北海道の構造計算書偽造問題続報

 昨日(3月7日)の夜には、北海道の構造計算書偽造のテレビニュースが偽造を行ったとされる建築士のインタビューと共に放映されました。

国土交通省の発表
 札幌市から報告された構造計算書の偽装について

 現在わかっている情報については、ニュースサイトや上記国交省の発表を見ていただくとして、現時点での問題点をいくつか。

 今回の問題で大きな点は、現在の見解では建築士の技量不足であると言う点です。テレビでインタビューを見た感想は、高層の建築物の設計には向かないだろうな、と思う発言が多かったです(私は低層ばかりやっているので)。誰だって初めは初心者です。ですから若い人の経験をどうやって積ませるかが問題です。もちろん命を預かる大切な仕事です。しかし医者とくらべてもその育成に非常に問題があります。大手はともかく個人の構造事務所では若い人を雇うのに経済的に苦しく難しい現状です。実務経験が物をいう反面、独立前の技術を独立後それほど伸ばせない現状にあっては、中途半端な建築士が今後も増える可能性があります。国を挙げて技術者・確認機関役所の担当者の育成に取り組んで欲しいものです。逆にその基準に満たない人への再教育や資格剥奪の基準も設ける必要があるかもしれません。今回の建築士が40歳代後半ということで若手ではなく十分経験を積んでいるはずの建築誌ということで特に不安を覚えました。
 もう一つの問題点は、更に世間の建築業界への見る目が厳しくなったこと。まあ一人ではないとは思っていたが何人も出てくると「信用して」とはいえなくなりますね・・・。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。