソフトへ荷重データを転送できるので比較的手軽に混構造の構造計算が可能となります。

ほか、壁麻呂で時代遅れだな~という部分や、ここに対応してほしい!という部分にもきちんと切り込んでいます。学会規準で計算する人がどれだけいるか?は知りませんが(ごめんなさい、私はセンター指針で設計しています)、学会規準で設計される方にはおすすめですね。地下室付き木造住宅を設計する際も便利ですよ~。

意外とバージョンアップ価格やメンテナンス料金は安価なので(特に5月31日まで)、既存バージョンを持っている人、旧バージョンを持っている人は是非デンコーに問い合わせてみてくださいね。木造・ツーバイフォーとの混構造は慣れてしまえばそんなに難しくはないので、kizukuriやストラデザインを持っている方でも壁麻呂を買って混構造に挑戦は悪い選択肢ではありません(今までkizukuri+旧壁麻呂、kizukuri2x4+旧壁麻呂で混構造や地下室付き住宅の設計を行ってきました)。

ちなみに私が壁麻呂を使わなくなったのは機能面や性能面で問題があるからではありません。もちろん構○システムに気を遣ったわけでもありません。よく聞かれるのですがそういう話ではないので誤解なきよう・・・。