木造耐震診断の数字の一人歩き

 木造耐震診断のいいところは、評点で住宅の耐震性をわかりやすく理解できることです。1.5以上なら「倒壊しない」1.0以上なら「一応倒壊しない」と比較的安全という数値で示し、0.7~1.0は「倒壊する可能性がある」で、0.7未満は「倒壊する可能性が高い」と地震に対して危険であることが、わかりやすく整理されています。
 しかし数字が一人歩きしています。この評点はわかりやすいが、これがすべてではありません。行政の補助金などの対象が評点1.0以上にあげることを条件にしていることもあり、1.0なら安全!といった極端な解釈が広がっているような気がします。建物の種類は様々で、性能も評点でひとくくりにできるほど単純なものではありません。そこで設計者自身の建物に対する理解が必要になってきています。耐震診断では、評点以外に、診断者のコメントを書く欄が多く用意されています。私はここのコメントでその診断者の能力を類推するようにしています。逆にここのコメントが一番頭を悩ますところです。評点は調査書通りに診断ソフトに入れれば出ますからね。