耐震補強金額が安すぎる!でクレーム

 まあ、世の中自分の専門外のことは知識が薄いのは仕方がないとしても、知識が少ないのにわかった振りをして他人を批判するのはやめてほしいものです。
 というのは、ある耐震補強で設計して見積もりを出してもらったのですが、この金額が安くて波紋を呼んでいるという珍しい話です(お客様からではありません)。
 これには理由があり、一つは建物の状態が良く強度がある程度あるので、それほど補強が要らないということ(評点は低かったです)。もう一つに、非常にバランスが悪く、ちょっとバランスを矯正するだけで耐震診断の評点が一気に上がるタイプの建物であったこと。もう一つに見積もりをしてもらった大工さんがこの手の工事の名手であり、大工さん一人で出来る仕事の範囲内であったことです。
 本当に安い価格で一気に評点が上がったのだから、知らない人は不審に思うかも知れません。この補強の内容を知らずに価格と評点だけで批判をした方がいらっしゃいます。こんな少ない金額で騙されているのではないか!と入れ知恵をしたそうです。
 もっとも私も自分で出す概算見積もりよりも安かったので大工さんのところにいって、見積もり忘れがないか確認したほどである。確かに安いのだ。まあ工事内容を精査していたら確かにこの程度でも大丈夫だという結論が出たので見積をお届けしました。
 このような極端なケースはマレであるが、精密耐震診断をきちんとした専門家にやってもらい補強設計してもらうと、工事金額は非常に低く抑えられることは、自分の経験からも理解しているつもりです。私も工事は20万円代からでも効果的に行えたと思うものもあります。確かに精密耐震診断や補強設計料は高いかもしれません。しかし安心料と「無駄な工事を省ける」と言う意味では非常に価値が高い物だと思っています。今回の設計もそうした診断と設計の結果だと思っています。
 もっともこれは独立系の事務所が行ったから良かった!ということもあります。NPOや○○協会などと名乗って、公共性が高いと思いきや、後ろに金物屋さんや資材屋さんがついているところも珍しくありません。そういうところは診断料が安く(場合によってはタダ)、一見良心的ですが、補強のさいは自分のところの息ががかかった品物をどんどん提案してきます。まあ商売ですから仕方がありませんが、診断価格が安い分、補強金額で補填させられるようです。
 これからも補強金額が安すぎる!とクレームが来るのはやはり困りますが、せっかく精度の高い診断を行ったのだから効率的でより成果のあがる補強を提案していきたいものです。