悪質リフォームを考える

 悪質リフォームの報道が過熱気味です。しかし通常のリフォーム業者や工務店も今回のことから学ぶことは多いはずです。
 問題点はリフォーム価格の不透明性です。誰も普通の卵を1個1000円で買う人がいないように、価格・相場が見えれば今回のようなぼったくりは発生しません。また工事の適正性に関しては利害性のない第三者が監理すれば比較的間違いの少ない工事が出来るはずです。この点は、きちんとしているリフォーム会社や工務店でもいろいろ不透明な部分を残しているので、改善の余地はあると思います。
 もちろん、リフォームは価格が読みにくい部分を含んでいて完全には透明に出来ないと思います。なにしろ剥がしてみないとわからない部分を多分に含んでいるので。しかし出来るだけ透明でわかりやすくしていくことは必要だと感じます。
 この点は大手住宅メーカー等は一見非常にわかりやすくみえます。しかし不透明さは更にアップしています。設計料無料にしたり、その他営業・広告・プレゼン等にかかった費用等を単価に反映しているわけですから。
 私は最初の頃は原価を細かく設定し、見積を出すことに専念していたことがありました。しかしすぐにやめました。リフォームで工事に入る場合、設定していた金額通りに工事が終わることがなかったからです。原因は、予想外の事態で費用がアップ(もしくは減少)すること、お客様の現地での要望に個別対応しなければならないこと、大工さんの手持ちの材料によって本当にかかった金額が読みにくいこと、等様々です。もちろん私は工事をするほうではなく工事を監理する立場なので私が作った見積書で工事することはなく、大工さん・工務店の見積もりのチェック用なのですが。
 悪質リフォーム業者を責めるだけでなく、我々も考え方を変えていかねば、この業界はだめになると思う今日この頃です。

作成者: しろなまず

建築設計やっています。スマホやソフトウェアが好きです。