大臣認定ソフトの状況と一貫計算の現状

 NTTの大臣認定ソフトが発売され、徐々にユーザーに届いているようです。SEIN La CREAという洒落た名前のこのソフト。大臣認定ソフトというようりも、汎用解析プログラムと一貫計算プログラムが一緒になっているという意味で注目されている。一般に構造屋さんは、一貫計算プログラムという大臣認定をもらっている(現状では1つだが、過去はかなりの数があった)形状が比較的シンプルな建物の計算ソフトと、任意形状の汎用解析プログラムという、変わった形の建物を解析するソフトを用いて計算する(他に二次部材の計算など部品単位の計算ソフトを利用することもある)。さて、このSEIN La CREAは、そういう意味で画期的なソフトウェアだ。もちろんいくらスペックが良くても使い物にならないソフトはいくらでもある。そんななか、メーカー云々はのぞいても、このソフトが大臣認定第一号ということは興味深い。もっとも、まだまだ大臣認定がらみは問題がありそうだが。
 他のソフトも大臣認定を取得するために動いています。しかし当面はなかなか・・・というのが現状です。各社の大臣認定取得予定のソフトを見ていると、比較的新しい設計のソフトはSEIN La CREAのように様々な形状に対応するものが多い。ASCALなどは非常に多様な形状に対応する上、木造、RC造、S造、ツーバイフォーなど様々な構造に一つのソフト(オプション対応だが)で対応できる。きちんと解析できているか、確認するためには通常の一貫計算ソフトの利用に比べ、非常に技術的ハードルが高く、誰でも使えるものではないと感じるが、今後、このようなソフトが主流になるかもしれません。もっとも旧来からの構造計算ソフトは仕組みや操作もシンプルで多くのユーザーに使ってもらって、こなれていて、サポートも充実しているのでまだまだ使えると思う。選択肢が増えたことは素直に喜びたい。
 私の事務所ではまだ任意形状の汎用解析プログラムの建築用は持っていない。今年中に購入し実戦に投入したい。その際、既存の一貫計算プログラムに汎用を加えるのか、新たな一貫計算プログラム内に任意形状の汎用解析プログラムを含んだものを考えるか、悩ましい。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。