面白い筋かいの設計

JSCAの出版物で「木造建築構造の設計」というのがあるのだが、結構面白いです。個人的に木造はあんまり理論的にいきすぎてはいけないのだろうな・・・と思っています。なので実験などを繰り返し理論と整合させていく丁寧な作業が必要で、今後もそうなんだろうな、と思います。問い合わせで多いのが、「FAP-3などで立体形状を入れれば解析できるのですか??」なのですが、実際そんなに甘くはありません。構造計算は各仕口、部材などのデータが整って始めて出来るわけです。わけもわからない部材でトラスを組んで、それをFAP-3で計算できないのはナゼか?とすごい剣幕で問い合わせてくる意匠屋さん(うちで販売したユーザーでもないのに)に一から説明するのは正直骨が折れます。魔法使いじゃないので、計算だけでなんとかなる、というのは幻想です。

さて、上記書物で、筋かいの設計という項目があります。ここでは建築士レベルの構造力学で筋かいを解いて、壁倍率が妥当か?ということを検証しています。910幅の2730高さの3つ割筋かいで検証しています。仮定外力じゃないので、フレームに入れる地震力は簡単に決まってくるので、その荷重から、筋かいの許容せん断耐力時に軸力を出してやります。そして三ツ割材の部材、断面性能で、応力度の検討をしています。つっこみどころとして、加力方向による壁倍率の変更を行っていなかったり、壁倍率の変換を1.96で行っている(間違ってはいないが、昔は違っていた)のですが、まあわかりやすさからそうしていると思います。で、圧縮材は、9倍以上の差をもってNGとなるため、引っ張り筋かいとして設計することになっています。引っ張り材のほうは十分な余力があります。なので壁倍率1.5は妥当・・・ということでしょうか??

もちろん接合部のこともありますので、次項は筋かい接合部の検討になっています。それにしても建築基準法施行令で圧縮にも効果がある(施行令第45条2)なのに、接合部を待たずNGになってしまう点は興味が尽きないのですが、そのあたりの説明はありません。興味のある方は、変換を旧基準の1.27kNにして、加力方向の補正を行い、どうなるのか??二つ割なら安全なのか??検証してみてください。