構造屋さんと意匠屋さん、どちらに診断依頼したらいいのか?

はい。木造の話しではありません。RC造やS造の件です。

意外かもしれませんが、私はある程度の経験があり建物理解がある方と限定しますが、意匠屋さんに依頼したほうがいいと思っています。

私もこの業界長くなってきましたが、構造屋さんの限界も感じるようになりました。また1つの事務所で何でもできる!というやり方も疑問を覚えるようになりました。

木造よりも専門性が高いRC造やS造の耐震診断の場合、できれば技術者には専門業務に専念して欲しいというのが私の本音です。もちろん現場経験は重要であり必要な場合があります。しかしいちいち現場で・・・というのはイマイチ効率が悪いです。特に1人事務所が多い構造屋さんの場合、それだけで一日終わってしまうことがあります。もちろん複数人数がいても、コラボレーションというより共同作業を行うほど大きな物件は希です。1人でやっている場合が多いです。

書類作成や提出、お客様や業者との打合せは意外と構造屋さんは苦手です。よって意匠屋さんの出番です。双方の得意な分野を活かしてやれば非常に効率がいいのです。

なら、なまあず本舗のように両方いる事務所ならいいじゃん!と思うかもしれません(それなら宣伝ブログになります)。しかしそううまくはいきません。なぜなら耐震診断しているとき、意匠担当がヒマかどうか?はわからないのです。巨大な事務所であろうと小さな事務所だろうと、社内事情はそれぞれ。耐震診断のような作業が得意な担当がいるかどうか?も問題になります。お客様対応も同様です。

お客様から見たら、意匠屋さんと構造屋さんが組んだ場合より、意匠・構造両方ともある事務所に頼んだ方が安く見えると思いますが、実際の作業量としてみたら、担当者の習熟度で決まりますし、双方とも費用を精査しているのであれば、特別に有利不利はありません。実際、なまあずのように意匠屋さんと組むケースと自社で全て行うケースがある事務所でも、総額は世間が思っているほど変わりません(きっぱり)。意匠屋さんが中抜きしているから高いのでは?と思いますが、実際に協業している場合は、意外と計算以外の作業が多いので、それに見合った分配をすれば、どちらも損はしませんし、依頼者からみてもそれほど差がありません(むしろ安い場合もあり)。これは設計事務所に新築設計依頼したケースと似ており、設計・施工一貫のハウスビルダーさんやハウスメーカーさんより安い場合も多いのと似ています。双方ともプロの仕事をしているというのが条件ですが(汗)。

ただあまりにも無知な意匠屋さんと組んだ場合は、とんでもなく被害(お金は抜かれるし、作業もこちらがほとんどやらなければならない)がでます。きちんとした意匠屋さんと組んだ場合、こちらの作業がかなり省力化され作業に集中できます。特になまあずの場合は、熟練した意匠屋さんと組む場合が多いので分業して精度が下がるということはありません。意匠屋さんの目で建物をみることも非常に重要であり、構造屋さんだから見る目が正確・・・とはいえない部分もあります。それぞれ専門が違いますしね。補強に入るとそれは非常に顕著にでることがあります。

もちろん私の場合、構造意匠兼業事務所として、意匠事務所とコンビを組むより、単独で任せた方がいい!という状態に持っていく努力をしていますよ。でも正直分業するための意匠屋さんとコンビを組んだ方がいいな、と思います。双方いろいろ勉強になりますし、刺激にもなります。もっとも良いコンビを組めるかどうか?というのが重要なのですが・・・。