WOOD-STへの質疑

いろいろ質問されるので、ここでまとめて回答します。あくまでしろなまずが数日間利用してみての感想で、私見です。

Q1 単体で使えるか(HOUSE-ST1がなくても使えるか?)

はい。単体で起動します。入力もHOUSE-ST1にそっくりなので誤解を招くほどです。ただし基礎計算や二次部材の計算などがないので、実務で構造計算書を作るためには他のツールの手助けが必要です。特に合板などのせん断耐力・せん断剛性の算出などは自分で計算して入れる人が多いと思いますので、エクセルなどで予めツール化しておきたいところです。

Q2 基準法の壁倍率は本当に使えないのか?

はい。本当に使えません。46条2項ルート専用ソフトです。HOUSE-ST1にマスクして使えないようにしているわけではないです。ただ、自分で変換して使うのは自由ですが変換ツールはありません。ただしHOUSE-ST1で入力したものを転送すると、壁倍率から自動変換してくれます。あくまで壁倍率だけなので注意が必要です。筋かいの向きなどは考慮されないだけでなく面材で変換されます。当然壁の長さが変わってくればせん断耐力は変わってくるので注意が必要です。

Q3 HOUSE-ST1とかで2項ルートで計算するのとどこが違うのか?

HOUSE-ST1やKIZUKURIでも2項ルートの計算はできます。その場合グレー本準拠の計算方法により、各耐力要素を壁倍率に変換して代入します。WOOD-STでは、壁倍率という概念がないので、そのまま耐力要素を入力できます。壁倍率が定められていない方杖、K形ブレース、鉄骨ブレースなどを耐力として算入出来るメリットがあります。特にブレース類の計算は非常にモデル化が簡素化されており使い勝手が良くなっています。またWOOD-STはグレー本準拠の構造計算ではなく、どちらかというと鉄骨造に近い計算方式で木規準に準拠しています。そのため初めて計算書を見ると面食らうと思います。

Q4 グレー本準拠の構造計算ソフトは不要か?

短時間ですが使って見た感想です。普通の木造住宅を設計する場合、グレー本準拠のソフトのほうが早いですし、確認申請も通しやすいと思います。よって、建物によって使い分けるのがいいと思います。最初の木造構造計算がWOOD-STというのは、鉄骨造から木造に移行してくる構造技術者を除き避けた方が無難だと思います。

Q5 テックワンP3プラスは使えないのか?

現状、使えないようです。k-DBに搭載されているので使えそうなものですが。現状トラス屋根にも対応していないので、使い道も特にない状態です。今後の拡張で使えるようになるといいですね。

Q6 登録されている部材は?

k-DBに搭載されている樹種・金物データは利用できます。ただ一般的な木造構造計算で登録されているような、屋根や床の固定荷重データなどは入っていません。一番最初に登録する必要があります。HOUSE-ST1から転送すると、固定荷重などが転送されるのでこれを利用してとうろくしていくと効率的かもしれません。

Q7 個人住宅は設計できますか?

元となるユーザーインターフェイスがHOUSE-ST1です。また搭載金物もテックワンなど住宅系のものもあるので、住宅レベルの105角などを利用した設計は可能です。というより個人的にそっちのほうが向くのでは?と思います。

Q8 マニュアルは充実していますか?

インストール以外のマニュアルは、ヘルプとPDFマニュアルです。PDFマニュアルは概要と出力例で、構造システムの他のソフトのマニュアルと大差はありませんが、かなり枚数は少なめで簡素なイメージがあります。

Q9 入力するだけで計算書を簡単に出力できますか?

これは比較的簡易といわれてるHOUSE-ST1などと同様ですが、そんな簡単ではありません。少なくともHOUSE-ST1よりは上位グレードのソフトです。操作性の良さは同等ですが、できることが違います。2次部材の計算や基礎の計算も今のところ搭載していませんし、面材の耐力などの自動計算もありません。RC造と異なり構造計算の解説書も少ないので学ぶのも苦労することと思います。メーカーには講習会の実施、マニュアル、サンプルの充実してほしいところです。

Q10 ずばりお勧めですか?

使い道によると思います。大規模な建物や複雑な形状にチャレンジしようというソフトではないと思います。比較的小さめでシンプルな建物で、グレー本では適用できない耐力要素を使いたい場合に向くと思います。木造倉庫、スキップフロアのある住宅、店舗併用住宅など思い浮かびます。まだ分野的に何が得意か?のようなものが確立されていないので自分なりに考えて行きたい方にお勧めします。