耐震性を重視すると・・・

 最近、耐震性を重視してくれ!という注文が多くなった。別に悪いことではないのだが、「耐震性を重視すると、デザイン性や住みやすさが損なわれる」ことを忘れないで欲しい。わがままな建築士さんは「デザインはこれで。耐震等級は最上級で」という無茶なことを注文して平気な顔をしている。構造は構造屋など思わないで欲しい。構造計画は意匠計画と同時に行うべきで、その能力がないなら、はじめから相談して欲しいものです。構造屋は魔法使いではない。大体耐震性なんてある程度の物量(壁の量など)で決まってくる。だからある一定を超えなければ耐震性を高めることなど不可能に近い。
 こっちもそれを説明するのだが、理解できないらしい。別に私は腕が悪いと思われても構わない。成り立たない住宅を引き受けて「やっぱ駄目でした」というのが一番嫌だ。時間はかかるし費用も無駄になる。
 また数値上耐震性が高いのと本当に耐震性が高いのは違うということ。最近住宅の性能表示で耐震等級というものがあるが、ひとつの参考程度と思って欲しい(否定しているわけではない)。ただ耐震等級が上がると間取りの制約が厳しくなるのは一緒である。数字が一人歩きして、耐震性を数字で語るような時代がきそうで少々心配しています。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。