木造梁の仕口の欠損

 木造梁の構造計算は、ピン支点で捉え単純梁で計算、というのが基本だと思う(つっこみはご容赦を!)。この場合、最低限の構造力学(2級建築士レベル)で十分計算可能です。ただ木材はクリープ現象や木の性質など加味しなければならず、実務ではそこまで単純ではありません。しかも木は加工しやすいことから、根太や甲乙梁などを掛ける場合、梁を欠きこんで施工するので、実断面は小さくなるのが普通です。そのため実務では断面を低減して計算することが普通になっています(もちろん安全率を見て出た数値から安全な断面にサイズアップするというのもありだと思う)。この低減の数値は木造軸組工法住宅の許容応力度設計で、概算値が定められており、それを利用するのが一般的になりつつあります。私が始めた頃は、そんなパラメータは構造計算ソフトになかったので算定した梁が非常に細くて不安になってかなり大きめに設計した事を覚えています。
 さて、上記本の2008年版が発売になり、その項目が書き換わりました。一般的になってきたプレカットの仕口をもとに計算し、どれぐらい低減すればいいか?ということを細かく数字を出してきたのだ。それを見ると、今までおおざっぱに計算している数値より、更に低減しなければならないことがわかります。私の場合、今までは一律20%低減で計算し、安全と実情を見てサイズアップしていました。手計算で検証すると新たな数字の基準を超えていますが、小梁系や大断面の掛け合いではギリギリに近いものもありました。まあ安全を見て設計していて良かった!というのが正直な感想。
 構造計算ソフトはこの部分のプログラムが非常に難しいらしいです。そのため開発が遅れている、ということも聞きます。某メーカーはユーザー任せでバージョンアップ版を発表していますが・・・。もっともソフトにばかり頼ってはいられないので、設計者はじっくり取り組む必要があると思います。もっとも応力は変わらないわけだから、いかに効率的に漏れなく判断するか・・・という点につきると思うのですが。おそらく某ソフトは、そのあたりも完璧にシュミレートするんだろうな・・・。でも2008年版にも書いてありますが、本に記述してあるのはあくまで一例です・・・。おつきあいのあるプレカット業者にはこのあたりのデータを出してもらう・・・そこまで必要ないかな??
 というわけで断面欠損判断ツールを開発中。思ったより簡単だが果たして全部きちんと判断してくれるのだろうか???表通りになっても不安が残りますねえ・・・。