N値計算法による金物設計

 木造住宅の設計には金物設計は不可欠です。しかし最近になってN値計算法に関する問い合わせが急増。今まで何をやっていたのでしょうねえ・・・と不安になります。N値計算法は平成12年の告示1460号第2号の但し書きに基づき「平成12年施行・改正建築基準法(2年目施行)の解説」(建設省住宅局建築指導課編集の講習テキスト)で示された設計方法である。既に6年も経っているのです。まあ但し書きでなく告示通りに施行することも可能なので、一概に批判はできませんが告示通りだと現在の構造用合板で囲まれた建物の場合、金物が極端に大きくなる場合が多く安全というより不経済です。そのために簡易な計算法が編み出されたわけです。もっとも構造計算を行った方が正確であり、更に金物は合理的に減らせます。
 最近の質問で多いのは、計算方法よりも運用です。各階の柱がずれているとき、マニュアルで定められているよりN値が大きくなったとき、実際の金物の取り付け方など。私がN値計算法の講師をするときは、この運用部分について説明を多く割きます。計算的には非常に簡易な計算式で誰でも計算できるようになっているのですが、実際の設計では複雑になってしまって、どう判断すればいいかが難しいのです。また実際適用に向かない物件も多いのも確かです。N値計算法は2.7mの階高で算出したものを利用しているので、それ以上の高さになると適用に注意が必要となっています。また外周に非常に強い金物が発生しやすい方法なので、内周に耐力壁を集めると極端に金物を減らせる「いけない裏技」も存在します。また不整形の建物の場合も非常に注意が必要です。建物の重さも標準的でない場合も適用が難しくなる場合があります。そんなことから、私は面倒なので構造計算してしまう場合が多いです。私の場合N値計算と構造計算は新築の場合同じスピードで行うことができるので尚更です。
 ちなみに、市販のN値計算ソフトも単純な仕組みだが各社計算結果が異なる場合があります。ある意味アバウトなので気にしないようにするか、安全側で設計する必要があります。