
【送料無料】フリーソフトで学ぶ建築構造計算
さっそく読んでいる方が多いのにびっくり!な「フリーソフトで学ぶ建築構造計算」。構造屋さんに読ませると、あまり疑問に思わない点が意匠設計や学生にはかなり疑問に思えるらしい。素人的観点で、一貫計算を紐解いてみると、構造計算ソフト会社の新たな方向性が見えてくる。しかしその方向性に行ったソフトが、設計に関して優秀か?ははなはだ疑問。Building Editorは使い勝手が良いソフトであるのに、基本的な部分は旧来の構造計算ソフトの文化を受け継いでいますから、やはりこのソフト・この本を読んでみて疑問に思うことは、迂闊に質問などせず、調べてみることをお勧めします。
「一貫計算ソフト」というのだから、そのソフトがあれば1個の建物の計算がすべてできる!という勘違い。確かに木造などや一部のソフトで、とりあえずはすべて計算できるソフトもあるにはあるのですが、その場合でも、部分計算や検討は手計算だったり、エクセルを使ったりすることがほとんどです。例えば木造のストラデザインは、通常の整形の木造住宅なら、確かに単体で構造計算を完結させることができます。しかし高基礎は?とか深基礎は?とか杭の設計は?とか、部分的に鉄骨梁を使ったら?とか、いろいろあると思います。建物は土地や地盤に影響されるので、必ずしもパッケージした商品だけでできる!ということはないでしょう。
これがRCやSになると更にです。Building Editorは、それなりに機能があって実務で使えると思いますが、単体だけで実務が完結することは100%ないでしょう。たいてい、同社のチャートシリーズやエクセル、又はカルキング等にお世話になるでしょう。無料のソフトだけでやろうと思うと、かなり努力と技量が必要でしょう。ホームページを見ると、チャートシリーズに、Building Editorからスラブや小梁、基礎のデータを転送して計算できると書いてありますね。つまり・・・です。構造計算は入力して、はいできた!という簡単なものではない、ということを理解してほしいものです。そのためにもこの書籍を使って実際に試してみることは有用だと思います。