木造狭小住宅の設計は思ったより難しい

 木造の狭小住宅の設計をする場合、金物の方向と金物の量・強さを通常の住宅の基準(つまり計算書通り)でつけていいのか迷うことがあります。現在の金物は柱芯よりずれて偏心していることが多いので、方向によって耐力が微妙に異なってきます。また狭小住宅の短辺方向は自然と高倍率の壁が多く金物が大きくなりがちです。しかも壁以外の耐震要素が極端に少ないため、柱にかかる力(引き抜きも圧縮も曲げもせん断等も)が通常よりも大きくなる可能性が高いのです。そのため金物の方向や量、強さ、選定には通常の住宅よりも神経を使わなければなりません。まあ大きな金物をつける!というだけでは脳がありません。金物が大きいと言うことは、木の欠損が大きくなるなどマイナス面も考えられるからです。様々な工夫が必要になります。狭小住宅は耐力壁以外の耐震要素が少ないし、傾斜復元能力にも劣ります。そのあたりも考慮しなければなりません。できるだけシンプルな構造を目指し余力があるように設計する必要がありそうです。
 考えたらキリがありませんね。日々いろいろと勉強して出来るだけ良い住宅の設計に寄与できればと思っています。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。