4号特例の誤解

 一般的に木造住宅の設計を行っている人は、4号特例という制度を使い設計しています。これは木造2階建ての設計で構造計算をしなくても良いという意味(しても良いです。もちろん)です。廃止されると言われていましたが、2011年2月現在、廃止の声は聞こえなくなりました。まあ制度の是非はともかく、この「特例」の範囲に誤解があるのは事実です。
 まずアパート等に関しては、4号に準じますので構造計算はしなくてもいいのですが、構造図は必要です。金物計算はN値計算で大丈夫です。梁伏図や軸組図、基礎伏図は必要です。このことを知らない、もしくは忘れていて確認申請を出す時点で役所等に指摘される人が結構多く、「急いでやって!」と駆け込んでくる人が多かったです。まあ急いで!といわれてもねえ。
 次に多い誤解は、500m2超の木造です。さすがにここまで大きいと住宅は少ないと思うので、梁伏図などを準備している人が多いのですが、このクラスになると3号になるので、構造計算が必要です。つまり木造3階建てと同等になります。これも知らなくて、設計後、確認申請時に気づく方がいらっしゃり、駆け込みが多いです。もちろんこのクラスは設計に時間がかかりますし、費用も非常にかかります。でも予算を組んでいないことが多く、「安く早く」を求めらます。もちろんそんなわがままは却下です。あらかじめ設計予算に組み込まなかったこと、外注していないことは、その設計者のミスですから、こちらがかぶることはありません。構造的に成り立っていないケースも多く、構造設計側もリスクが大きいですから。
 私の理想は、住宅の設計・監理程度は、自分で意匠から設備、構造までやって欲しいです。構造だけの外注を受ける場合、やはり設計者との温度差や情報不足に悩まされます。ビルなどと違い特殊ですから。意匠設計者の意図することを、構造屋は勝手に「わがまま」と解釈します。もちろん長年組んでやっていれば話は別ですが、突然の依頼に完璧に答えられるとは思えません。図面等がそろっていれば話は別ですが、ラフスケッチ程度の図面や確認申請レベルでは限界があります。
 最近、意匠設計者が木造住宅の構造計算をやることが多くなっているのは良い流れだと思います。もちろん手抜きでなくきちんとやることが条件ですが。プレカットが普及し伏図も書けない設計者が増えていると聞きます。それは構造計算以前の話ですね。でもだんだん安易になっていくのは時代の流れなのでしょうか??