構造設計の価格は、構造トレインNZX以来、近代的(勝手にそう思っている)になっている本舗ですが、意匠設計は旧態依然でした。それは先代がやっていたからで、価格の矛盾点なども多く、問題点が多かったです。仕事量を事前に推定することの難しさから、見積作業が遅れることも多かったです。新告示になり、更に作業量や技量を細かく把握しないと金額が出ないというのも問題でした。
 もちろん坪いくら、という換算や、施工金額の何%という手段もあります。ただ本舗のように、様々な形態でお客様に接する特殊な事務所にとって、作業量の差が大きすぎて不公平感が生まれてしまうのが頭の痛い問題でした。その当たりは、すべて設計事務所(施工店でも設計事務所登録をしている)の構造トレインNZXとは、比較にならないほど難解でした。公平性を高めると作業量が多くなり、素早く見積もりができないので、お客様に迷惑がかかります。
 そこで、開き直って一般顧客と法人顧客のレート・計算方法をまったく異なるルートに設定しました。これでも少しは有利不利はありますが、だいたい良い感じに収まります。一般の顧客には価格・量志向(価格や面積によって決まる)、法人顧客には作業・量志向(作業の種類と面積によって決まる)ことにしました。これにより、どちらも最短で10分程度、長くても30分程度で金額が出るようになります。運用面では、表による方法と、サイボウズOfficeのカスタムアプリで算出する方法としました。設計担当は簡単に算出できます。もっとも見積書は、別途アプリを起動して打ち込まなければならない・・・という欠点は残っています。
 設計で儲ける時代でもないし、不公平感を避ける為、全体的に低価格にしました。今の時代はわかりやすいのが一番です。

投稿者 しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。