木造住宅の実大実験

 建築上の構造設計において、実物大の振動実験を行うのは並大抵のことではない。まず建築物の金額も半端じゃないし、その重さも半端じゃない。つまり実験を行うこと自体不可能な場合が多い。しかしここは地震大国。その威信をかけて振動実験が多数行われていることは実に喜ばしいことである。
 4月号の建築技術には「実大振動実験を木造住宅の構造設計に活かす」と題して、最近の実大実験の結果や考察が多数掲載されています。もちろん重量級のビルなどは不可能なのですが、一般住宅に関しては実に多くの実験が繰り返され、多くのデータが収集されていることが理解できると思います。
 内容を読みながら焼酎を飲み、いろいろ考えてみました。実大実験は確かに重要です。しかしそれでも実験に過ぎず実際の地震とは異なります。想定以上のことも起こるかもしれません。そうしたことを考えながら過剰に設計したりアピールする愚かさも嫌になります。ただ構造技術者である以上、実験結果を考察しながらより正しい解を求めようとする姿勢は必要だと感じています。
 実大実験も一度見てみたいと感じています。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。