N値計算の実験

 木造住宅の新築する場合、告示1460号に定める金物を取り付けなければなりません。しかしこれでは非常に金物が多くとりつき無駄なので、計算によって必要金物を算出します。ってこのブログでは毎度のお話。金物の計算にはN値法という簡易計算による方法と、本格的な構造計算による方法があります。またその構造計算にも数種類算定の方法があります。ようは「しっかり設計している」といっても多くの方法が存在し、その方法によって必要金物の量も種類も変わってくるということです。ですから設計者は、建てる建物によってどの方法が一番良いのかを判断する必要があります。またどの方法も向き不向きがあります。すべてを構造計算で・・・といいたいところですが、その必要もない建物もあります。
 さて、私は簡易な方法であるN値法が嫌いです。自分の設計している建物は構造計算してしまう癖があるのですが、今のように意匠に移ってきたらN値法を使わざるを得ない場面のほうが多いです。なぜなら、構造計算は金物以外の梁、柱の計算をするため時間と費用がかかる上、大工さんによっては構造計算よりも自分の腕を信じてやってしまうことを好んだり、2階建てだと構造計算不能な複雑な形の建物を建てる場合もあるからです。
 というわけで、心ならずもN値法を利用するのですが、現在のCADはほとんどオートで金物を算出してくれるものもあります。私も耐力壁の設計をしたら自動で金物を算出させるので、計算を意識することはありません。しかし色々聞かれることもあるし、指導しなければならないこともあり(・・・)、建物・ソフトによってのN値についての一般的な事項を整理しています。
 現在私の手元にあるN値計算のソフトは3つ。これにモデル建物を同時に入力し挙動を確認。また上下階の壁の状況によって必要金物がどの程度変化するのかもチェックしています。また構造計算ソフト3種を使って、計算方法による金物の差異とN値法との比較も行っています。正直無駄な作業かもしれませんが、こういう作業で差異を比較することで学べることも多くあるのです。ちなみにこの結果は某講習会でのネタにするので現在鋭意遂行中です。
 最近忙しいのですが、夏は非常に行事が多いので、今からやっておかねばなりません。やることが多すぎる・・・。
 

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。