はい。業務最終日に届きました。年内に使っておきたかったので良かったです。暫定版に比べて、かなり進化しています。
 最大の変化は、10年以上前から基本的な画面構成が変わっていなかったkizukuri独特の画面が進化していること。シングルウィンドウだったものが、ウインドウが独立になりました。これによって、多くのkizukuriユーザーが感じていたマルチディスプレイ時のチェックのしにくさが解消されました。エラー画面を見ながら伏図入力などがタイムリーにできるようになりました。逆に画面が狭かったりシングルだとちょっと使いにくいです。あと予告通り青本復活しています。ただ現行基準にあうように改良もされています。私は使うことはないと思いますが。
 また階毎に地震力を追加できるようになりました。これでかなり融通が利くようになりました。また間仕切壁も追加され、柱が片側のようで今まで線荷重で対応していたものが、間仕切壁で対応できるようになりました。これは便利です。またいままで伏図で梁のサイズがわからず苦労してのですが、梁材種、梁幅、梁せい
、梁両端部の金物などを切り替えで画面上で参照できるようになりました。全部がでるようり切り替えのほうが見やすいので、これは正解だと思います。
 エラー結果の参照もF3キーで該当箇所にジャンプできるのも便利。逆方向の検索はSHIFT+F3キーです。説明書が間違っていますが(SHITキーはありません!!)。あと断面算定でエラーが出た梁のプロパティに飛べる機能ができました。エラーの有無に限らず飛べるともっと便利だと思います。
 タイムスタンプの部分に大幅な変更があるので、今まで気にしていなかった方は注意が必要です。差し替えが難しくなる反面、一貫性により正確性がでるようになりました。
 一気にパワーアップしたのがKIZ-sub。木梁などで要望が多かった、断面係数等の低減率がkizukuri同様に設定できるようになりました。これは便利です。基礎の指摘で多かったかぶりや、スターラップ、上下主筋の別配置など進化を遂げています。このあたりは確認検査機関からの指摘が多い部分なので、ユーザーからの要望を素直に受け入れてくれているので感謝します。

 苦言を呈すれば、昨年流行だったネットブックや、横長のサイズがあまり大きくないディスプレイだと、逆に使いにくいです(私の私感です)。従来の画面構成に戻せる選択肢が欲しいです。外出先や職場でノートで使うユーザーも多いはずですから。また他の計算ソフトでは一般的になりつつあるCAD下図機能も欲しいです。JWWやDWGなどを下図にできると便利です。背景を透過させるという適当な対応でもいいと思います。そうすればPDFやDocuWorksの図面も大丈夫だしFAXできたプレカット図との照合も便利だと思います。マルチディスプレを使っているパワーユーザー向け!ソフトなんでしょうけど、そうでないユーザーのことも考えた方がいいかと。あと、相変わらずヘルプがないのが悲しいです。熟練ユーザーばかりだから不要と考えているのかもしれませんが、やはりヘルプは大事だと思います。あとKIZ-subとの連携が強化されてきている今、KIZ-runはkizukuriから起動できるのに、KIZ-subが起動できないのは不思議です。あと相変わらず階高と軒高がわかりにくいです。まあ使っていると慣れてしまうのですが初心者は戸惑うと思うのですが。最近のバージョンではかなり完成度が高いと感じられるだけに、ちょっとだけ辛口で書いてみました。

 正直、地味な改良なのかもしれませんが、実務者に便利な機能を搭載し、役所等の指摘事項に対して真摯に対応してくださる、メーカーの姿勢に共感を覚えます。売るために派手な機能ばかり搭載するソフトメーカーが増えつつある今、このような正当な進化を遂げるソフトウェアは数少なくなってきています。今後も応援を続けていきたいと素直に思えるソフトです。

投稿者 しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。