新基準の構造計算ソフト遅れる??

 某建築士の耐震偽装から端を発した今回の建築基準法等改正は、6月20日からです。構造に関しては大幅な改正が行われ、偽装対策が盛り込まれました。しかしその目玉ともいうべき、新しい基準の構造計算ソフトは、結局法施行までに間に合わないようです。というより、まだ告示がすべて揃っていないので、審査も難しい状態ですよね>役所、民間確認期間の皆様。まあ、上の方の見込み違いでこうなったのでしょう。ニュースなどを読んでいると

「国交省は当初、今年3月には、ソフト会社から新プログラムの大臣認定の申請を受け付け、6月の新制度発足に間に合わせる計画だった。その後、国交省の抽出調査で新築マンションの約1割に疑問点が見つかるなど、想定を超えたずさんな構造設計が広がる実態が表面化。このため、国交省が示すべきプログラムの基準の検討が長引いて最終決定ができず、ソフト会社の対応が大幅に遅れてしまった。 」以上アサヒコムより引用

 とのことだが、元々スケジュール的に問題がある。そもそも他で問題があることなど予想できたはずです。またプログラムを組むほうだって大変なんです。告示を理解し、それをプログラムに盛り込む。しかも今回の場合、少しのバグでも認定取消し!って事態になるようなので、バグフィックスも大変です。まあ、国が考えることなんていつもこうです。まあ国のせいばかりにしていられませんが。おかげで6月20日に従来の大臣認定ソフトはすべて効力を失います。そのため、検査期間の長期化(最大70日)、計算書打ち出し枚数の増加(千枚超える場合も・・・)、など不利益も。
 もっとも新基準の構造計算ソフトは普及しないのでは?との見方も。新基準で設計できる建物って実は少ないかも??と言われています。そうすると他の計算ソフトで計算せざるを得ないので、結局何も変わらない、とう見方だ。私の周囲でも新基準のソフトの導入に否定的な見方の方も多く、どうなるか心配です。
 そもそも今回の改正は構造屋さんも打撃は大きい。主要ソフトは、すべて新ソフトへ移行するので、バージョンアップ代金やら、保守料金やら、非常に投資がかかる。使いこなすのにもそれなりに時間がかかる。勉強も必要だ。それで、構造設計の料金が投資に見合うほど大幅アップすればいいのだが、それも望み薄。構造設計から離れる方も増えています。若い人は構造なんて・・・ということで有能な人材が入ってこないどころか、深刻な人手不足&技術不足なんてことも、遠い将来のことではないかもしれません。
 計算ソフトがあるから、構造計算できるわけではありません。入力さえすれば、という考えが横行しているのも不安です。構造技術者はこうした流れを見極めると同時に、更なる技術アップが必要です。国はその仕組みを考えて欲しいものです。