狸と狐の化かしあい?

「設計事務所は設計料が高い」「ハウスメーカーは設計料タダだが設計にかかる費用は工事費におりこんでいる」というのは、一般の方々でも知っている業界の基礎知識です。残念ながら業界の外からやってきた私には両方ともわかりません(きっぱり)。

普通に考えれば、建物はお客様が払う全金額で比較すべきです。しかしながらローンや様々な要因により直接比較できないのが実情です。それでも個人個人で見れば総支払い額に興味があるわけで、ハウスメーカーの坪いくらとかはあまり意味のない数字です。激安系に多いのが、表示金額以外の金額です。これを足すと大きく坪単価はずれてきます。でも安めに書かないと問い合わせがこない・・・それも現実です。

設計料が高いと思われている設計事務所。実際に高いと思います。これは設計料が高いのではなく、実際にお客様が払う全金額が高いのです。理由は、ハウスメーカーやハウスビルダーが取り組まないような建物に取り組むケースが多いからです。建売みたいな住宅をわざわざ建築家に頼むでしょうか??やはり設計事務所に依頼される方は、それなりに凝った住宅を求める方が多いです。

じゃあ低価格をウリにしている設計事務所はどうか??ネットで宣伝しているところは、表示金額と実金額が大幅に離れているものが多いです。これは悪意があるわけではなく、建物の設計・工事は物件によって大幅に手間が異なり、坪単価のように簡単な指標であらわすことができないからです。まあ悪意があるところもあるでしょうけど。

大量仕入れで・・・とよくありますが、そんなに同じ材料をいっぱい仕入れるところってそんなにありません。しかもそういうところはたくさんお客様を取らなければならないので広告費がかかります。当然営業費もかかっているわけで・・・。しかもそういう表現を使っているところに限って、それ相応の広告宣伝費をかけています。ハウスメーカーともなるとCMや住宅展示場など高コストなものがたくさん。少なくとも大量仕入れだけでまかなえるほど違うとは思えません。事実ハウスメーカーは価格が高いと思われていますし実際そうだと思います。

ハウスメーカーが設計料を工事費に織り込んでいるというのも、いろいろな工法にチャレンジせざるを得ない設計事務所に比べて、自分ところの工法で使う材料もある程度統一性があるハウスメーカーでは設計にかかる手間も明らかに違います。分業していますし。なので、実際それほどかかっていないのかもしれません。もっとも打合せなどは、かなりかかっていると思いますが、どちらかというと営業費用でしょうね。

最近増えた施主支給も、あまり良い噂を聞きません。最近では材料にそんなに利益を乗っけていませんから、大差がでるとは思えず、むしろ施工トラブルなどのほうが目につきます。もちろん慣れた建築設計事務所などに頼めば良いですけど、流行に乗っただけとか案外多いので注意が必要です。慣れた設計事務所なら効率良く行えますので、実際コスト安になることもあると思います。そこが腕の見せ所といえばそれまでなんですが、外部からはよく分かりません。

というわけで商売は化かしあいなのかもしれません。私の所には、どのメーカーがいいか?と相談にこられるお客様が結構います(うちは最初から除外されていることが相談の条件です)。実際には多少のアドバイスにとどめていますが、案外選択はアバウトです。何か良い面が大きく見えると、それに引きずられる傾向があります。もしかしたら住宅選択のアドバイザーという仕事も成り立つ時代なのかもしれません。