最近、補強業者からの問い合わせに基礎の件が多いです。木造住宅の場合、最近の建物は鉄筋コンクリート造の布基礎で、非常に耐震性、耐久性が高いものとなっています(なんか薄いのが多くなった気がするが)。しかし10年くらい前になると無筋のものも多くなり、20年以上前ともなるとコンクリートが劣化して割れているものも多数あります。当然耐震診断を行うものも、補強を行う業者も直さなければならないと思っているのですが、なかなか補強方法は難しいのです。最近、接着剤を注入するだけの「補強としては」悪しき方法
(補修としては良い)を良く見かけますが、古い基礎には意味がありません。この工法は比較的新しく劣化が少ない基礎のクラックや少々の割れに意味があるといえます。基礎と柱を外部から補強する方法も基礎が弱ければ意味を成しません。
(補修としては良い)を良く見かけますが、古い基礎には意味がありません。この工法は比較的新しく劣化が少ない基礎のクラックや少々の割れに意味があるといえます。基礎と柱を外部から補強する方法も基礎が弱ければ意味を成しません。
耐震診断のマニュアルには基礎の増打ちというものがあるのですが、全体をやろうと思うと費用がかかるだけでなく、床を剥がさなければならなかったり非常に手間と時間がかかります。部分的に補強する場合も割れている部分だけの補強もあまり意味がないかもしれません。
そこで、過去の診断で割れている部分や、構造計算によって応力がかかりやすい部分を割り出して、既存基礎(弱くなっていると仮定)の弱点を洗い出し、補強が必要な箇所の優先順位をはじき出す試みをしています。各階の柱位置より軸力を簡易算定し、連続梁と単純梁を相互に解いておおざっぱに分類して計算しなくても良いシステムとして可能かどうかを検討しています。最近は調査前に図面を見て、どこが悪くなりやすいかを予め予測し、その結果と照合するようにしています。精度が高まれば今後割れる位置を予測できるようになれば余分な工事を出来るだけ減らすことも出来るかも知れません。また必要補強の程度がわかれば数段階で補強方法を提案できる可能性も出てきています。
マニュアルをよく勉強することも必要ですが、独自の研究が必要だと思っています。