2月19日に、世間を震撼させた耐震偽装事件の元建築士の被告に対し、最高裁第一小法廷は上告を棄却する決定を出した。これにより懲役5年罰金180万円という実刑が確定した。同事件での実刑確定は初めて。

 2005年11月、この事件が発覚しマスコミで報道された頃、私は構造設計に関しては駆け出しで、ようやくある程度実務に自信を持てるようになった頃でした。今思い出しても、その後は大変でした。連日の電話の問い合わせ、マスコミからの取材依頼、確認申請が通らなくなる・・・。また情報も錯綜し何を信じればいいのかわからない時期もありました。
 それから月日が流れ建築基準法は改正され、良い方向に向かうかと思われましたが現実は・・・。みんな良い方向に向かおうと頑張っているのにね。
 これから実刑を受けるとはいえ、この数年間恐らくこの業界がどうなったか彼は知らないでしょう。刑期を終えたら、その時点で時代の変化をどう感じるか聞いてみたいですね。聞くチャンスはないと思いまし、話したいとも思わないと思いますが。

 最近、大臣認定プログラムについての賛否両論を聞きます。一般的な構造屋さんはあまり興味がないようですが、意匠設計者やデベロッパーや建築主は、やはり大臣認定というお墨付きがあったほうが受けが良いようです。構造屋もそのあたりの心情をよく理解してどうするか判断する必要があると感じています。

 

投稿者 しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。