そもそも現在の建物って大地震で大丈夫なの?

 耐震偽装事件や建築基準法等改正などのニュースに隠れて「実際の耐震強度ってどれくらいなの?」という議論はなされていません。古い建物が耐震強度的に不利なのは感覚的にわかるが(わかっていない方もいるかも)、新築の新しいマンション、住宅は絶対大丈夫という間違った見方をしている人が多いのではないでしょうか?
 現在の建築基準法は、「最低」のラインを示しています。しかしその基準は以外に高いです。とりあえず基準法通り建てておけば通常の震度6弱程度までの大きな地震では倒れないでしょう。損傷もないかもしれません。しかし地震の大きさ種類は、過去基準が定められた頃にくらべ、色々とわかってきており、その基準だけでは危ないことがわかってきました。また大きな地震の影響を受けていない新しい建物も増えており、実際にどうなのかは大地震が来なければわからないという怖い部分を持っています。
 私が怖いのは鉄筋コンクリート造の中高層マンションです。私が子どものころは5、6階くらいしか建てられなかったのでは?と思われていましたが今はどんどん大きな建物が建てられました。しかも驚くほどローコストで。また中高層マンションの構造設計は理論的には難しく(ルート3、保有水平耐力の検討が必要)で、某偽装事件のように構造技術者の技術が追いついていない場合もあります。またきちんとギリギリで設計したとして、本当に耐震強度がでるかどうかは疑問です。なぜなら大きな建物ほど地盤の影響を受けやすく、不確定要素が多いからです。低層なら許される施工誤差も高層だと大きなダメージとなって帰ってくる可能性があります。また最近話題の「長周期地震動」の影響も怖いです。建物が無事でも内部の揺れは増幅され家具などが吹っ飛ぶ可能性があります。そんなわけで、私は中高層の構造設計は断っています。怖がり!といわれても別に構いません。そもそも地上から離れた高層部分に建物は伸びすぎたのだと思います。人間の力は自然にかないません。いつかしっぺ返しを食らうのではないか、と恐れています。杞憂に終わればいいのですが・・・。