昨日、某構造の建築士の先生に怒られました。木造耐震診断のイレギュラーな処理の問題の件で。これは直接私が係わっていない(涙)ので何のことやら!と思いました。
実は、耐震診断ソフトで診断出来る木造住宅って意外は少ないのです。診断ソフトやマニュアルは純粋な木造住宅を対象にしていて、一部鉄骨の車庫があったり、スキップフロアがある住宅はそのままでは診断できないのです。そこでマニュアルの記述から類推したり、他の構造のマニュアルや構造計算の手法を取り入れたりして対応することになります。いままでたくさんの耐震診断書を見てきましたが、そのあたりを無視して診断しているケースが多々あり憂いております。
耐震補強にしても現在良い商品がたくさんでてきて便利になりました。そういった商品を利用することで安価で効率の良い補強ができるようになりました。しかし肝心の診断がいい加減であれば補強設計が狂ってきます。ですからいい加減なことはできないので、勉強です。今回怒られた件でもいろいろ学ぶことがありました。耐震診断では技術交流は不可欠でその点では私は非常に恵まれた環境にあります。
今度の講習で金物選定の講師をするのだが、そのレジュメ作りで苦戦。本筋は固まったのですが、実務面で突っ込まれる内容は避けたいとう後ろ向きな理由からどうも面白くない。せっかく発表の機会を頂いたのだから出来るだけよい情報をわかりやすく伝えたい。でも能力・準備不足は否めない。教科書通りではつまらない。忙しい仕事の合間を縫って考え続けています。
現在の耐震補強で一番ネックになっているのは基礎の補強である点は、私の周囲では一致しています。この問題を解決しないと木造部分をいくら補強しても意味がないばかりか、逆に倒壊しやすくなる可能性も残っています。というのは阪神大震災の時代に比べ住宅はかなり強いものになったのですが、その代償として仕口や基礎にかかる引き抜き力が非常に大きくなっている件があります。新築の場合は強く作ればいいのですが、耐震補強の場合、補強する箇所を少なくするために強くて頑丈な(壁倍率が高い、と表現される)壁を作りがちです。こうなると一カ所に非常に強い力が加わり、補強前なら問題にならなかった部分に破壊が起きる可能性があるのです。そのあたりの研究はあまり進んでいないようですが、これはきちんとした基礎の補強方法が確立されていないのに原因があるようです。
私は、補強設計する場合に基礎の状態から使う壁の限界を設定しています。既存基礎の状態が良ければ出来れば補強工事を行いたくないからです(割れてたら補強は確実に提案します)。既存の基礎にあまり負担のかからない工法を利用して、分散して補強するようにしています。後ろ向き!といわれるかもしれませんが、確証のない技術を導入するよりもましですし、マニュアル通り基礎を補強するのはコストの面でも受け入れられる可能性が低いというのも理由です。
耐震診断、補強は奥の深い分野です。決してソフトを買ったから、マニュアルを読んだから、建築士だから、と出来るものではありません。そろそろ耐震診断、補強の専門の教育機関の設立などを国も考えてみては、と思います。
実は、耐震診断ソフトで診断出来る木造住宅って意外は少ないのです。診断ソフトやマニュアルは純粋な木造住宅を対象にしていて、一部鉄骨の車庫があったり、スキップフロアがある住宅はそのままでは診断できないのです。そこでマニュアルの記述から類推したり、他の構造のマニュアルや構造計算の手法を取り入れたりして対応することになります。いままでたくさんの耐震診断書を見てきましたが、そのあたりを無視して診断しているケースが多々あり憂いております。
耐震補強にしても現在良い商品がたくさんでてきて便利になりました。そういった商品を利用することで安価で効率の良い補強ができるようになりました。しかし肝心の診断がいい加減であれば補強設計が狂ってきます。ですからいい加減なことはできないので、勉強です。今回怒られた件でもいろいろ学ぶことがありました。耐震診断では技術交流は不可欠でその点では私は非常に恵まれた環境にあります。
今度の講習で金物選定の講師をするのだが、そのレジュメ作りで苦戦。本筋は固まったのですが、実務面で突っ込まれる内容は避けたいとう後ろ向きな理由からどうも面白くない。せっかく発表の機会を頂いたのだから出来るだけよい情報をわかりやすく伝えたい。でも能力・準備不足は否めない。教科書通りではつまらない。忙しい仕事の合間を縫って考え続けています。
現在の耐震補強で一番ネックになっているのは基礎の補強である点は、私の周囲では一致しています。この問題を解決しないと木造部分をいくら補強しても意味がないばかりか、逆に倒壊しやすくなる可能性も残っています。というのは阪神大震災の時代に比べ住宅はかなり強いものになったのですが、その代償として仕口や基礎にかかる引き抜き力が非常に大きくなっている件があります。新築の場合は強く作ればいいのですが、耐震補強の場合、補強する箇所を少なくするために強くて頑丈な(壁倍率が高い、と表現される)壁を作りがちです。こうなると一カ所に非常に強い力が加わり、補強前なら問題にならなかった部分に破壊が起きる可能性があるのです。そのあたりの研究はあまり進んでいないようですが、これはきちんとした基礎の補強方法が確立されていないのに原因があるようです。
私は、補強設計する場合に基礎の状態から使う壁の限界を設定しています。既存基礎の状態が良ければ出来れば補強工事を行いたくないからです(割れてたら補強は確実に提案します)。既存の基礎にあまり負担のかからない工法を利用して、分散して補強するようにしています。後ろ向き!といわれるかもしれませんが、確証のない技術を導入するよりもましですし、マニュアル通り基礎を補強するのはコストの面でも受け入れられる可能性が低いというのも理由です。
耐震診断、補強は奥の深い分野です。決してソフトを買ったから、マニュアルを読んだから、建築士だから、と出来るものではありません。そろそろ耐震診断、補強の専門の教育機関の設立などを国も考えてみては、と思います。