垂れ壁と方杖の怖さ

先日、東大の藤田香織先生のセミナーを受講してきました。

伝統的木造建築の構造特性、耐震性を専門にしている准教授です。

非常に丁寧かつわかりやすい説明ながら、随所に耐震診断・設計上で気をつけなければならないことをちりばめていて非常にためになるお話でした。

さて、特に時間を割いて話されていたことは、垂れ壁と柱の関係。

垂れ壁は新築木造の場合は品確法で耐力加算(隣接した壁による)できますし、耐震診断でもある程度のせいがあれば加算できます。なので何気なく

「垂れ壁って耐力があるんだな~」と感じている設計者も多いと思います。

それは間違いではないのですが、強度があるからこそ柱が折れて倒壊する可能性を増やしやしないか?と昔から思っていました。

柱の強さと垂れ壁の強さで、柱が弱ければ柱が先に壊れてしまう(当たり前といえば当たり前)とのことです。

まあ伝統的構法の耐震診断をやっていればなんとなくはわかることなのですが、意外と忘れ去られています。

木造3階建ての構造計算書や設計図で、ビルトインガレージの上の垂れ壁を加算しているものを昔よく見かけました。計算式が書いてあって。

両サイドに壁もないので、そんな強度をだしたら柱が先にやられるんだろうな~と危険に感じていました。

また柱一本に耐力を見込む方杖をつけている例も、うまく施工しないと柱が折れるだろうし、計算上も柱を抱かして折れにくくするなどの工夫がないと危険だろうな~と思っていました。

もちろん建物全体の耐力にもよるので一概にはいえないのもわかっていますが、弱い建物で垂れ壁で耐力をとったり、構造計算で足りなくて仕方なく垂れ壁で耐力をとるのは、避けた方がいいのでは??と改めて感じます。