構造用集成材が手に入らない???

木造業界では過度に反応されているネタですが、いよいよ状況が悪化確定のようです。

2021年の日本集成材工業協同組合の「構造用集成材の供給見通し等について(3/29)」では、状況を端的に説明しています。国内集成材は、原材料の7割を海外から輸入しているそうです。そのうちの8割がヨーロッパです。昨年以降の新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で思わぬ需要増のようです。

その原因は、米国での住宅着工数が十数年ぶりの高水準であることに加え、コロナ渦の巣ごもりに起因するDIY需要等の増大で木材価格が高騰しているため、フィンランドやスウェーデン等の欧州産木材の多くが米国へ向かっているそうです。またコンテナ輸送も中国ー米国航路に集中しているため、ヨーロッパから日本向けのコンテナの確保が難しく、運賃も大幅に上昇するといった悪循環が続いているようです。そのため産地側の提示価格が高騰しているそうです。

結論的にこの協同組合では、5月以降において2割以上の減産を為ざる得ないという見方を表しています。

各方面から話は入ってきますが、噂話レベルの怪しさは満点なのですが、上記の見方を見れば、国内から集成材がなくなる、ということではなく、需要を満たさないので取り合いになり、金額は上がるぞ(既に十分上がっていると感じるのですが(大汗))、ということで落ち着きそうです。

ただ、大手から見ればゆゆしきことで、買い占めが始まっていると聞きます。そのせいで今市場にない状態に見えるようです。リフォーム用途の材料や、国産材も値上がり傾向です。

国内産材を使えばいいじゃないか?といいますが、既に国産材も買い占めが始まっているようです。ただ国産材の主力のスギは、比較的安く良い構造材ですが、構造計算をする側から見ると数値性能的に低いので木造3階建てや耐震等級3とかになると使いにくいです。また曲げ強度が不足しがちなので、柱には使えても、梁では難しかったりします。ヒノキやヒバも良い材料で、土台や柱には向きますが、集成材として梁材として使うには若干不安が残ります(高いし)。とはいえ、うまく使う方法が確立されれば、国産材をもっと使えるようになり、国内の林業が活性化する可能性もあります(なかなか難しいらしいですが)。

木造構造計算を生業としている構造屋さんは苦戦を強いられそうです。もっと大変なのは中小ビルダーさんでしょう。ちなみに地元で一人でやっているような工務店さんの中にはまだこの状況がまったく理解できていない人もいますね。新型コロナの影響は本当にわかりにくいですね・・・。