笹子トンネル

 痛ましい事故が起こりました。笹子トンネルでの天井崩落事故。しかしこの事故はこのトンネルだけでなく、建造物すべてにおいて起こりうる、そして今後の社会に大きな影響を与えうる事故という感じを受け、「ついにきたか」と思いました。
 建造物は永久ということは絶対になく、老朽化が進んでいきます。特に道路は振動が多いので深刻で、首都高速などは、かなり厳しい状態になりつつあります。
 補強したり補修したら大丈夫なのでは?と思うかも知れませんが、そう簡単な話ではありません。しかも、高度成長のころに一気に作っているので、寿命もだいたい同じ頃に集中・・・・という深刻な問題が絡んでいます。
 今みたいに便利に道路を使えるのも、そんなに長くはないかもしれません。おそらく通行止めにして全面改修や作り直し!なんてことも出てくるでしょう。国の財政が好転していればいいのですが、それも望めそうにありません。
 もちろん住宅や建物も同様です。道路ほど厳しい環境ではありませんが、老朽化してくるという点では同じであり、新築もいずれ老朽化していきます。難しい話です。
 それでも東京は関東大震災や東京大空襲によって、大部分が作り直されています。戦争がない時代が長く続き、老朽化したものが増えるというのは皮肉な話です。良い知恵を絞り、影響のないように改修していき、寿命を延ばせるようにしていかなければなりません。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。