木造3階建てアパートで、鉄骨階段が崩れ住人が意識不明の重体 続報を見て

まずは意識不明の住人の方の回復を心からお祈り申し上げます。

昨日もブログに書いた、鉄骨階段の落下ですが、続報が入ってきたので記載いたします。

ソースは日テレNEWSです。フジも同等の内容でしたが、CGがこちらのほうが良いので紹介します。下記の写真も上記動画の抜粋ですので、まずは上記ニュースを見てください。

昨日は階段の詳細が分かりませんでしたが、以下の写真が公開されています。

このように、踊り場と各階を短い階段で接続していることがわかりました。階段側桁が木製・・・と読み取れる報道もありましたが、これを見る限り側桁と一体の鉄骨階段のようです。それは昨日のブログでも紹介した内容とも一致します。この階段自体は普通の作りで、錆びのようなものが多いな?と思う以外は至って普通です。しかしながら、取りつけ部は非常に小さく、この上下のどちらかの取りつけ部分が木製で、ボルトかなにかで接合し、その部分が腐食して階段毎落ちたというのが実状ではないでしょうか??これくらい短い階段だと階段部分の構造計算はしませんし、したとしても強度は十分でしょう。その取りつけ部分がどうか?きちんと劣化対策をしていたのか?がポイントになると思います。

このCGの赤い三段が一気に落ちてしまったということでしょう。階段が落ちるなんて考えませんから、本人は備えようがなかったと思います。

この写真と落ちた階段を見ると、上部の取りつけは非常に小さく、構造設計者から見ても不安のある取り付けです。もちろん強度的には問題なさそうですが、繰り返し使ったりして、隙間ができたり、取り付けのボルトが緩んだりして雨水が浸入したら・・・と考えるとあまり設計したくない階段のように思えます。恐らく腐食したのはこの部分かと思います。

私は、木造3階建て共同住宅のい構造設計をかなりやってきていますが、このタイプの鉄骨階段は初めてみます。基本的に意匠設計者が書いてきた仕様に沿って設計します。ただ危険だったり計算できないものは、指摘して直します。多いのは、1~3階まで鉄骨で通す階段で柱も鉄骨で立てます、これなら今回のような事故はまず起きません。回り階段の場合は雨水対策も考えるとそれが妥当です。

個人的に鉄骨と木造の接続部分を長期間安全に防水するのが難しいと感じているので、木造共同住宅の場合、屋内型階段で木造にするのが好きです。これなら雨仕舞いも考えなくて良いですし、低コストです。また、屋外に廊下など露出している場合でも、階段室はできるだけ雨水が入らないような構造にしています。それができないときは鉄骨階段、という選択になりますが、構造側はあくまで部材強度とメンテナンスが行われた場合の長期間の使用に耐えうる強度しか検証できないうえ、やはり基本設計を行った意匠建築士や施主に、改善提案はできても、明らかにひどいものでなければ強制的に改善させることは難しいかもしれません。

もっとも階段まわりの開放性は、容積率算入に大きく関わってきて、都会型の共同住宅では、今回の物件のような階段になるのは見た目デザインだけでなく、できるだけ効率的に設計するという観点でも必要になってしまうのが、頭の痛いところです。この物件もせっかく屋根を付けて雨水から登る人や、階段を守ろうとしても雨が普通に入ってしまう形になっていますから。

木造アパートの鉄骨階段の点検は過去何度もやっていますが、住民、大家さんが気になるレベルの場合は、危険性が極めて高い場合に限られます。そのため行った点検すべて階段のかけ直し、もしくは撤去となりました。いうまでもなく建物はメンテナンスが必要で、鉄骨階段も塗装が剥がれたら速やかに塗装が必要ですし、特に階段の取り付け部は欠点になりやすいので点検・補修は必要になります。老朽化してからだと直すのが非常に大変となります。なので早期に点検・補修をすることをお勧めします。