kizukuriの計算方法の意味

 木造構造計算ソフトのkizukuriの挙動について、暇なのでいろいろ試しています。kizukuriは、他の木造構造計算ソフトと異なり、いろいろな計算方法を選べます。こんな計算方法いいの?というものもあります。構造設計者によってその選択も様々で、計算書チェックではいつも泣かされます。今回は「青本」「許容」「許容(詳細)」の検証でした。
 実は設計次第で有利不利が分かれることは、調査済みなのですが、今回の調査依頼は既存の物件に対してだったので、青本で最適化されている設計なので、他が不利になることは当初から予想できました。
 結果、当たり前のように青本ではエラーがなし(既存の物件なので当たり前)、許容だと床の水平構面の耐力が不足(根太レス工法なのに・・・)、柱の耐力が数本不足、壁が2階のみ不足という結果に。あまり梁を飛ばしていない比較的整形の建物なので、それほど大きな差は見いだせませんでした。ただ床のつながり方で有利不利の影響が大なので、プランニングの段階で構造を意識しないと難しいかもしれません。
 詳細計算法も試してみました。私は通常の計算では詳細計算法は不要だと思っています(実力も伴わないし、施工で指示するのが難しい)。ラフな計算では、詳細計算法のほうが不利になる場合も多いことが今回も実証されました。ただ努力次第で、青本でも難しい仕様の設計も可能になるなど今後の可能性を感じさせます。ただkizukuriだと正直かなり不利感を感じます。準耐力壁を使えないことがネックです。
 ちなみに、HOUSE-ST1やSTRDESIGNでは、kizukuri許容で難しい物件も、比較的計算できます。HOUSE-ST1の場合準耐力壁のおかげ、STRDESIGNでは準耐力壁と設計自由度のおかげ、という感じでしょうか?STRDESIGNの場合、詳細計算法が使いやすくなっていますので、基本詳細計算法でやっている方もいらっしゃるかもしれません。しかし、基本的な計算方法は同じなので、青本の考え方を捨てて設計する必要があると思います。
 もっとも私の場合は許容から青本に移った「特殊」な人なので、あまり影響はありません。また戻るだけです。