恐るべし!大臣認定プログラム

 鳴り物入りで登場した、構造計算の大臣認定プログラム。なぜ一社だけ?とかバグがあったのに、すぐに認定取り直しがなぜ可能?など、そういう探っても仕方ないネタはともなく、今日の日刊建設工業新聞の記事に面白い記事があった(詳しくは同社のWEB参照)。
 4月の構造計算のピアチェックのある物件の申請が2195件あったそうです。そのうち大臣認定プログラムの利用は
「1」
 もちろん、出荷時期が3月下旬であること、大臣認定プログラムSEIN La CREAのシェアが高くないことなど(国土交通省が言っています)、不利な条件は揃っているのだが、あまりにも少ない。ただ、大臣認定プログラムさえあれば、構造の確認申請はスムーズになる的な発言が続いていたのに、結果は予想通りのようだ。ちなみに、あと5社が大臣認定の申請を行っているらしいが、メーカーに確認すると、大臣認定プログラムがあったからって現在の状況は変わらない、と思っているようだ。同じく設計者も同様に思っています。国と現場の意識の差はこんなところにも出ています。なら来月はかなり使っている人が増えるんでしょ?また確認申請がスムーズに進み、時間が短縮されるんでしょ??あんまり期待しないで推移を見守りたいと思っています。
 実際の現場は大変。昨日も引退を表明する構造屋さんに会ったし、頼める構造屋さんがいない設計事務所も増えているようです。もちろん新規参入もあったようですが、全体的に高齢化しているこの業界の補充になるほどいるとは思えません。
 小手先の対策ではなく、早く技術者を育成し、技術者を尊重する社会を作らないといけないと、国も早く気がついて欲しいです。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。