私の立ち位置

 木造軸組工法住宅の許容応力度計算(2008年版)で、気になるのは実験などではなく、数式のみで導き出されたような例が多数掲載されている点です。昨日の断面欠損の件もしかり、斜め方向の壁もそうです。力学的には正しいが木造でこの通りになると思っている構造技術者はいないはずですね。ソフトで入力できても施工で力の流れを考えれば、この式通りになるということはない、と直感できるはずです。斜め方向が入力できるソフトを活用している方は注意した方がいいでしょう。だからといってどうなるの?といわれると、私もわかりません(きっぱり)。まあ建物をたくさん実大実験するわけにもいかないし、いろいろと、というかかなり難しいところがあると思うのですが、何か釈然としませんね。
 私は構造技術者でも研究者でもないと、あらためて自覚しました。一般的に難しいといわれている構造について一般の方や意匠建築士の皆様にわかりやすいように説明・翻訳する立場だと思っています。私の知っている先生は、これからの構造技術者はプレゼン能力や説明能力を高めなければならない、とおっしゃっていました。同感です。ただしばらくは私のような中間的な人間の需要も必要だと感じています。私は知らない間に立ち位置を見失っていたようです。他業界からのトラバーユ組で、残された時間も学習してきた時間も短い私が生きる道。もう少し絞ってやっていかないと難しいような気がします。
 HOUSE-ST1の無料手引きもVer4が来週?発売なので更新しました。が、他は追いつきませんねえ。というわけで少しずつ改訂していきます。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。