構造屋さんのモラル

 偽造などは論外ですが、構造屋をやっていると、自分の信念をきちんと押し通せるか自信がなくなることがあります(北海道の某建築士の方の信念とは違いますよ)。
 構造設計には未だ解明されていない部分やアバウトな部分がまだまだ残っています。計算理論だけで何とかなる建物は案外少なく、構造設計者の工夫や経験、能力などによって色々です。
 構造設計をやってて困るのが乗り換え組。「前の構造屋さんはやってくれてたよ」などと言われると技術者としてなんとかしたい!と思うのも事実。しかし明らかに危険な設計なので、それを説明してもうまくいかない。「だって他で建っているからいいでしょ!」と開き直られる。もちろん、それで大丈夫かもしれない。しかし大丈夫でないかもしれない。ただその根拠を説明してもらえない限り、黙って従うことはできません。そんなとき自分の意見をきちんと述べ、相手に納得してもらえる材料が必要です。こちらもいろいろ説明するのですが難しい場合も多いです。
 ただ、グレーゾーンなどならともかく、明らかに黒の場合も説明に困る場合があります。黒である理由を説明しても「お客様にOKっていってしまったからなんとかして欲しい」とか、「それをなんとかしてくれるのが構造屋だろう!」とか言われて耳を疑うことがあります。自分たちの無知をこちらに押しつけないで欲しい。挙げ句の果てには「能力が低いんでしょう?」などといわれてしまいます。それは貴方ですよ!お互いを尊重出来ないようではビジネスは成り立ちませんから。
 もちろん改善策や、他で納得できる方法を考えて提案はします。これをしなければ専門家とはいえません。ただ駄目!というだけなら楽なのですが(ふーっ!)。
 毎度ながら、こんなことばかり。技量アップを図っていても、不可能なものは不可能なまま(当たり前か?)。ちょっとだけ伸び悩みを感じる今日この頃です。