木造の構造設計で、引抜きの高いホールダウンを使う場合、異形Sアンカーボルトという便利な商品があります。名前の通り異形鉄筋で作られていますので、非常に性能が高いのです。なので埋込み長さも短くて済みます。
 できればすべての場所で使いたい!のですが、非常に高いです。あるショップでは1本500円程度でした。なので、35kNなど大きな金物の場合だけ、と考えてしまいます。前もこの記事を書いたあと、「無駄遣い」「35kNなど発生させなければいい」との意見が来ました。しかし現行の法規ですと、35kNが発生してしまうことは仕方がない部分があります。特に長期優良住宅や耐震等級3の建物では、高倍率の耐力壁を使わざるをえず、その結果発生してしまいます。異形Sアンカーボルトが活躍するシーンは今後も出てきます。そうなると、他のホールダウンに異形Sアンカーボルトを標準で使うかどうか?迷うところです。
 アンカーボルトは強いことでのマイナスはほとんどありません。まあ無駄に強くても全体の強さは変わりませんが(だかといってマイナスと言うことはない)。施工効率や、全体の安心感を考えると異形Sアンカーを標準仕様にするというのは、メリットも大きいです。メーカーももう少し金額を下げてくれれば、と思います。

投稿者 しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。