安心精密診断2004がVer2へ(建防協評価取得)

 高機能な木造耐震診断ソフトの「安心精密診断2004」がついに(財)日本建築防災協会の評価を取得(P評価5-W)したようです。メジャーな耐震診断ソフトのなかで唯一取得していなかったので心配していましたが、ようやく取得しました。取得内容が非常に細かい部分まで煮詰めていたため遅れたようです(本当かなあ?)。
 安心精密診断2004の前進である安心精密診断は、旧診断ソフトのなかでは後発でしたがピカイチの性能を誇る診断ソフトで、私も非常に愛着があり現在も活用しています。旧診断で唯一N値計算を標準で搭載していました。このソフトを入手してから補強設計の精度が非常に高くなり、自分の技量をアップさせてくれてと非常に感謝しています。
 それに引き替え安心精密診断2004は、私にとっては気に入らない部分が多いソフトでした。新診断に対応したものの、安心精密診断の軽快さは失われ、元々タブが多かったのに、更に多くなり操作性が落ちてしまいました。また新築対応部分も安心精密診断のほうが使いやすかった(このせいでなかなかバージョンアップに踏み切れなかった)。そのため部会の方針もありHOUSE-DOCに乗り換えたという経緯があります。
 その後、他のソフトを含め安心精密診断2004を入手いたしました。当初の感想通り使いにくくなっていました。ただ機能は他のソフトの追従を全く許さないレベルでした。他社のソフトが直接、診断には意味のないグラフィカル画面や入力の簡易さを追求する中、純粋に診断、補強設計に主眼を置いた基本性能には目を見張るものがありました。
 他社との決定的な差は、他社の耐震診断ソフトは、耐震診断ありきで設計されている(当たり前です)のに対し安心精密診断2004が構造計算系から派生されているソフトである点です。この差は診断はともかく、補強設計では絶大な差となって現れます。建物の荷重を構造計算ソフト並に計算できるため、地震力を計算できます。それを利用して柱毎の軸力を計算できます。その結果、通常の耐震診断ソフトで、建物の重さを3通りしか選べないのですが、安心精密診断2004なら実情に合わせた荷重を入力できるため、診断、補強精度が飛躍的にアップしました。更に、その荷重を利用して柱の軸力も算出できるため、引抜きによる金物の算定および検定が利用できます。引抜きは地震時の応力解析で算出しています。これにより他社では難しい3階建ての耐震診断、補強設計も適確に行えるようになりますし、金物設計も合理的に行えるようになります。もちろんN値計算も利用できます。
 反面、他の耐震診断ソフトに比べて必要なスキルは高いものが求められます。ただし普通の一般診断をするのであれば、他ソフトとそれほど遜色はありませんので、使いながら覚えていくという方法もあります。もちろんとっつきにくいのは事実です。このソフトを買った以上は診断・補強のプロになる覚悟があったほうがいいのは事実でしょう。構造計算できる人は逆にこのソフトのほうがわかりやすい、と言う場合もあるので、木造構造計算できる人には特にお勧めです。
 今度出るバージョン2(評価取得版)では、更に下図を読み込んで作図しやすくする下図設定プログラムと、補強用見積明細作成プログラムも標準で装備するなど、更に使いやすさがアップしたようです。また基礎の部分的な補強にも対応し、より補強設計の機能がアップしたようです。他にも細かな部分を修正したようです。まだ実際の商品を見ていませんが、かなり期待しています。