しろあり被害の多様化と対策

 地球温暖化に伴い、しろあり被害も変化してきました。日本のシロアリは、長年、ヤマトシロアリとイエシロアリの対策に絞られていました。特に東日本ではヤマトシロアリが多く生息しており、長年シロアリ対策といえばヤマトシロアリという考え方でした。ヤマトシロアリは湿潤した部分を好み、そのため湿気のある土台などに住み着くことが多かったのです。水を運ぶ能力もないため、被害部位は限定的でした。またヒノキやヒバなどの木材は比較的害にあいにくかったことから、土台にヒノキやヒバを使う事がシロアリ対策だと考えられてきました。
 一方、イエシロアリはヤマトシロアリより攻撃的で、水を運ぶ能力があることから、家全体に被害を与えることが多いです。ヒノキも普通に食べます。そして最近は温暖化もあるのか、関東などでも被害がみられるようになりました。
 そのほか乾材系のシロアリ、アメリカカンザイシロアリなどの被害もでてきました。名前の通り、乾いた木を食しますので、乾燥などしても防げません。またイエシロアリ等と異なり、飛んできて内部に進入しますので、防御方法なども完全に異なります。
 というわけで、一口にシロアリ対策といっても、シロアリの特性が違う以上、簡単ではありません。設計者やビルダーに「シロアリ対策は万全です」といわれたら突っ込んでみましょう。薬剤を塗っただけでは無駄です。建築基準法では地面から1m以内には薬剤を塗布することになっていますが、上部に塗っている事はないと思います。また塗布した薬剤の期限は5年程度、長くて10年がいいとこでしょう(種類による)。現在、完全に防ぐ方法はないといわれ、できるだけの対策をしたうえで、早期発見が重要でしょう。